インバウンド消費減速、モノ消費からコト消費へのシフトが必要

みずほ総合研究所は、「インバウンド消費減速の背景と今後の展望」をテーマとしたレポートを2016年6月23日(木)に発表した。現状、インバウンド消費を大きく支えているのは「一人あたりの買物代」であるものの、インバウンド消費減速が顕著になりつつある今後はモノ消費だけではなく、コト消費(サービス)をウリにしていく施策が重要になってくるとの見解を示した。

インバウンド消費減速の背景

インバウンド消費効果で大きく業績を伸ばした企業は多いものの、同時に「永遠ではない」ことを理解している企業も多い。それがいよいよ現実になってきている。減速している背景として同社は以下のように分析している。

・2015年後半以降、減速感が強まっている。訪日客数は底堅く推移する一方、一人当たりの支出の伸び鈍化が鮮明
・中国およびNIEs(新興工業経済地域、台湾・香港・韓国など)旅行者の一人当たり買物代の伸び悩みが顕著。円安傾向の一服、免税対象品拡大やビザ緩和といった政策効果の一巡が背景にある
・今後大幅な伸びは期待しづらい。一人当たり支出の底上げに向けて、買物だけでなくサービス消費の取り組みが必要(引用元:みずほインサイト)

一人当たりの支出の内訳と推移はこちら。買物代の部分を見てみよう。2015年中盤にかけて急激な伸びを示した後、急な減速に転じている。

画像引用元:みずほインサイト

画像引用元:みずほインサイト

 

消費の底上げにはコト消費(サービス)へのシフトがカギ

中国政府では海外での個人消費流出に歯止めをかける動きがあり、日本での免税品対象品目の最低購入金額引き下げにより、購入単価が低い商品に消費が偏ってしまうと、さらに買い物代が縮小する恐れもあると注意を促す。(引用元:トラベルボイス)

一部メディアでは、半年ほど前からインバウンドでも「コト消費からモノ消費へ」と言及されていたが、各社本格的にモノ消費スタイルの販売を検討していくべき時期だろう。「ウチは商品販売だけだから、コト消費と言われても対応は難しい」と思う企業もあるかもしれないが、それは企画・アイディア次第である。例えば美容クリームを販売しているとしたら、その美容クリームを使った日本流のきめ細やかなホームケアアドバイスを提案する実演サービスが考えられる。スポーツ用品だったら、単純に商品のみを販売するだけでなく日本の名所をピクニックやトレッキング気分で1日周遊するサービスプランだって考えられる。自社の強味を活かしたコト消費を考えてみよう!

特に日本は「健康の国」として世界でも認知度が高いため、そういった意味では、うまくブランド戦略・プロモーションができれば、ヘルスケア業界はインバウンド消費の恩恵を受けやすい。


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