夫の存在は「夫源病」の原因ではなかった!から考える商機

シニアの健康を支えている最も身近なものが「夫婦お互いの存在」であることが分かった(第一生命経済研究所調べ 別居する子供がいる60~70代の2人世帯夫婦)

お互いの存在があるからこその「食への気遣い」

子供との別居、小食になる、体力面から面倒になるなどの理由から、一般的に「シニア世代にとって食事作りは負担」と考えられている。そんなニーズをくみ取り、単身者や夫婦2人など小人数向けの惣菜を種類豊富に取り揃えるスーパーやコンビニが増え、同様にシニア向けの健康を考慮した食事宅配サービスなども増えてきている。

しかし、シニア世代にとって「食」とは本当に「負担」でしかないのだろうか?そんなことはなさそうだ。同社は調査結果から、夫婦互いの健康を支えているのは「お互いの存在があるからこその食スタイル」であると考察している。

将来1人暮らしになったときの食生活の変化

赤い部分を見てよう。「将来1人暮らしになった場合にどんな変化があると思うか?」の回答の中に「偏った食生活」「好きなものや同じものばかり食べる」がある。1人暮らしの経験がある人であれば理解できると思うが、食事作りは自分一人だけのためと思うと力が入らず、つい適当になりがちだ。

料理の面倒を省けるコンビニ弁当だったりインスタント食品だったり、あるいは外食で済ませたり。つまり、1人暮らしになることで不健康な食生活に変わる可能性があるということだ。

この回答から見られるシニア世代の意識からは、シニア世代にとって、健康を支える1つの要素は「互いの存在」であることが伺える。近年は、シニア世代の夫源病、熟年離婚などネガティブな面ばかりが誇張されているが、(普段は意識することが少ないかもしれないが)ポジティブな面だってあるのだ。

画像引用元:

画像:第一生命経済研究所

 

「簡便」だけがシニアのニーズに応えることではない

企業は、シニア世帯向けのサービスや商品を「楽・簡単・時短」などの簡便さをテーマにしがちだが、「夫婦の健康を支えるのは、手の込んだ料理!」などと言った切り口から、あえて時間や手間がかかる商品やサービスを打ち出すのも面白いかもしれない。何せ、シニア世代は全世代の中で最も時間持ちなのだから。

そんな商機を狙うなら、健康というキーワードは必ずセットで絡め、夫婦が互いの存在を改めて認め合える機会を創出したい。健康診断とセットにした夫婦の料理教室や夫婦で楽しめるレシピ本、キッチン商品などなど。どうだろう?

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