2019のジェンダーギャップ指数過去最低に、反論の声も

今年も男女格差指数をランキング化する「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(世界経済フォーラム)」が発表された。

日本は世界153か国のうち121位で、2018年の110位よりもさらに順位を落とす結果となった。「過去最低を更新」のニュースが今月17~18日にかけて多くのメディアが取り上げたものの、ネット上には「そのランキングは集計ミスじゃないか?」との声が多数挙がっている。その声を受け、アイティメディア(東京・千代田)が運営するwebメディア「ねとらぼ」は「ジェンダーギャップ指数2019で集計ミス?日本は本当は何位だったのか」という記事を公開し、独自にランキングを再計算。しかし、同メディアが再計算を行ったところでランキングは121位から120位にくりあがっただけで、ジェンダーギャップ指数が著しく低いことにかわりはない。

ネット上には他にも「そもそも、採点方法が独特。このランキングは真実なのか?」「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数自体が偏ったものである」との意見が散見される。興味深いのは、この件についてネット上で指摘をしているのは“男性とおぼしき人”たちが多数を占めている点だ。

仮に世界経済フォーラムに集計ミスがあったとしても、仮にグローバル・ジェンダー・ギャップ指数が偏った採点方法だったとしても、日本を含め世界全体を見渡せば、男女差別や男性優位社会があちこちにはびこっているのは明白。

直近のトピックで例にあげるなら伊藤詩織氏の件だろう。性的暴行を受けたとして伊藤氏が元TBS記者の山口敬之氏を訴えた裁判で、伊藤氏は勝訴(今月18日)。この件について、アメリカのワシントン・ポスト紙は次のように報じている。

今回の裁判を通じて、性犯罪に関する時代遅れの法律、男性優位で保守的な国家体制、性被害を主張する女性への障害が明らかになった引用:JCAST「TBS元記者から性的暴行『伊藤詩織さん』勝訴!海外メディアも報道「#Me Too運動のシンボル」」

日本は先進国であるにもかかわらずいまだに男性優位社会であることは、多くの国で知られている事実だ。「計算ミス」「偏った採点」といったところに躍起になるのではなく、まだまだ日本の現状は「男性優位社会」で、そんな社会・風土の中で、今なお女性たちが我慢を強いられたり苦痛を感じたり何かを諦めたり…という現実が存在することに真摯に向き合うべきではないだろうか。

 

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