2017年「食・美」トレンドはヘルスケア業界にどう影響する?

リクルートグループは12月13日(火)、住宅、学習、働き方など8つの分野に関する2017年の動向を「2017年のトレンド予測」として発表した。

来年は、生活者はどのようなモノ・コトに興味関心を示し、どんな消費をするのだろうか?前回に続きウーマンズラボでは、8つの中でも特に「女性」と「ヘルスケアビジネス」に関係する分野をピックアップ。今回はその第2回目。本記事では「食」と「美容」について。来年の商機を探るヒントにどうぞ!

※「住宅」「学習」「働き方」に関する記事はこちらから
「2017年「住・学・働」トレンドはヘルスケア業界にどう影響する?」

日本の良さを再確認、地域グルメを味わう「おいし援」

「おいし援」解説

2020年に控えた東京オリンピック・パラリンピック、外国人観光客増加により日本の良さを認識するようになったこと(文化・歴史・日本食など)、国が推し進める地方創生、LCC増便や新幹線延伸により気軽に旅行に出かけられるようになったこと、日本ネタ・地方ネタのテレビ番組が人気になっていることなどが影響し、今、生活者の間では産地のものを味わいたい、地域に貢献したい、という気持ちが強くなってきている。

都市部では、各地域のグルメを味わえる飲食店も増えてきており、外食を通じて「援(応援)」の気持ちが「縁」になり「宴」になり、「円」になるという流れができている。これをリクルートは「おいし援」と命名。

「おいし援」から考える商機

地方の食に注目が集まっている他の要素としては、今や国民的大イベントともなったご当地グルメ「B-1グランプリ」によるB級グルメの認知度向上や、ふるさと納税、安心・安全・新鮮なものを食べたいというニーズが特に女性の間で広まっていることも関係している。

先日ウーマンズラボで配信したメルマガ内でも、2017年のヘルスケアビジネスのトレンドキーワードとして「伝統回帰」と「地方創生・地域包括ケアに取り組む自治体」を挙げたが、近年の「ナチュラル志向へのシフト」や政府が押す「地方創生」「地域包括ケアシステム」の施策も影響し、今、生活者の注目は地域へと向いている。

では、この流れにヘルスケア業界はどのように関われるのだろうか?「食」「旅」「スポーツ」をテーマに構成した商品・サービスに商機がありそうだ。

例えば、「地域色・地域食を打ち出した美容と健康に良いお菓子やお土産品の開発(既存の商品であれば、ネーミングやキャッチコピーを変えるだけでも良いだろう)」、「地域色・地域食を打ち出したヘルスケアツーリズム」、その一環としてさらにスポーツを組み合わせるのも良いだろう。

ただし気をつけたいのは、「美容や健康」「スポーツ」を前面には打ち出さないことだ。あくまで、前面に出したいのは「地域色」や「地域食」。地域色とは、伝統・文化・観光地などその土地ならではの資源を指す。これまでにもヘルスケアツーリズムは多数登場したが、成功と失敗を分ける大きな差は「旅によるヘルスケア効果」よりも「地域の魅力」を明確に出しているかどうか?のように感じる。

男性向けビジネスから学ぶイメージの大転換とは?「バーバー新時代」

「バーバー新時代」解説

今、若い男性を中心に「理容室帰り」が増えていることをご存知だろうか?ウーマンズラボでは普段は「女性向けヘルスケアビジネス」に特化した情報をお届けしているが、「バーバー新時代」のキーワードからは学べることがあったので、こちらもピックアップしてみた。こちらのキーワードからは、「商品・サービス・業界のリブランディング」のヒントにしていただければと思う。

1980年以降美容室の数は急速に増え、「カリスマ美容師」という一大ブームが起きた。その流れに反比例して減少したのが理容室。

しかし最近は、美容室へ通っていた若い男性が理容室へ行くようになっているという。ただし、人気を集めているところは、通常の理容室にプラスαの付加価値を提供しているところだ。プラスαとは、ビューティだったり(ネイルケア、マッサージ、ヘッドキュア、ヒゲデザイン)、ファッションだったり(テーラーやバーを併設。スーツを着こなした理容師が店内に揃う)、カルチャーだったり(店内をアメリカンカルチャー風に)。

理容室と言うと、何となく「おじさんが行く所」「昔っぽい」「おしゃれなヘアスタイルになれない」という印象が強いが、いわゆる「バーバー(=現代版理容室)」は、これらのイメージを払拭し、見事に顧客の獲得に成功している。これを、リクルートでは「バーバー新時代」と命名。

実際、理容室に戻った男性たちからは、「美容室は女性ばかりで落ち着かない。バーバーは男性だけなので落ち着く」「顔剃りをしてほしいのでバーバーに通っている」という声があるという。

実際にその様子を見てみよう。「これが理容室!?」と驚く。

画像引用元:リクルート

画像引用元:リクルート

 

「バーバー新時代」から学ぶイメージの転換

理容室からバーバーへの転換により、理容業界は今後再び盛り上がるかもしれない。今や若い人を中心に男性にとって美容室へ行くのは当たり前だが、女性客が多く開放的すぎる店内に行きづらさを感じている男性は多いはずだ。「業界の当たり前(男性も髪の毛を切りに行くなら美容室)」を疑い、男性の不満やニーズを汲み取った上で「理容室はどんな存在であるべきか?」を再定義したのが「バーバー」ではないだろうか。一過性のブームではなく、このまま継続的に男性消費者の間で認知度が上がれば、確実に利用者は増えそうだ。実際、「バーバー」の検索数は右肩上がりだ。

画像引用元:リクルート

画像引用元:リクルート

そんなバーバーから学べることは、これまでのイメージを払拭し、現代風に世界観やサービス内容をアレンジし、業界全体のリブランディングを図ったことではないだろうか。

理容室帰りが増えていると言っても、若い世代に利用されているバーバーは、「ファッション」「ビューティー」「カルチャー」と言ったプラスαの価値が提供されている店舗だ。

スタッフがスーツを着用することで、「理容室=おしゃれではない」というイメージを払拭し、「きちんと感」や「おしゃれヘアスタイルにしてくれそう」という雰囲気を演出している。

ファッションの提案やシューリペア、靴磨き、テーラーのサービスを提供している店舗は、客に紳士的な店舗である印象を与える。一カ所で様々なサービスを受けられるのは魅力的だ。

男性にとってバーバーに行くことが「一つのステータス」と言わせてしまうような世界観の演出も、成功要因の一つだろう。

画像引用元:リクルート

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「髪の毛だけではなく身だしなみ全体をバーバーで整える」という提案は、理容業界の新しい「業界ブランディング」として確立されていくかもしれない。これまでの当たり前を疑って再定義したことで再度消費者の注目を集めることに成功した例だ。

詳しく知る
■「2017年のトレンド予測」を読む(リクルート)

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