【男女の違いvol.16】介護が理由の離職者数、男女間で大きな差

「介護と仕事の両立」「介護と子育ての両立(ダブルケア)」が社会問題になっているが、それは、どちらかといえば男性よりも女性の方が深刻だ。下の図は「介護・看護を理由とした離職者数の推移」。男女比を見ると、介護・看護を理由に離職するのは男性よりも圧倒的に女性が多いことがわかる。

出典:内閣府男女共同参画局「介護・看護を理由とした離職者数の推移(男女別)」

親など家族の介護が始まる時、夫婦は「どちらが仕事を続け、どちらが仕事を辞めるか?」という選択に迫られる。「妻よりも夫の方が収入が良いから妻が仕事を辞める」というように、収入の差が女性の離職率が高い理由とも考えられるが、「(子であれ親であれ)家族の面倒を見るのは女性」という固定的性別役割分担意識が蔓延していることも大きく関係していそうだ。

「親・義親の介護が始まったら、妻が介護をする」と、それを当然のように考えている夫と、「介護が始まったら私(妻)が介護をするしかない」と覚悟を決めている妻。この意識差が特に強く見られるのは中高年層で、年齢が上がれば上がるほど顕著だ。

この意識差は、男女格差・働き方・子育てに対する考え方に変化が起きている今の若い世代が親の介護を意識する頃には小さくなっていると考えられるが、今はまだ「介護と仕事の両立」問題は、「子育てと仕事の両立」問題と同様に、女性サイドに重くのしかかっている問題なのだ。仕事と介護を両立できる社会の仕組みづくりが喫緊の課題とされているが、仕組みづくり以前に、男性側に介護問題を「自分ゴト」と捉える意識改革が必要なのではないだろうか。

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