女性向けヘルスケア商品開発に必要なことは?花王の人気商品に学ぶ
(最終更新2017年5月,記事公開2015年12月)
花王のヘルスケアブランドで女性からの支持が高い「めぐりズム」シリーズの商品を見てみると、女性の体を深く細やかに理解していることが分かる。人気商品を開発する秘訣は徹底した女性の理解にありそうだ。
目次
約40度の蒸気が目元を温める「蒸気でアイマスク」
スマホやパソコンによる目の疲れをとるアイテムとして人気。アイクリームとセットで使うとクマが薄くなるなどの口コミも手伝い、ビューティーケアとしても使われている商品だ。
目を酷使することは眼精疲労などの健康面だけではなく、目元のクマや小じわ、顔のたるみ等の美容面にも影響するため、日頃から目の疲れをケアする女性はいるが、自宅でホットタオルを準備するのは煩わしく、また、温度がすぐに下がってしまう不満がある。一方、こちらは約10分程度温かさが持続する。手軽に健康面・美容面の両方から目元をしっかりケアできる点が高く評価されている。
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就寝前の30分間、首元に貼ってリラックス「蒸気でGood-Ngight」
首の付け根に直接貼り付けるタイプでそのまま30分間。肩こりに良いのはもちろんのこと、「体が一気に温まりお風呂に入ったような感じになる」「心も体もほっとする」など、リラックス面でも評価されており、年齢問わず人気だ。
自律神経のバランスが乱れることで睡眠の質が下がってしまう人が多い今、睡眠市場が拡大・好調な点からも分かるように、就寝前のリラックスタイムニーズは大きい。ほっと気持ちが和むパッケージデザインもカワイイ。ネット上の評価は高い。
- 持続時間の長さが良い(自分でつくるホットタオルじゃここまで温かさは持続しない)
- 低温ヤケドしないし、持ち運びに便利なのがいい!
- 日中、仕事で張りつめていた気持ちがほっと一瞬で和らぐ
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体の奥深くを温め血行促進、お腹や腰の痛み、こりを和らげる「蒸気の温熱シート」
肩、腰に直接貼るタイプと、下着の内側面に貼ってお腹を温めるタイプがある。なんといっても女性の体の悩みやニーズへの理解の深さが嬉しい。女性は季節問わず体が冷えやすい上に、月経時や排卵時のお腹・腰の痛みは定期的にやってくる(個人差はあるが)。苦痛に耐えながら仕事、家事、育児をしなければいけない女性にとって、痛みの軽減に貢献してくれるお手軽な「お腹・腰回りをじっくり温めるアイテム」はとてもありがたい。
女性は「アウターにひびかない薄さ」がいい
カイロという選択肢もあるが、カイロは厚い。低温やけどをしないように洋服の上から貼り付けると、洋服の厚さで温かさが体に伝わってこない。薄着の時はなおさら貼り付けられない。そもそも、お腹ぽっこりを気にする女性にとって、お腹をさらに膨らませるアイテムはNGだ。温かいのは嬉しいが惜しい!
しかし、こちらの商品は女性のそのような不満を払拭しつつ、しっかりと患部に熱を伝えてくれる。同社によると、アウターに響かない薄さにするために、ユーザー視点を大切にし、この薄さに完成するまで5年もの年月がかかったとのこと。
ヘルスケア商品の人気の有無を決定づける要素として、「女性の体の悩みとニーズを深く細やかに理解しているかどうか?」という部分は大きい。できているようで実は不完全な商品やサービスもある中、こちらは女性の体やニーズに徹底して応えている商品だ。
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