ドクターズ/オーガニックコスメ市場 今後女性は何を求めるか?

ダイレクトに肌悩みに訴求するイメージが強い「ドクターズコスメ」と、肌や体に安全で、環境に優しいことをしたいという現代のニーズに応える「自然派・オーガニック化粧品」。どちらも明確でぶれないコンセプトを持ち、これらの化粧品にシフトする女性が増えてきているが、同時に課題も見えてきている。

ふたつの市場それぞれの動向から、参入が相次ぐ自然派・オーガニック化粧品市場で勝ち抜くポイントと、成長がやや鈍化気味のドクターズコスメ市場の今後の可能性を考えてみたい。

<参考元>
矢野経済研究所「自然派・オーガニック化粧品市場規模」
矢野経済研究所「ドクターズコスメ化粧品市場規模」

女性のニーズ強まり、自然派・オーガニック化粧品は順調に拡大

画像引用元:矢野経済研究所

画像引用元:矢野経済研究所

消費者の価値観やライフスタイルの変化とマッチ

化粧品市場が成熟する中順調に拡大しているのが、自然派・オーガニック化粧品だ。以前は、メイクや食事でオーガニック志向をもつ女性やノーメイク派の女性といった一部の人に支持されていだが、近年は以下のようなライフスタイルや価値観の変化から化粧品や食べ物に自然派・オーガニックを求める女性が増えてきている。

  • 敏感肌の悩みを抱える女性の増加
  • エコやロハスなど環境を意識したライフスタイルを重視
  • 国内外の人気モデルや女優、セレブなどの健康志向の高まりが影響し「ヘルスケア(体に良いこと)=オシャレ」という概念が広まっている
  • 子供のアレルギー増加で、食事とスキンケアの両面から自然派を求めるママが増えている

各社の戦略も市場拡大に寄与

消費者の変化以外に市場拡大に寄与しているのが各社の差別化戦略や、消費者のブランドスイッチを図るための戦略、販売チャネルの多様化だ。以下は、自然派・オーガニック化粧品市場の企業動向。

  • 自然派やオーガニックへのこだわりだけではなく、エイジングケアや美白などの機能性を持たせる
  • ブランド専門店での販売だけではなく、通信販売、百貨店、ドラッグストアでも販売
  • 手頃な価格帯を用意
  • カウンセリング販売の強化

自然派・オーガニック化粧品には高価格帯のものが並ぶが、ライフスタイルや価値観の変化が起きたことで、自然派・オーガニック派に価値を感じ移行する女性は増えている。今後も拡大を見込める期待の市場だ。

新規参入が増える中、何で差別化すべきか

ただし各社の新規参入が相次ぎ一般的に認知されるようになった今、「自然派」「オーガニック」カテゴリーそのものの希少価値は薄れ始めている。使用している成分が希少であっても「自然派」「オーガニック」のみを前面に打ち出していては女性の興味は引きづらくなっている。自然派・オーガニックは大前提、さらにどんな「私の悩み」に応えてくれるのか?これからは、プラスαで付加された機能の部分が購入を決める大きな判断基準になるだろう。

また「自然派・オーガニック化粧品は肌が乾燥する」という不満を抱える女性への配慮も必要だ。自然派・オーガニック派に積極的に切り替えたものの、肌の激しい乾燥感から継続使用を断念し通常の化粧品に戻る女性は多い。リピート購入を促すには、このような女性消費者へのフォローも重要だ。

説得力で勝負もドクターズコスメ市場は緩やかな成長 今後の期待は?

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ドクターズコスメの強みは「消費者動向に左右されない」

一方でドクターズコスメの市場規模は、拡大基調にあるものの微増にとどまっている。ドクターズコスメとは「医師が開発・研究に参加している化粧品、もしくは、皮膚科・整形外科・美容外科などの医療施設で販売または紹介している化粧品(矢野研究所)」のこと。

大人ニキビ、毛穴、乾燥、シミ・ソバカス、敏感肌など肌トラブルを抱えている女性にとって、医師が開発・監修したコスメは信頼して使える心強い存在だ。説得力があるので「普通の化粧品よりも効果が高そう」という気持ちになる。通っている皮膚科や美容外科などのクリニックで購入できれば、レーザー治療などと合わせて継続的なホームケアができるのも嬉しい。

ドクターズコスメは「悩みや症状の改善・悪化の予防」を目的に購入するのが一般的で、志向やトレンドの美容成分有無で購入を決めるという消費行動は見られにくい。生活者の価値観やトレンドの変化に左右されずに安定した販売ができるのもドクターズコスメの強みだ。

ドクターズコスメ市場の動向と今後の可能性

近年のドクターズコスメ市場では、「横展開」と「機能強化」が進んでいる。

  • スキンケアのみならず、メイクアップ、ヘアケア、ボディケア商品も揃える
  • 肌トラブルの改善や悪化予防という本来の機能に、エイジングケアや美白の機能を強化

流通チャネルに関しては通販が好調だが、ドラッグストア、バラエティストア、医療施設でも好調な売れ行きを見せている。認知度の高い一部ブランドではインバウンド需要も取り込んでいるという。「日本製品」という信頼性と「日本の健康力」を強みに日本のドクターズコスメの海外進出が続けば、「日本のドクターズコスメ」を世界でブランド化できるかもしれない。

幅広い展開で女性のニーズに応える

また、「医師による開発・監修」という強みを最大限に生かしもっと幅広い展開を図れば、市場全体の大きな拡大は期待できるかもしれない。現在は、乾燥、大人ニキビ、敏感肌などの改善・悪化予防を目的としたドクターズコスメが一般的で、持ち合わせている機能は美白やエイジングケア、と、どれも似たような物ばかりという印象もある。

女性の肌悩みは実に幅広い。特に年齢が上がれば上がるほど悩みは多様化してくる。年齢別、部位別(目の下、頬、口角、額、首など)、環境別(乾燥したオフィスの中、湿気と乾燥両方が気になる夏、朝・夜、お泊まり用など)、体調別(不眠、生理前、妊娠中、ホルモンバランスの乱れによる心身の不安定)に商品を展開・訴求することで、ドクターズコスメは中高年層の女性を中心に確固たる地位を築いていくかもしれない。

 

関連情報
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ドクターズコスメ ランキング(@コスメ)
京都マダムのオーガニックコスメダイアリー(個人ブロガー)

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