移り気な女性が、他社の製品へ切り替えるのを「とめる」方法

(記事公開2016年9月,最終更新2017年5月)
働く女性のメイクに関する意識調査結果から、客が自社商品から離脱するのを防ぐヒントが見えてくる。(参照:ナガセ ビューティケア 「働く女性のメイクに関する意識調査」)

メイク商品を他社ブランドに切り替えようと思った動機・タイミングは?

以下調査結果のトップ3の項目をご覧いただきたい。

そもそも今手元にあるであろうメイク商品だって「手軽で、自分に合ったブランドで、口コミで良かった」はずだ。だから購入しているのだ。にもかかわらず他社に切り替えようと思う動機は更に「手軽で、自分にあったブランドで、口コミで良いもの」なのだ。

働く忙しい女性は「ふとした瞬間」に自分の変化に気付く

ではなぜそのようなことが起きるのか?というと、それは、女性消費者は「その商品を気に入らなくなった原因を自分のせいにするよりも、商品のせいにする」という特徴があるからだ。

例えば、ある女性が「ファンデーションA」「コンシーラーB」「チークC」をここ1年程使っていたと仮定しよう。

忙しい毎日を送る彼女は十分なスキンケアができない日々が続いている。ふとした瞬間、鏡を見た時に「あれ…?こんなシワなかったのに…」「毎日残業してたらいつの間に老け顔モードになってる…」と自分の変化に気が付く。そこで彼女はA、B、Cの継続使用をやめ、「お疲れ顔を明るく見せてくれるファンデーションD」「法令線を薄く見せてくれるコンシーラーE」「頬の位置を高く上げて若く見せられるチークF」に切り替えることにした。これが「離脱」だ。

女性の「商品に対する不満」を、予め「対策方法」として提案しておこう

ではなぜ彼女はこのように離脱してしまったのか?その理由は、「肌が老けてしまった」要因を、自分自身のスキンケアの怠りや、自分自身が最近夜更かしばかりしていたこと、食生活が乱れていたせい、と考えるのではなく、「商品が原因だ!」と考えるからだ。あるいは「毎日忙しくてスキンケアもヘルシーな食生活も難しいから、商品を変えることで手っ取り早く肌の状態を戻そう」と考える。このようにして離脱が起きる。

もちろん離脱要因は個々それぞれだが、このケースで離脱を防ぐには、消費者が近い未来に抱くであろう不満に対する対策方法を予め提案するのが良いかもしれない。例えば以下のような情報発信は、不満を発生させないための事前対策になり得る。

  • (例)エアコンの乾燥でファンデのノリが今いちになったら、○○をしてみよう。明日からは長時間オフィスにいても、ファンデのノリはきっとばっちり!
  • (例)夏の紫外線でシミが濃くなった気がする…と思ったら、メイクをするときに○○という塗り方を心がけて!
  • (例)営業での外回りが多いビジネスウーマンはマスカラが汗でにじみがち!それはマスカラ下地をつけることでカバーできるから、試してみて!

このように「一度購入してしばらく使用している女性がやがて抱く(気付く)であろう不満」を予め把握し、リーフレットやPOP、webを通して情報発信することで、離脱を防げる可能性は格段に上がるだろう。そもそもそれまでの間は商品を気に入って使用していたのだから、不満が発生した時の対策方法さえわかっていれば、彼女たちは「他のものを探さなくても(買わなくても)大丈夫なのね!」と安心して使い続けてくれるはずだ。

主力商品を補完するサブ商品もセットで提案しよう

情報発信に加えて、商品を使い続けることで発生するであろう(もしくは気付くであろう)不満を解決してくれる商品もセットで提供すれば、不満を事前に対策できるかもしれない。マスカラの販売を例に取ると、マスカラとマスカラ下地をセットで販売する、ということだ。まつ毛のカールが落ちやすい雨の日や夏の時期だけでもセット販売すれば、マスカラへの不満も生まれないだろう。

女性消費者の気持ちは非常に移り気だ。気持ちをつなぎとめておくには、きめ細やかな対策(戦略)の積み重ねが重要だ。

 

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