再度人気商品へと押し上げるための、クロスジェンダー化戦略

(2016年4月6日の記事を更新)
プロダクトライフサイクル(商品の寿命)の関係上、人気商品・サービスにもやがては衰退期が訪れる。成長期を過ぎて衰退期へ入った商品を再度人気商品へ復活させるヒントの一つが「リサイズ(サイズの変更)」かもしれない。男性と比較して一般的に女性は筋肉量が少なくカラダが小さいことや、日頃持ち歩く荷物の多さや重さから「サイズ」を小さくすることで女性の心をつかめるからだ。

サイズを小さく・軽量化して女性を振り向かせた商品例

持ち運び用折り畳み靴のスモール化・軽量化

例えば折りたたみ持ち運び用靴。いつもハイヒール靴で歩き周る性にとって移動中のために履き替えるペタンコ靴は、足の痛みと疲れを軽減してくれる救世主だ。しかし日頃から持ち運ぶ荷物(例えば化粧ポーチ、乾燥対策用ミニ化粧水ボトル、仕事グッズ・子供用グッズなど)が多いのに、ペタンコ靴まで持ち歩くのはかさばるし、重い。そこで定番人気商品として注目を集めるようになったのが、薄く折りたためるペタンコ靴だ。

おひとり様キャンプ用のテント

お一人様キャンプ用のテントも、女性が一人で設置・持ち運びできるようサイズを小さく軽量にしたことで女性の心を掴んでいる。女性のお一人さまキャンプ市場を拡大させたのはミニサイズテントの登場による部分も大きい。ネット通販には、お一人様用キャンプアイテムが並ぶ。

通常サイズと小型サイズの2種類を発行する女性誌

女性誌の休刊や廃刊が続き、多くの女性誌の発行部数が伸び悩むなか登場したのが、雑誌のコンテンツとボリュームはそのままに、サイズだけ小さくした「バッグサイズ」。バッグにすっぽり入れて持ち運べるサイズだ。リサイズされた分、文字が小さくなり読みづらくなるが、写真やイラストなどを眺めるのに問題はない。バッグサイズを購入できる雑誌は限られているが、どこにでも持ち歩けること、雑誌を持つ手が疲れない点は嬉しい。

ファミリータイプ型ではなく、単身世帯用のスモールミキサー

ファミリー向けの大型タイプを小型化した、おひとり様用スモールミキサー。食材をブレンドするプラスチック部分はブレンド後そのままボトルとして持ち歩ける。ブレンド後に食材がこぼれることを心配しながら別のグラスに注ぐ必要がない点や、従来のミキサーでは底に材料が残りやすかった欠点を改善している点が評価されている。一人暮らしの女性や、ギフト用として喜ばれるだろう。

以上の例のように従来の商品をリサイズ・軽量化することで、再度ヒット商品にできるかもしれない。リサイズ・軽量化以外でおすすめしたいのが、男性用商品を女性用にリニューアルする方法だ。

進むクロスジェンダー化を利用して男性用をリサイズ、女性用に

最近は男性が料理教室や手芸教室へ通ったり、女性がプロレス観戦にはまったりDIYを楽しんだりと、コト消費のクロスジェンダー化が進んでいる。女性化する男子・男性化する女子が増えているためだ。

新聞のサイズがもし小さくなったら…?

男性用商品、あるいは男性をメインターゲットとしているが女性も使用する商品を「リサイズ」することで、女性市場を新たに開拓できるかもしれない。

例えば新聞。新聞のデジタル化が進んでいるが、「紙の方が読みやすい」「好きだ」と、あえて紙を選ぶ人も多い。しかし持ち歩いた先で落ち着いて読めないことは欠点の一つだ。混み合った通勤電車の中では両手を大きく広げて読むことも、ページをめくることもできない。「新聞イコールおじさん」というイメージも強く、電車の中やオシャレなカフェで読むのに抵抗を感じる女性もいる。

もし新聞が雑誌ほどサイズだったらどうだろうか。読みやすくページもめくりやすい上に場所もとらない。持っていても目立たないし広げても恥ずかしくない。新聞を読む人が減っていると言われているが、ひょっとしたらリサイズというシンプルな方法で新聞の女性購読者を開拓できるかもしれない。

再度人気商品へ  ヒントはリサイズかもしれない

再度人気商品として押し上げるためには、女性のお一人さまキャンプのように新たな市場を作りだすのも良いかもしれないし、既存商品のリサイズ・軽量化、あるいは男性向けの印象が強い商品を女性が使いやすいサイズに変更するのも良いかもしれない。一つの解決策として検討してみてはいかがだろう。

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