インフルエンサーマーケティングとは?運用のポイントとメリット(3/3)
女性向けマーケティングにおける最新トレンドと事例
女性をターゲットにしたインフルエンサーマーケティングの最新トレンド
Twitter、Instagram、Youtube、ブログを使ったインフルエンサーマーケティングの他に今新たに注目されているのが、ショート動画作成アプリ「ティックトック」や台湾発のライブ配信アプリ「17LIVE」。「17LIVE」は世界9ヶ国に展開、世界で4,000万人以上のユーザーを誇り、特に若者世代を中心にヒットしている。
新トレンドはライブ配信型
最近、若者世代に大人気なのは17LIVEのようなライブ配信型サービス。Youtubeでの配信は動画を事前収録して公開するのに対し、ライブ配信型は文字通り生配信が特徴で、配信者はどこからでも気軽にすぐに配信でき、生配信する人たちを「ライバー」と呼ぶ。生配信中は、視聴者と配信者が気軽にコミュニケーションできる点も人気の理由。この“距離の近さ”が、若者世代の心を掴んだ理由の一つだろう。人気女性ランキングは以下の記事をチェック。
- 2019年版 人気の女性17ライバーランキング(SNSDAYS)
- 人気の女性ティックトッカーランキング(WHOLE NEW WORLDS)
以下は、17LIEで活躍中の17LIVER林村ゆかりさんのインタビュー動画。
ティックトックや17LIVEは、小中高校生~20代前半の女性たちに人気だが、30代以上の女性を狙いたい場合はInstagram、40~50代女性を狙う場合はブログやFacebook、Instagramなど、年代によって好まれやすいツールが異なる点には注意したい。次々に新しいプラットフォームが登場するが、今のところは2015~2016年にかけてインスタグラマーをインフルエンサーに活用する動きが強まったInstagramがまだまだ優勢と言えそうだ。
昨年のインフルエンサーマーケティングでは93%の企業案件がインスタグタム上で行われていたと言われています。その数字は、インフルエンサーマーケティングの2大プラットフォームと言われているフェイスブックとユーチューブ両方合わせたパーセンテージを上回ったとクリエイターIQのCOOが報告しました。(引用:Gantale「2019年インフルエンサーマーケティングのトレンド予想」)
インフルエンサーを活用した女性向けマーケティング事例
インフルエンサーマーケティングの普及に伴い、企業サイドの考え方も変化してきている。以前はフォロワー数を重視し、一度に多くのリーチ数を獲得できる、フォロワー数が多いインフルエンサーを起用していたが最近は、自社商品・サービスを実際に使ってくれているインフルエンサーを優先して起用するケースが増えている。以下にもある通り、必ずしもフォロワー数の多さが成果に直結するとは言えない。
インフルエンサー マーケティング を提供しているマーカリー(Markerly)社の調査によると、フォロワー数1,000未満のインスタグラムユーザーの投稿に対する「いいね!」の割合は8%に及ぶのに対して、フォロワー数1,000~10,000の アカウント では4%と低い数値になることがわかっています。調査からわかるとおり、 インフルエンサー と比較するとマイクロ インフルエンサー は「深く、狭い」影響力を持っていると言えます。マイクロ インフルエンサー に自社の投稿が取り上げられた場合、見る人は限られていても大きな反響が得られるかもしれません(引用:ferret「マイクロインフルエンサーとは?特有のコミュニティに強いSNSマーケティングの秘訣」)。
それをまさに象徴しているのが、シンプルライフ研究家の人気ブロガーマキさんの事例。モデルなどのように莫大な数のファンを抱えているわけではないが、「シンプルライフが好き」という女性らの間では、とても人気の女性だ。フォロワー数は決して多くはないが、彼女の影響力はとても大きい。彼女がブログを更新すると、長文のコメントが並ぶ。〇〇県でセミナーを開催しますとブログ更新すると「参加します!」「とても楽しみです!」とのコメントが投稿され、彼女が「この商品おすすめです」とブログに書くと「私も早速買ってみました」「どこに売ってますか?」のコメントが並ぶ。
インフルエンサーマーケティングでは、情報が拡散されたり、多くのいいね!を獲得できても、購入までつながるケースがそう多くはない中、彼女の事例(購買に対する影響力)は参考になる。「シンプルライフ」という価値観でつながり合っていること、そして彼女がフォロワーたちに信頼されていることが、マキさんの強さかもしれない。以下のInstagram動画では、マキさん10冊目の著書「虫のいい家仕事 」をマキさん自身が紹介。約17,400回再生されている(2019年5月)。
インフルエンサーマーケティングは、“信頼”がカギ
インフルエンサーマーケティングで近年話題になったことの一つが、フォロワーを購入しフォロワー数を偽る「偽インフルエンサー」や「偽アカウント」の登場だ。2019年5月22日放送のテレビ番組「クローズアップ現代(NHK)」が取り上げたのは「追跡!ネット広告の闇 水増しインフルエンサー」。同番組は次のように述べている。
今回深く掘り下げるのは、インスタグラムなどSNSの口コミ広告だ。「同世代の身近なインフルエンサーの感想の方がリアルで信頼できる」と考える若い消費者を取り込もうと、多くの企業が導入している。しかし、そのインフルエンサーの価値基準であるフォロワー数が、水増しされているケースが少なくないことがわかった。化粧品や健康食品のPRを行うインフルエンサーのある女性は、かつてフォロワーを千人購入したと証言。広告と明示しない「ステルス・マーケティング」を行う事例もあるという。(引用:クローズアップ現代「追跡!ネット広告の闇 水増しインフルエンサー」)
また、インフルエンサーマーケティングを取り入れる企業が増える中、インフルエンサーによる広告案件の情報発信は急増している。企業にとっても女性消費者たちにとっても「情報の信頼性」が曖昧になる中、今後重要さを増すのが「フォロワー数」ではなく「信頼力」だ。インフルエンサーマーケティングを売上につなげる手段としてだけでなく、インフルエンサーと一緒に長期にわたり「信頼されるブランディング」を行っていくという手段としても活用してみてはどうだろうか。
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