2016年のダイエットマーケティング。女性が振り向くキーワード

肌見せの季節になり、多くの女性誌で「ダイエット」「着痩せ」「ボディ作り」といったダイエット関連の言葉が並び始めた。夏前〜夏は、1年の中でも自身の体型への注目度が最も高くなる。今年のダイエット関連の商品・サービスへの需要がこれからピークに向かっていくが、本格的なマーケティングの前に、あるいは最終確認として今年のダイエットマーケティングの特徴を理解しておこう。記事の一番最後に、2016年取り入れたい、女性が振り向くダイエットキーワードをまとめたので、ぜひご活用頂きたい!

楽&簡単「短期決戦型」から、「精神衛生重視型」へ

これまでは、「〜日間で〜kg痩せる!」という、短期決戦型でどれだけ簡単に痩せられるか?がダイエットの鉄則、という風潮があり「好きな食べ物を我慢したくない!」「運動なんてつらい!」「楽して簡単に細くなりたい!」と願う多くの女性からの絶大なる支持を集めていた。果物や野菜を使った単品ダイエット、置き換えダイエット、食事制限などがそれだ。

しかし近年は、単純に「短期間で痩せる」「楽に痩せる!」と謳っただけでは響かなくなってきている。それに取って代わって浸透し始めているのが「自己肯定」「自己受容」「自分らしさ」「ライフスタイルとして楽しむ」といった要素をベースにした、精神衛生を重視する概念だ。以下のようなポジティブ思考がそれに当てはまる。

  • 太っている自分を否定しない。自分の体型で好きなところを見つけて磨きをかけよう!
  • ファッションモデルや芸能人の体重や体型を指標としない。自分の身長、体型に合った体づくり!
  • 体重の数字だけにとらわれない。女性らしいボディラインかどうか?が大事!
  • 短期で痩せても、結局すぐにリバウンド。それより、時間をかけて生涯太らない体質!
  • 嫌いなダイエットは続かない、だから毎日楽しみながらゆるく続ける!

新しい概念が広がり始めている背景

精神衛生型重視は、必ずしも楽で簡単なわけではない。どちらかというと時間がかかるが、それでもダイエットのストレスからは解放される。「女性=いつも痩せたいと思っている、常にダイエットに興味がある」と思われがちだが、深層心理としては、ダイエットに対するイメージは「辛い」「憂鬱」「続けられるか不安」「続けられない自分が情けない」「結局いつも最後はドカ食いして自己嫌悪…」というネガティブ要素が並ぶ。ダイエットそのものが辛い、と感じるのと同じくらいダイエット中に自己否定(体重や体型に対する自己否定だけではなく、メンタルが弱い自分に対する自己否定も含む)する女性は多く、それがまたストレスとなっている。新しい概念に切り替わっている要因としては、そのような心理面が根幹の部分で関係しているが、具体的な理由を考えてみよう。

理由1:健康志向の高まり

年齢関係なく、健康を意識する女性が世界的に増えてきている。特に若年層の間では「健康=美容」という方程式が成り立っていることも、不健康なダイエットが敬遠されるようになった理由だ。

理由2:消費者自身がダイエットの経験値を上げてきた

テレビや雑誌で何かと大きな話題になるのは、ダイエット食品や単品ダイエットのハウツー、ダイエット器具だが、飛びつく消費者が多い一方で、「あれ?話題に成っているほど痩せない…」と、飽きられるのも早い。そんなことを何年も続けていたら、消費者もいい加減「何か一つのハウツーや食品だけでは痩せられない」「短期で痩せてもすぐにリバウンドしてしまうから、習慣を変えて痩せる体質に少しずつ変えていくしくないのか」と気づく。そして、現実的な方法で痩せるしかないという結論に至る。経験値の向上により、消費者はどんどん賢くなっている。だから、「○日で○kg痩せる!」というコピーでは、「短期で痩せてもどうせリバウンドするんだろな」と考えるようになる。むしろ、商品・サービスが胡散臭く見えてしまうことも。特に、年齢が上がれば上がるほど、消費経験やダイエット経験が豊富になり、自分の性格や体質の特徴もよく理解しているので、賢くなっていく。消費経験が豊富な30代以降をターゲットにする時には特に意識したい。

理由3:ダイエットの手本となる「憧れるモデル」の多様化

ダイエットをする女性には、それぞれ「自分の理想像」というものがある。ファションモデル、芸能人、セレブ(特にハリウッドセレブ)、スポーツ選手などが一般的だ。しかし、最近ではSNSやYou tubeといった動画サイトを通じて一般の人が有名になることも多く、CMやテレビ番組で一般の人を取り上げることも増えた。ぽっちゃり系や身長の低いモデルが有名になることもあるし、とりわけ容姿端麗なわけではないけれども、その人の仕事や生き方が共感されて有名になることも。各雑誌では、積極的に一般の人を誌面に載せている。今や、細くて抜群の容姿を持った限られた人だけが注目されているわけではない。様々なタイプの体型の人が多くの人の目に触れられるようになったことで、女性たちはちょっと頑張れば届きそうな自分に近い女性を「目標」にするようになった。これにより、「痩せていることが全てのキレイの基準ではない」という考えが生まれ、コンプレックスに感じていた自分の嫌いな部分も肯定的に受け入れられるようになってきている。

理由4:SNSで「目標とする女性」の考え方を知れるようになった

雑誌やテレビなど、限られたマスメディアからのみ情報を集めていた時代とは異なり、今は個人が好きな時に好きなだけ、芸能人や国外の有名人、一般人の日常生活を簡単にSNSで覗き見れるようになった。芸能人や有名人は外見に気を配っている人たちが圧倒的に多い。必然的にSNS上で、ホールフーズ食にこだわっていたり、毎日ジョギングをしているなどの健康的な生活を送っている姿を見かけることになる。また、日々の発言から生き方や価値観を垣間見ることもできる。それにより、「痩せるためには、日々の健康的な生活をコツコツ続けることが大切なんだ!」「キレイな人たちは、短期で体重を無理に落としているわけではないのね」と学び、そして「健康的な食事をとったり体を動かすことって何か楽しそう!」と感化されるのだ。

理由5:美容やファッションに対する意識の高年齢化

かつては、ダイエットや美容市場におけるメインターゲットとされていたのは、F1層(20~34歳の女性)を中心とした若い女性だったが、今や全年齢の女性がターゲットとされている。その理由の1つに、少子高齢化も関係しているが、それだけではなく「美容に対する意識の高年齢化」も関係ある。結婚して子供を産んだ後、家族の面倒一辺倒ではなく「子供を産んでもキレイでいたい」「産前のようにまた痩せた体を取り戻したい」という自分自身のニーズを満たしたいと考える女性は増えている。団塊世代は今もなお消費意欲は活発で、自分たちを「高齢者」扱いされることに不自然さを感じている。

今や、年齢関係なく多くの女性が美容に興味を持っていると言える。ということは、短期間で体重を落とす不健康なダイエット方法は当然、健康意識が高くなる30代以降の女性には受け入れられない。

理由6:価値観の多様化

これは一時的なトレンドとも捉えられるが、今はファッション、メイク、生き方、ライフスタイルの基本は、「ガッツリよりもゆったり」スタイルのエフォートレス美容・エフォートレスダイエットが受け入れられている。

新しいダイエットの概念を取り入れている女性誌事例

文言が参考になる。自己肯定を促す文言に、「ほっ」とする女性も多いはず。

35才を過ぎたら「痩せない体」で生きていく!大人には大人の「キレイな体」と「やせ見えワザ」があるんです(引用元:Domani)

LOVE YOUR BODYもう、痩せようなんて思わないで!今どきボディのつくりかた!ダイエットという概念はもう古い?ジジ・ハディットのような今どきボディを手に入れるメソッドを教えます!(引用元:ELLE)

2016年取り入れたい、女性が振り向くダイエットキーワード

精神衛生重視型という新しい概念が広まりつつあることを踏まえ、下記のようなキーワードを頭に入れた上で、コピーやデザイン、PRの部分などでこの「新しい概念」を盛り込んでみよう。

  • 細くなる、体重落ちることだけにフォーカスするのはNG
  • 心にも体にもストレスになる要素を含む辛い方法や思考の推奨はNG
  • 女性らしいカーヴィーなボディライン作りにフォーカス
  • 自分の体型を肯定する(自分の体のチャームポイントを見つけよう!)
  • 無理せず、ゆっくり、自分のペースで
  • ライフスタイルとして楽しむ
  • 痩せる以外の「嬉しいこと(キレイ要素、健康要素)」もアピール

 

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