漬物調査「健康・美容に良い」が多数 消費量拡大のヒント

漬物というと若い女性が好んで食べる印象が薄いが、漬物の魅力に関する調査結果によると「健康・美容に良い」点が魅力、という意見、つまり若い女性が好みそうな意見が多数だったことが分かった。戦略次第では消費の拡大につなげられる可能性がありそうだ。漬物業界の読者の方のみならず、長らく業界内で大きな変革が起きず消費量低迷・または横ばいとなっている他食品業界の読者の方にもぜひ参考にしていただきたい。

漬物の調査結果

画像引用元:マイボイスコム

年間支出金額は減少傾向だが、訴求次第では期待ができそう

昭和55年~平成25年までの1世帯あたりの漬物の年間支出金額は、平成3~11年の¥12,000代をピークに減少傾向にある(総務省統計局「家計調査年報」)。しかし、和食が無形文化遺産登録されたことや生活者の日本回帰が若い世代でも広がりつつある今は、漬物は訴求・アピール次第では消費量を上げられる可能性は十分にあると考えられる。

ヒント1.健康・美容に良い点をアピール

店頭に並ぶ漬物を見ても、健康・美容に良い点をアピールする商品は見かけない。しかし、上記調査結果にあるような健康・美容効果の期待を魅力に感じさせられるようなパッケージデザイン、POP、店頭での陳列を行うことで、今まで漬物に興味関心が薄かった女性客を取り込めるかもしれない。

ヒント2.ご当地野菜を使った、ご当地ならではの漬物の開発

その地域に行かないと手に入らない商品や食メニューが人気だ。47都道府県別で味が異なる一番搾りはその事例の一つだが、漬物こそ、ご当地感をもっと出してみてはどうだろうか?漬物は各地域ならではのものが多いが、消費者がその点を認識した上で食べているか?と考えると疑問だ。明確にご当地感を打ち出すブランド戦略、あるいは、新たにご当地感が伝わりやすい漬物の開発は、新たな女性客の取り込みはもちろん、ご当地シリーズ化することで、「今月は北海道の漬物食べたから、来月は沖縄の漬物を買おうかしら」と連動購買を促すこともできそうだ。

ヒント3.パッケージデザインの見直し

漬物のパッケージは、「きっと長い年月変わることなく使われているんだろうな」と思わせるものも多い。感情で消費決定を行う女性だからこそ、ターゲット女性の興味を惹けるパッケージデザイン、つまり感情に訴求できるパッケージデザインにリニューアルしてみるのはどうだろうか。その際「ご当地キャラクターを使用しよう」と短絡的に考えるのではなく、地域ならではの日本文化・和の特徴をセットにしたい。漬物は日本食の王道なのだから。あるいは以下の動画のように、あえて80年代の昭和っぽさを前面に出すのも新鮮だ(「三丁目の夕日」という映画が人気になったのも、懐かしさや昭和的な世界観が好まれた点にある。中には昭和の時代はよく分からないけど昭和の雰囲気が好きという若い世代の女性もいる)。

以下の記事をご参考いただきたい。日本らしさは女性の心を掴むフックの一つであることが分かる。

<参考記事>
今、女性の心を掴む仕掛けは「日本らしさ」 各社の成功事例

ヒント4.多少現代ニーズにあわせてリニューアル

新たな国民病の一つと言われている腎臓病患者や、その予備軍、高血圧患者などは、塩分摂取を控える。漬物が好きでも塩分が気になって敬遠するということだ。そこで、減塩しても味はそのままの漬物を開発してみてはどうだろう。かつての漬物好きが再び購入してくれる可能性もある。

これは漬物だけの話ではない。何十年と長く親しまれている商品には、健康志向が高まった現代にはそぐわない、あるいは敬遠されやすい商品になってしまったものもある。例えば、味噌や醤油、マヨネーズ、プリン、ソーセージ(加工食品)、パン、ビールなどが該当する。これらは生活者ニーズに応えて以下のような改良を行っている。

・味噌や醤油→減塩系にシフト
・マヨネーズやプリン→糖質や脂質、カロリーをカット、あるいは量を抑える
・ソーセージ→お肉のソーセージから、魚のソーセージへ
・パン→グルテンフリー、大豆粉や米粉から作るパンの開発
・ビール→プリン体オフ、糖質オフなど健康ビールの開発

現代のニーズに応えるために、商品の良さは残しつつ、既存商品の一部を改良することで、引き続き購入してもらうという手法は、長く愛され続ける商品だからこそ必要だ。漬物は特に長い間大きな変化がないことを考えると、改良や戦略次第では消費量拡大は期待できると考えられる。訪日外国人へのアピールや、日本食への評価が高い日本国外での販売も漬物の新たな道となりそうだ。

ヒント5.個包装化・スモール化に対応する

今や3軒に1軒が1人暮らし世帯だ。この状況に対応するため、各社で個包装化、単身世帯を狙った商品のスモール化が進んでいる。例えば、以下のような事例がある。

  • 食パン。6〜8枚入りを一人暮らし向けに、3枚入にスモール化→腐る前に食べきれる
  • 鍋の素スープ。従来の4人用から、1人用×4袋入りとして販売→食べる分だけのスープを使える
  • キュウリ。5本入りから2本入りをメインに販売→腐る前に食べきれる

個包装化や単身世帯用商品にリニューアルすることで売上が伸びた事例が増えてきている。漬物はまだまだ単身世帯用のものは少ない(キムチに関しては大容量のものから食べ切りサイズまで取り揃える店も多いので、参考にしてみると良いだろう)。高齢者の1人暮らしは今後更に増えることを考えると、漬物の個包装化は高齢者には特に喜ばれるだろう。

 

<関連情報>
漬物に関する意識調査(マイボイスコム)
「家計調査」1世帯あたりの漬物支出金額(全日本漬物協同組合連合会)
都道府県別漬物一覧(地域の入れ物)

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