【NHKに協力しました】化粧品、ネット販売と対面販売 女性はどちらを好む?

2017年6月14日17時~放送のNHKニュース番組「シブ5時」の「化粧品、あえて対面販売 イマドキ事情は?」で、ウーマンズが「女性の消費傾向・トレンド」に関して情報提供、弊社阿部がコメントをしました。

「ネットで化粧品の買い物をする女性が多い中、なぜ各社は今対面販売を充実させているのか?」「対面販売とネット販売は共存可能なのか?」「今後対面販売という形式は伸びる可能性はあるのか?」について。ウーマンズラボ読者様にも役立つ内容となっておりますので、当記事でも共有させて頂きます。

通販利用者が増える中、なぜ今、百貨店であえて対面販売なのか?

ネットやドラッグストアで気軽に化粧品購入ができる今、百貨店やコスメ専門店では「イケメン男性美容部員」を配置したり「バーチャルコスメを体験できるサービス」を提供するなど、あえて手間がかかる対面販売の充実を図っている。

無人レジ店舗、ロボットによる接客、デジタルサイネージによるサービス案内、AIによるチャット対応などデジタル化が急速に進む一方、なぜ今百貨店はあえて対面販売を強化し、そして一定数の女性は対面販売を選ぶのだろうか?

理由1.「デジタル苦手派」にとって対面販売は楽、分かりやすい、手っ取り早い

今、「サービス」は二極化が急速に進む。一つは「デジタルを中心としたスマート系サービス」、もう一方は「アナログを中心としたサービス」だ。

「デジタルを中心としたスマート系サービス」とは、例えば、ウェアラブルで健康管理、ネット宅配の利用、月経サイクルや妊活をアプリで管理、遺伝子解析と健康データを連携させるといったものなどだ。これらは便利ではあるが「使い方が難しい」という大きな心理的ハードルもある。また、「個人情報漏洩が心配」「操作が分からないときや、何か質問したいときにすぐに人に聞けない。どこに問い合わせればいいか分からない」などのデメリットもある。

そのような理由から、「デジタルを中心としたスマート系サービス」を好む消費者もいれば敬遠する消費者もいる。急速なデジタル化によって、今、シンプルなアナログ系サービスが実は好まれるいう現象が起きているのだ。アナログ系サービスは各社から様々登場しており、「デジタルを中心としたスマート系サービス」が苦手な女性たちからは支持されている。対面販売はアナログ派にとっては非常に使いやすく便利なサービス形態と言えるだろう。

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理由2.人や社会と交流したい女性にとって、社会とつながる大事な場所

対面販売が好まれる理由2つ目は、対面の場が「人との交流・社会とつながる場」という機能を果たしていることだ。復職待ちママ(結婚・出産を機に離職し、自宅で子育て中のママ。子の成長に合わせいつかは復職する予定)やシニア女性(特に単身シニア女性)など、人・社会との交流が希薄になりがちな女性にとって対面販売は「他者と話ができる場所、社会とつながれる場所」の一つなのだ。未婚率の上昇・長生きする女性の増加といった背景から、今後も対面販売は社会との交流の場・人と交流できる場という意味で重要な位置づけになってくると考えられる。

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理由3.ただ商品を購入するだけではなく、+アルファの価値を求めている

化粧品をネットで購入、ドラッグストアで気軽に購入、といったように、買い物に手間をかけない「簡素化された買い物スタイル」が一般化した一方で、「せっかく手間と時間をかけて購入するなら、買い物以外の付加価値を得たい」という欲求が、無意識のうちに女性消費者の心に芽生えるようになっている。商品・サービス・情報が溢れ返る今、ただ商品を販売するだけでは女性の興味関心を惹くことは難しくなっているのだ。そこで最近各社が強化しているのが、女性の「買いたい」気持ちを刺激するための「商品販売+α」の提供だ。

「+α」とは、モノかもしれないコトかもしれないが、最近の消費者に受け入れられやすいのは「コト体験」の方だ。例えば、バーチャルメイクやイケメン美容部員による対面販売では、いくつものコト体験を提供している。

  • SNSネタにできる
  • ときめきを感じられる。男性目線でアドバイスをもらえる
  • 変身願望を満たせる(購入意思がなくても、バーチャルメイクのみを体験できる点が良し)
  • 購入するまでの「選ぶ時間」「情報収集する時間」も楽しく貴重な体験

なぜ各社はあえて、対面販売を強化?

「商品を購入して終わり」という簡素化された買い物スタイルだけでは女性の興味関心を惹きづらくなっているため、一工夫された対面販売の充実化を進めているところは増えている。

対面販売を強化すべき理由は他にもある。それは、メルカリなどのフリマアプリに代表されるCtoCサービス(生活者同士でモノを売り買いするサービスのこと)の登場により、かつて客だったはずの消費者が企業にとって新たなライバルになっているからだ。今は、CtoCで様々なモノが売買されている。高級化粧品の「使いかけ商品」ですら、格安で出品され次々に売れていくのだ。かつては「誰が使ったか分からない化粧品を使うなんて…ありえない!」時代だったが、今は気軽に高級化粧品からプチプラ化粧品までを、オークションサイトやフリマサイトなどで気軽に購入する人が増えている。消費者が企業の競合になっているのだ。

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通販やフリマアプリなど、安く欲しいものを手に入れられる手段が増えた今、消費者は、高い化粧品を時間と労力をかけて購入する意味を見出せなくなっている。実店舗を構える企業だからこそできる対面販売で+αの提供を強化することは、消費者という競合に打ち勝つための大きな差別化にもなるのだ。

ネット販売と対面販売 2つは共存できるのか?

「面倒を取り払って簡素化した買い物スタイルを提供するネット販売」と「あえて手間と時間をかける買い物スタイルを提供する対面販売」の2つは今後も共存していくと言えるだろう。

今、無人レジの店舗やAIによる接客など最新技術を導入する店舗が出てきており、企業側は「便利・コスト削減・人材不足に対応」などの狙いがあるが、実際は、世の中の進化についていけない、いまいちスマートライフを理解できないというジレンマを感じている消費者もいる。そのような消費者の存在を考慮すると、「分からないことはすぐに人に直接聞ける、解決してくれる」対面販売は、それはそれで、急速な進化に比例して今後ますます大事な存在になっていくはずだ。

インターネットに親しみAIとともに生活や消費活動をしていく今の若い世代が高齢化する時代には、その必要性や需要が小さくなり対面販売を目にする機会も減っていくだろうが、インターネットの利用率が低くデジタルを苦手に感じる人が多い今の60代の人たちが80〜90代になるまで、この先20~30年は「ネット販売」と「対面販売」の二極化は進み、共存は可能と思われる。

デジタルよりアナログを好むのはシニア世代だけと思われがちだが、30~50代の若い世代にもアナログ派は一定数存在する。「ウェアラブルなどデジタル機器を積極的に使ってる」と回答した若い世代はわずか数パーセントという調査結果もあり、今のところは、一概に「全てスマート化されたサービス」が良いとは言えないようだ。対面販売はある意味、今後は「貴重な場」となっていくかもしれない。

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