自殺原因トップは「健康問題」、ヘルスケア各企業が把握すべき事実

日本における自殺者の原因・動機の圧倒的トップは「健康問題」であることをご存知だろうか?昨年平成27年は、健康問題が理由で約12,000人が自ら命を絶っている。

近年自殺者数は減少に転じてきており、医療技術の発展、企業のストレスチェック制度、生活者のヘルスケア意識の高まりなどはこの流れをさらに押していく形になると考えられるが、自殺者総数の約半分が健康問題を理由に自殺していることを考慮すると、まだまだ楽観できない状況だ。自殺はヘルスケア企業も意識すべき日本の社会問題の一つだ。

自殺予防週間とは?

9月10日(土)〜9月16日(金)は自殺予防週間。この機会に、国内における自殺の実情について考えてみよう。

画像引用元:こころの耳(厚生労働省)

画像引用元:こころの耳(厚生労働省)

自殺予防週間は、自殺について誤解や偏見をなくし正しい知識を普及啓発する期間で、9月10日の世界自殺予防デーに因んで設定され、平成19年度から始まった。

国民に自殺や精神疾患についての正しい知識を普及啓発し、これらに対する偏見をなくしていくとともに、命の大切さや自殺の危険を示すサイン、また危険に気づいたときの対応方法等について国民の理解の促進を図ることを目的とする(引用元:内閣府)

自殺者数の年次推移。昨年は18年ぶりに25,000人以下に

自殺者数は平成10年を境に急激に増え、以来14年連続3万人を超えていたが、平成25年からは3万人を下回るように。昨年は18年ぶりに25,000人以下に下回った。

自殺者数が多い年代は60代以降

人口の年齢構成も影響しているが、自殺者数が多いのは60歳以上のシニア世代だ。「アクティブシニア」「プラチナ世代」など、シニアはポジティブに描かれることが多いが、一方で、様々な問題と隣り合わせになるのもこの世代であることを忘れてはならない。

体の健康問題、心の健康問題だけではない。退職後の孤立感・虚無感、パートナーとの死別、経済問題、生活問題などだ。自殺の原因は人それぞれだが、これらの要素は、他世代よりも顕著に見られる世代特有の特徴とも言える。

自殺死亡率が高いのは50代、その理由は…

自殺者数で見ると60歳以上が多いが、自殺死亡率で見ると50代が高い。

この年代の自殺率が高い要因は、50代前後から健康問題が顕著になることが考えられる。国内における死因第1位のがんを例に見てみよう。以下は年齢によるがん罹患率を表したものだ。女性は30〜40代から、男性は40〜50代から徐々に罹患率が高まることがわかる。

自殺の原因、トップは健康問題

自殺の原因・動機。自殺者数は減少傾向にあるが依然、原因の第1位は健康問題である。

画像引用元:内閣府

画像引用元:内閣府

「もし自分や家族が病気になったら?」ヘルスケア企業ができること

毎日元気に過ごしていると、健康でいられることのありがたさは誰もが忘れてしまう。「健康でいられること」が空気のような存在になってしまうのだ。しかしもし自分や家族が、がんになったら?生涯透析になったら?脳梗塞で命をとりとめたものの半身不随になってしまったら?

多くの人は自分の身に健康問題がふりかかってから「健康であること」がどれだけ幸せで恵まれていることだったかを知る。しかし、そうなってからでは遅いのだ。後天的な病気の場合は、多くはあらかじめ罹患を防ぐことは十分に可能だ。

多くの患者は健康を失ったときに初めて、毎日気を付けていればよかったと心から後悔するという。

直接的なヘルスケア企業も、あるいはヘルスケア企業を支援する側にいるヘルスケアに間接的に関与する企業も、「自殺原因の第1位は健康問題」である事実をしっかり把握しておこう。各社のヘルスケア商品・サービスが、多くの生活者の命や人生を救うのだ。

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