地域包括ケアシステムのためのビジネス事例と7つの成功ポイント

地域包括ケアシステム構築(※)のために、シニア向けあるいはその家族向けに各社保険外サービスの提供を行っている。しかしシニア向けビジネスや、シニアのための保険外サービスは潜在的な可能性の大きさがあるにも関わらず、普及・定着しているサービスがまだまだ少ない。その理由は情報や成功ノウハウが少ないためだ。

今後、保険外サービスやシニア向けビジネスを新規に立ち上げたいと検討中の企業はまずは情報収集から始めてみよう。他社のビジネスモデルや事業戦略、訴求方法などを見ると様々なヒントが見えてくる。事例集をまとめたレポートが発表されたので以下概要をまとめた((株)日本総合研究所調べ)

※地域包括ケアシステムとは
重度の要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・生活支援・介護予防が一体的に提供される支援体制のこと

保険外サービス・シニア向けビジネス7つのポイント

同レポートでは、各社のビジネス事例集から、保険外サービス・シニア向けビジネス(特に地域包括ケアシステムに関係が強いもの)のポイントをまとめているので、以下概要をまとめた。ウーマンズラボで以前取り上げた記事も併せて、成功ポイントを学んでいただきたい。自社の戦略に取り入れてみよう!

1.人との関わり(コミュニケーション)の重要性

現役時代と比較するとどうしても社会とのつながりが薄くなりがちだからこそ、シニア世代は「リアルなつながり」を求める。リアルなつながりを重視したサービスを考えよう!

<参考>
・一人がいい若世代と比較する、交流したいシニア世代の消費動向

2.要介護認定を受ける前から、家族の替わりになる存在にニーズあり

要介護認定を受ける前から、電球交換、家具の移動、換気扇の掃除、家具の移動など、日常生活におけるちょっとしたことが自力でできなくなっていく。子供世帯と一緒に暮らしていれば家族に頼めるが、「シニアのみ」という世帯が増えている今、このような、ちょこっとした困りごとにワンストップで対応してくれるサービスはニーズが高い。

3.出かける場所や、参加することに価値がある

1でも述べた通り、リアルな交流を求める傾向が強いシニア世代は、仕事をしていない場合は出かける機会もどうしても少なくなりがちだ。「社会とのつながりを持ちたい」「日中家族が自宅にいない時間帯は、外へ出て新しい人と出会いたい」というニーズがある。自宅とは違う第2の特定の場所(カルチャークラス、コメダ珈琲のような喫茶店)、またはスポット的なイベントのどちらのタイプもニーズがある。

<参考>
・ウォーキングイベントがシニア参加率が高い理由

4.喜び・生きがいにつながるサービスへのニーズ

最近の介護施設は、事務的なサービス提供から「喜びや生きがい」を重視する傾向があり、働く側と利用者側、双方に良い影響をもたらしている。働く側は、モチベーション維持ややりがいの向上。利用者側は生きがいや喜びを感じるようになるという。シニアは「できなくなったことをサポートしてほしい」という気持ちよりも、実は「誰かのために、社会のために役立ちたい」という気持ちの方が強いという調査結果もあり、いつまでも元気に過ごしてもらうためには「生きがい」を提供できるサービスへのニーズが高まっていくだろう。

<参考>
・介護レクサポーター制度開始。介護施設、喜びや生きがい提供を重視

5.よりパーソナライズ化された個別性重視サービス

個別アドバイス、個別カウンセリング、個別サポート、など「パーソナル」をキーワードとしたサービスが増えた。これはシニアに限らず全世代に言えることだが、1で述べた通りシニアの場合はリアルな人との交流を求める傾向が強いことを考えると、より強化された個別性重視のサービス提供が重要になる。

<参考>
・ヘルスケアビジネス市場、5つの特徴を2016年に活かそう!

6.高齢者色・介護色を出さない

シニア向けサービスでは、「高齢者」「シルバー」という呼称が使われると利用されにくいと言われているが、「シルバー割引!」という言葉は未だによく見かける。シルバーに代わる呼称として、近年では「プラチナ世代」「グランド・ジェネレーション」が話題になったが、呼称として定着したかというと、浸透率はいまいちの感も。一昔前のシニア世代と今のシニア世代では原体験が大きく異なるため、価値観や年齢に対する意識も大きく異なる。ゆえに呼称が何であれ、当世代の人々は、シニア世代を一括りに表現されること自体に抵抗を感じやすいのだが、「高齢者」という色が強く出ないようにしつつ、でもターゲットが「これは私たち向けのサービスね」と想起できるような訴求を考えたい。

<参考>
・「シニア(55歳以上)は常時20%オフ」はかえって客離れを起こす

7.他社との連携・協業で市場を創る・広げる

未開拓市場がほぼなくなってしまった日本国内では、最近は各企業横展開が積極的に行われている。横展開とは他社との協業や連携のことで、各社が双方の強味を活かしあい、そして弱みはお互いにカバーしあうことで新しい市場を創り、広げている。協業によるビジネス事例は毎月のように各社からリリースされているものの、まだまだ協業に対する抵抗や課題の多さからそれに踏み切れない企業が多いのも事実だが、それによる事業メリットは非常に大きい。

地域包括ケアシステムのためのビジネス事例一覧

同社発行レポートP21より以下のポイントで各社の事例が掲載されている。

  • サービス分類
  • 対象顧客層
  • ビジネス要約
  • 商品・サービス概要
  • 取り組みや工夫
  • 今後の展開
地域包括ケアシステム

画像引用元:(株)日本総合研究所

大変参考になるので、現在シニア向けビジネスや地域包括ケアシステムのビジネスを検討中の企業はぜひチェックしてみよう。レポートはこちら。

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