グルテンフリーとは?セリアック病の食事療法からトレンド食へ (3/5)

小麦アレルギーとの混同に注意

グルテンフリーが流行してから、小麦アレルギーの人にも「グルテンフリー」が注目されるようになった。小麦アレルギー対応食を「グルテンフリー」と認識している人も増えているがこれは誤解である。これについては医師も注意喚起を促している。

「小麦アレルギーは、食べるとすぐに顔が腫れるなどのアレルギー反応が起こる。グルテンによる不調はこういったアレルギー症状とは別のもの」引用:日経ヘルス「小麦を抜いて体調改善『グルテンフリー』健康法」2016年4月7日

小麦アレルギーの発症にグルテンも関与していることは間違いないとされるが、小麦アレルギーの場合は小麦内に含まれるグリアジン、グルテニン、アルブミン、グロブリンといった小麦内のタンパク質が原因であることもわかっていて、グルテンだけを抜けば安心ということにはならない。

EU・アメリカの「グルテンフリー表示」は、セリアック病の人を対象としており、グルテン濃度が20ppm以下であれば「グルテンフリー」と表記できる。そのためグルテンフリーと記載されている商品であっても、小麦アレルギーの人は本当に小麦が使用されていないか、注意が必要となる。

消費者庁は消費者に誤解を与えないよう、企業に対し次のような呼びかけを行っている。

グルテンフリーで期待される効果

グルテンフリーで期待されている健康効果は主に以下の通り。

  • 中性脂肪抑制効果
    グルテンフリーで脂肪を増やすとされるサイトカインが分泌されにくくなるため
  • 集中力の向上
    グルテンに含まれるグリアドフィンという物質が血中に入り込まなくなるため
  • アレルギー症状の緩和
    腸管の粘膜が正常化するため
  • イライラやキレやすさの改善
    給食のパンを玄米に変えることで給食後の暴力事件がゼロになったという事例も
  • 寝付きの改善
    腸内環境が改善されカルシウムの吸収が促されるため
  • 体重が落ちる
    小麦製品に含まれる糖質の摂取量減少による部分が大きい
  • アンチエイジング効果
    小麦製品に含まれる糖質の摂取量が減ることで糖化を抑制できる
  • 肉体改造ができる
    栄養素がきちんと吸収されることで肉体づくりに効果があると考えられる

他にもツイッターやブログなどのSNSで「#グルテンフリー生活」と検索すると、多数の体感がレポートされている。

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