商品パッケージの表記を変えただけで女性の心を掴んだ事例

(最終更新2017年4月,記事公開2016年8月)
ヘルスケア関連商品やサービスの場合、パッケージ表記が、エビデンスや数値、配合成分などに偏りがちだ(数年前までは多く見受けられる表記だったが、最近では少しずつ「女性視点」の商品が増えている)。

表記が十分でなければ女性客は商品を手に取らない

ヘルスケア関連商品・サービスにとって、エビデンスや数値、成分の表記は重要だ。大きな説得力・安心感を与えるからだ。しかし全面に打ち出し過ぎると、女性にとっては「難しい…」「よく分からない…」といった不満につながりやすくなる。また、エビデンスにこだわりすぎたために明確な「使い方」が表記されていないと、どう使えば良いか分からず女性を迷わせてしまうことにもなる。以下に「表記を変えてヒット商品に変身した」例を挙げる。売れるための見直すべきポイントが見えてくる。

表記を変えてヒット商品になった事例

2016年4月にキューピー(東京・渋谷区)が発売開始した「つぶしておいしいたまごとポテトサラダ」が、当初計画の1.3倍の売れ行きだという(日経MJ 2016年7月6日)。一つのパウチの中にゆで卵丸ごと1個とポテトサラダが入っていて、食べる直前にパウチごとつぶし、揉むことでポテトサラダが簡単に出来上がる、という商品だ。面倒な調理器具の準備も、キッチンを汚すこともない。時短料理をしたい働く女性に喜ばれるし、調理器具がいらない・必要な分だけ食べられる点では単身世帯にも喜ばれる。こちらの商品は、パッケージの表記を変更したことで売上が伸び始めたという。

発売した当初は話題にもなり、爆発的に売れた。しかし3ヵ月ほどたつと、販売は落ち着き始めた。その理由を調べると多くの人が本来の使い方とは違った「袋からつぶさずにゆで卵を取り出し、皿の上でつぶすという作業をしていた」ことが分かった。そこで袋に「ゆで卵を入れたままつぶす」という表示をあえて入れた。パッケージの表示変更で調理器具不要という使い勝手の良さが浸透し、売上は伸び始めた。(引用:日経MJ 2016年7月6日)

企業側の意図は本当に伝わっているか?

他にも、女性に長く支持される人気のヘアケアオイル商品「大島椿」も、同様に表記で成功している例と言えるだろう。

リーフレットやHPには商品の使い方を分かりやすく明確に表記している。ヘアケアオイルなのだから、毛髪ケアの使い道しか思い浮かばないかもしれないが、実はその他にも「クレンジング」「フェイスパック」「頭皮ケア」「ヘアパック」「角栓ケア」「ボディ用保湿ケア」と様々な用途がある。今の女性消費者は「安ければ買う」「高ければ買わない」ではない。コスパが良ければ買う。大島椿は1本でこれだけの利用方法があるのだから、コスパは120点満点だ。

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他、昭和のイメージが残るロングセラーのオロナインやユースキンも参考になる。いまだに若い女性に人気なのは、大島椿と同様に使用方法の多様さにある。もし「商品の売れ行きが期待通りではなかった…」「どうも売れ行きが下がってきた…」と感じたら「企業側の意図=どのように消費者に使ってほしいか?=最大の魅力」がしっかり伝わっているか?について表記・打ち出し方を再検討してみるのも一つの手だろう。

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