ひとり親の困りごと “自分の健康” シングルマザー・ファザー間で差

厚労省は今月15日「全国ひとり親世帯等調査」の結果を取りまとめた(調査対象:10~60歳以上の父母)。これは全国の母子世帯と父子世帯、および父母ともにいない子が祖父母などに養育されている養育者世帯に関する調査で、おおむね5年ごとに実施している。ひとり親の就業状況や仕事の内容、収入、預貯金額、在有資格、子どもにについての悩み、困っていることなど、シングルマザーやシングルファザーの状況・ニーズが見えてくる。

平成28年度調査の結果概要

ひとり親世帯数は前回調査と比較して減少している。平均年間就労収入は男女で約200万円の差があり、これは就業形態に要因があると考えられる。厚労省のまとめによるとシングルマザー、シングルファザーともに8割が就業しているが、そのうちパート・アルバイトで生計を立てているのは、シングルファザーが全体の6%に対し、シングルマザーは43.7%だ。

母子家庭 父子家庭
世帯数 平成28年度 123.3万世帯 18.7万世帯
(平成23年度) (123.8万世帯) (22.3万世帯)
平均年間収入 平成28年度 243万円 420万円
(平成23年度) (223万円) (380万円)
平均年間就労収入 平成28年度 200万円 398万円
(平成23年度) (181万円) (360万円)

 

男女で異なる「困りごと」順位

「ひとり親の困っていること」に関する調査では、男女ともに1位は「家計」だが、それ以降に明確な違いが見られた。

女性:「自分の健康」が上位に

シングルマザーの困りごとランキングは次の通り。「自分の健康」が第3位と上位に入っている。健康に関して不安や困りごとなどを抱えているシングルマザーが多いことが浮き彫りとなった。

  1. 家計(50.4%)
  2. 仕事(13.6%)
  3. 自分の健康(13.0%)
  4. 住居(9.5%)
  5. 親族の健康・介護(6.7%)
  6. 家事(2.3%)

男性:困りごとは「自分の健康」よりも家事

一方でシングルファザーは「自分の健康」は第5位。「自分の健康」について、女性ほど困りごととして高くは位置付けていないようだ。それよりも困っているのは「家事(第2位)」で、家事が最下位の女性とは大きく異なる結果となった。

  1. 家計(38.2%)
  2. 家事(16.1%)
  3. 仕事(15.4%)
  4. 親族の健康・介護(11.6%)
  5. 自分の健康(10.1%)
  6. 住居(4.5%)

シングルマザーの健康問題 今後の課題

シングルマザーとシングルファザーで「自分の健康」に対する不安の感じ方が異なるのは、男性よりも女性のヘルスリテラシーが高いことや、月経前後の心身の変化や更年期症状など女性特有の不調の出現などからくる不安が関係していると考えられるが、それ以前に、自分自身の健康のためにお金をかけるだけの十分な収入がないことが大きな要因と言えそうだ。

年間収入243万円の場合、月収に換算すると約20万円。世帯人員が親と子だけの場合その金額の中で、子育てを含め家計をやりくりしなくてはならない。そうなると、医療保険に加入できない、不調があっても通院できない・薬を購入できない、各種検診を受けられないなど、自身のヘルスケア関連の支出が必要だったとしても抑えざるを得ない状況に迫られる。

そのような状況にあるシングルマザーは危機意識があっても健康問題を放置しており、それが健康状態を悪化させている可能性が高い。シングルマザーのヘルスケアニーズにどのように答えていくか、企業や地域全体で取り組むべき課題だ。

 

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