機能性表示食品の消費者意識調査 2016に見る、消費者インサイト

機能性表示解禁から1年が経過したことにあわせて、機能性表示食品に関する消費者意識調査 2016が実施された(電通「機能性表示食品に関する消費者意識調査 2016」  全国の20~60代の男女1000名)。新制度が始まり、この1年でスーパーに並ぶ商品には「健康」を打ち出すブランドが目立つようになった。

新制度が開始された前後では「よくわからない」という消費者が多かったものの、実際にスーパーに並ぶ商品を目にする機会が増えてきたことで、消費者たちの機能性表示食品に関する捉え方が変化してきているようだ。

<参考記事>
・機能性表示食品のニーズ・認知度、実は半数以下。その理由は?

今回の調査結果から「男性はより手軽な選択肢、つまりトクホや機能性表示食品の方が取り入れやすく、 女性はトクホや機能性表示食品だけではなく、スーパーフードなどの食材選びや食べ方で『健康』を取り入れている」 「トクホ・機能性表示食品・栄養機能食品、それぞれを区別して購入しているというよりは、とりあえず『健康』であれば購入する」という2つのインサイトが見えてきた。

機能性表示食品の認知は 80.4%、昨年 9 月から1.3%増加

「制度の内容を知っている(女性 オレンジ部分)」は、まだまだ少ないままだが、「名称を聞いたことがある程度」は増えており、認知度が上がってきていることが分かる。制度の内容自体はややこしく正確に理解するのは難しいものの、スーパーやコンビニ、情報サイトなどでその言葉を目にする機会が増えてきている結果であると推測できる。

機能性表示制度の認知度

画像:電通「機能性表示食品に関する消費者意識調査 2016」

機能性表示食品を 1 年以内に購入した経験ありは、21.6%

全体で21.6%が購入した経験ありと回答。購入経験ありが女性(18.3%)よりも男性(24.9%)の方が多かった。その理由について同社は以下のように推測している。

女性よりも男性の方 が若干多い結果となりましたが、女性が健康文脈の商品に関心が薄いのかというとそうではあ りません。むしろ女性は、スーパーフードに代表される食材やベジタブルファーストといっ た食事の仕方など、トクホや機能性表示食品以外にもさまざまな手法・商品に関心が高く、実 践している割合も男性よりも高いことが分かりました。健康機能がうたわれる食品へのアプロ ーチとして、男性はより手軽な選択肢、つまりトクホや機能性表示食品の方が取り入れやすく、 女性は食材選びや食べ方などさまざまな視点から工夫しているものと推察できます。(引用:電通)

 

健康機能の表示で購買意欲が高まる商品ランキングTOP10

健康に関する効能・効果が表示されていた場合、購入意向が高まる上位10の商品は以下。

機能性表示制度の認知度2

1年後、同様の調査を行ったら、機能性表示食品に関する認知度や購入経験ありの数字は更に上がっていそうだが、ただ消費者から見ると、トクホも機能性表示食品も、栄養機能食品も違いがよくわからないという声も多く、アンケート調査対象者がそこを正確に理解して区別できているかどうかは、定かではないように思う。

トクホ・機能性表示食品・栄養機能食品、色々な言葉が出てきて消費者にとっては、違いがいまいち理解できていなくても、とりあえずは「健康」が意識されている商品であることが分かれば、購入している可能性もある。スーパーやコンビニ、ドラッグストアでは、商品棚にそれら違いを簡易的に説明するPOPを置いてあげるのも親切だろう。

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