健康問題を自分ゴト化させて、生活者の健康行動を促す2つの施策

(最終更新:2018年12月)
疾病予防のための健康行動を女性生活者に促すためには、がんや病気のリスクを他人事ではなく「自分ゴト化」させる必要がある。「自分ゴト化」させるためには、まず企業は適切なタイミングで、適切なアプローチをしてみよう。以下の調査結果「乳がんを意識する瞬間はどんなとき?」は施策のヒントになるだろう(参照:ドコモ・ヘルスケア株式会社 2016 カラダのキモチ」利用者対象 乳がんに関するアンケート結果)

乳がんを意識する瞬間は、「芸能人の乳がん」

乳がんを意識するタイミングで最も多いのは、芸能人の乳がん。最近ではハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさん、小林麻央さん、北斗晶さんが記憶に新しい。テレビで報道されると同時に、彼女たちのブログには数万件単位のコメントが寄せられる。そして多くの生活者は「検診に行こう」という意識へと変わり、実際に行動を起こしている女性が多い。報道によると、がん検診予約が急増しているという。

注目すべきは企業による働きかけ

ここで注目したいのが、グラフで5位と6位にランクインしている「カラダのキモチのアドバイス」と「ピンクリボンデー」の2つだ(「芸能人ががんになったのを知ったとき」が「自分ゴト化」させる大きなきっかけにはなっているが、これは突発的・一時的影響なため、当記事では除外する)。

同調査は「カラダのキモチ」を運営するドコモヘルスケア(東京・渋谷区)が、同サービス利用者に向けて行っていることも関係して5位にランクインしているが、健康維持増進・疾病予防対策のための企業からの情報発信や適切なアドバイスは十分に行動を促すきっかけになっていることが分かる。

また6位にはピンクリボンデーがランクイン。ピンクリボンデーは規模が大きく認知度も高いことが貢献していると言えるが、このような「啓発運動」も生活者の健康意識を高めて「自分ゴト化」させることに十分に貢献している。健康や疾病予防に関する運動や「○○週間・月間」などの啓発系イベントは大小問わず年中、様々な自治体や団体により実施されている。

疾病予防対策を「自分ゴト化」させるために企業ができること

企業から弊社ウーマンズに寄せられる依頼には「健康や疾病予防対策、病気リスクを自分ゴト化させて、行動を起こさせるためにはどうすれば良いか?」という内容が多い。その答えは各社の資源や目標、状況、商品により異なり、また、多岐にわたる戦略が考えられるが、まずはどの企業もすぐに取り組めることは以下ではないだろうか?

  1. 正しい情報を「分かりやすく」「かわいく・おしゃれに」「適切なタイミング」で届ける
  2. 国や各団体が行う「啓発イベント」を活用する

 

1の「情報を届ける」はあまりにも当たり前に感じるかもしれないが、しかしこの当たり前を実行できていないケースが非常に多いのではないか。企業だからこその「信頼力」「専門知識力と知識量」がありながら、情報発信をしないのは勿体ない。企業ならではの「信頼力」「専門知識力と知識量」と「ブランド力」を最大限に活用した「信頼できる情報」を届けよう!企業が持つエビデンスや情報、専門知識は、企業が思う以上に生活者にとっては大きな価値なのだ。

尚、特に健康業界はどうしても「エビデンス」や「堅苦しいリーフレット」「難解な文章での訴求」をしがちだが、これらは女性を遠ざける要因になるのでくれぐれも「見せ方」には配慮したい。

2は、簡単ではないかもしれないが継続的に取り組むことによる効果は大きい。「乳がんを意識するタイミング」で6位にピンクリボンが入っているということは、イベント等による啓発活動は確実に生活者の意識を変え、行動変容につながっていると言える。自社商品・サービスとの相性の良いイベントを見つけて一緒に取り組んでみてはどうだろうか。

 

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