資生堂に学ぶ、コモディティ化商品から脱却する方法

資生堂アイブロー発売 (1)

 

資生堂(東京・港区)は「あなたは眉でもっと小顔になれるのに!」のキャッチフレーズで6月21日にアイブローを発売する。このキャッチフレーズは多くの女性の心を掴みそうだ。コモディティ化を脱却する方法はキャッチフレーズ、つまり訴求ポイントを他社と変えてみるというのが有効だ。資生堂のこちらの商品を例に一緒に考えてみよう。

各社のアイブロー販売時の訴求ポイントは似たりよったり

各社から、様々なアイブローが発売されており、それぞれ訴求ポイントは異なるものの、消費者から見ると似たりよったりだ。例えば以下のようなポイントを各社打ち出している。

  • 立体的な眉に見せる(眉毛で自然な立体感)
  • 細い芯でなめらか、書きやすい
  • 発色キレイ
  • 汗でも落ちない
  • ぼかしやすい

しかし上記の特性は、消費者からすればどれも「あって当たり前の機能」であり「よくある訴求といえば、よくある訴求」。そのため多種多様のアイブロー製品が並ぶ中、他社と似たような訴求を行っても群を抜いて目立つのは難しい。百貨店の化粧品フロア、ドラッグストアの化粧品コーナーへ行くと、多くのブランドが並んでいて、更に並んでいるブランドはどれも一流・知名度抜群・価格も似たりよったり。その中で自社商品を選んでもらうのは決して簡単なことではない(特に女性は、一つの商品・サービスに固執せず、色々浮気をしやすいのが特徴だ)。

女性の美容概念は点から面へ。それをうまく利用しよう

以前「2015年の美容トレンドの法則は面美容」でもご紹介したが、今の女性の美容概念は「点から面へ」変化している。要約すると以下だ。

・ヘアケアをするなら、トリートメントのみではなく(点)、頭皮ケアから行って健やかで美しい髪の毛をつくる(面)

・顔のたるみケアをするなら、化粧品やフェイシャルエステだけではなく(点)、頭皮マッサージで頭皮を上に引き上げて顔のたるみを解消する(面)

点のみをケアしてもそれは対処療法的でありそれでは根本解決につながらず、根本から改善して初めて悩みは改善され持続力も増すということを理解し始めている。これが点ではなく面美容の概念だ。

これをアイブローに当てはめて考えると眉単体のことだけを考える(ぼかしやすい、汗でも落ちない、発色キレイなど)のではなく、眉をいじることで顔全体がどう変わるか?ということ。分かりやすく説明すると女性が眉のメイクをするのは、眉毛単体を見てほしいからではなく、眉毛のメイクも含めた顔全体を見てほしいからだ。つまり、眉そのものにこだわるよりも、眉のメイク方法を改善することで顔全体の印象を変える方が大切なのだ。

眉のメイク方を変えれば、小顔になれる!は多くの女性の心を瞬時に掴む

以下調査結果を見てもわかる通り、日本人女性にとって小顔は永遠のテーマだ(欧米人の場合は反対に顔が小さすぎることで全体バランスが整わない、という悩みがあるようだが)。

資生堂の小顔メイク

 

 

小顔にするためのファンデーションの塗り方テクニックや、ヘアスタイル方法、顔の体操などが度々雑誌で取り上げられるが、これが眉を少し変えるだけで「もっと小顔」になれるなら、これはやってみたい!って思うのは当然だ。こちらの商品を使うことでどう眉が変わるのか?というと…。

しかしこの方法、実は以前より多くの女性がすでに知っているメイク方法で(多くの女性誌でこのメイク方法は度々特集されており、定番のメイク方法、と言えば定番だ)、斬新さはない。つまり、アイブロウという商品に関しても、この商品を使って行うメイク方法に関しても斬新さは実はどこにもないのだが、他社商品がありきたりの訴求ポイントを打ち出す中、女性の美容ニーズを正確に捉えたたった一つのキャッチフレーズ「あなたは眉で、もっと小顔になれるのに」で、一気に他社商品と大きな差をつけ、群を抜いた存在になっている。

見せ方一つで、コモディティ化を脱却できる

先進国では、あらゆる商品・サービスはすでに十分に出そろっており、斬新な商品(それが日用品であれば特に!)はそう簡単には登場しないものである。その上、他社商品も多く出回っているとしたら、一体どこで差別化を出すのか?訴求ポイントを変えてみる、つまり視点を変えてその商品のキャッチフレーズを考えたり、プロモーションを行ったりしてみよう。要は見せ方一つで商品の価値は大きく変わる、ということだ。

 

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