女性ヘルスケアビジネスにおけるマーケティングの基本(2/3)

女性向けヘルスケアビジネスのカギ「差別化」

コモディティ化が進むヘルスケア市場では、自社よがりにならないことと、女性消費者から見て明確に分かる「差別化」をどのように打ち出すか?が重要だ。ヘルスケア市場で多く見られる差別化は「成分・スペック・エビデンス」などだが、実は女性消費者からは「難しい」「意味が良く分からない」と敬遠されるケースも多い。

もちろん、成分やエビデンスはヘルスケア商品・サービスでは重要事項だが、それを差別化として全面に打ち出しすぎるよりは、それ以外で見せる方が女性に伝わりやすいこともある。以下に差別化戦略が参考になる事例をまとめた。フリマアプリに代表されるようなCtoCビジネスの広がりが企業にとって脅威となり始めていることも考慮すると、一工夫された差別化はますます重要な施策の一つとなってくるだろう。

今後の主力は「ヘルスケア」×「テック」

AI、ビッグデータ、IoT、バイオテクノロジー、ロボットなど、特にヘルスケア業界は最新テクノロジーを活用した商品・サービスの発達が目覚ましい。近年耳にすることが増えた「ソサエティ5.0」は、世界的なメガトレンド「第四次産業革命」のイノベーション(例:AI、ビッグデータ、ロボット、バイオテクノロジー、IoTなど)を、あらゆる産業や人々の生活に取り入れることで、多くの社会課題を解決することを目指しており、とりわけ「医療・介護」分野は期待度が大きい。

各社からは、「ヘルスケア」×「テック」の商品、サービスが相次いで登場。今後のヘルスケア業界で必須の知識として、ヘルステック最新動向は随時チェックしておきたい。以下の産総研公開の動画では「AIが私たちの暮らしをどのように変えるのか?」を分かりやすく解説。「ヘルスケア(医療・介護含む)」「育児」「消費」「シニアの生活」など、ヘルスケアビジネスに関連する内容が前半で流れるのでチェック。

一方で、今後は「最先端技術を駆使したヘルスケアビジネス」と「アナログシンプル系ヘルスケアビジネス」の二極化が進むと考えられる。デジタルの進化が急速に進む今、生活者にとって最先端技術は「難しい」「良く分からない」存在でもあり、アナログ系商品やサービスが好まれる場面も多い。各社からはアナログ系商品やサービスも登場していることから、アナログニーズが高いことが伺える。女性は「デジタルとアナログ、どちらを好むのか?」その分かりやすい例が「ネット販売と対面販売、女性はどちらを好むか」?という以下トピック。

他社のマーケティング事例

成長市場の一つとして新規参入企業が相次ぐヘルスケア市場は、競争が激化。「どのような戦略なら、他社よりも女性の興味関心を惹けるか?」と悩んだときは、他社のマーケティング事例を参考にしてみよう。ウーマンズラボでは「女性マーケティング視点」で、参考になる企業のマーケティング事例を随時掲載。

女性客を増やす基本の考え方

消費全体の6~8割に女性が関与していると言われており、今「女性マーケティング」に取り組み始める企業が少しずつ増えている。働く女性の増加、未婚女性の増加、単身シニア女性の増加(女性の方が長生きするため、単身シニア女性は増えている)の背景から、女性の消費パワーは今後更に高まっていく。

(1)女性マーケテイング

子や夫・両親・義理両親の健康管理を行うのは、多くの家庭で女性であることからも、ヘルスケア商品・サービスを一人でも多くの消費者に届けようと思ったら、女性消費者を振り向かせることが重要。女性客を増やすためにはどのような戦略設計をすべきか?以下記事では、女性客を増やす基本の考え方をまとめている。特に理解を深めたいのは「ライフコース」。

(2)男女の違い

男女の違いを知ることで、「女性消費者に対し、どのような施策が有効か?」が見えてくる。ウーマンズラボでは「男女の違いシリーズ」を随時追加、公開中。

(3)ライフコースの多様化

かつてのようにメガヒットが生まれづらくなった理由は「女性のライフコースの多様化」により「女性の価値観が多様化」したこと。男女雇用機会均等法が施行される1986年より以前の女性は、結婚後は離職し専業主婦の道を歩むことが一般的だったため、女性のライフコースは画一的だった。そのため、全国一律同じ戦略をとる「マスマーケティング」や「マス広告」は反応を得やすかった。

時代は変わり、今は「未婚女性」「子育てしながら正社員として働き続ける女性」「子育てしながらパート勤めする女性」「子供を意図的に持たない夫婦共働きの女性(Dinks)」「実家暮らしのフリーター女性」「専業主婦」「モジュール型ワークの女性」と、女性たちは様々な生き方を選択するようになった。

かつてのようなメガヒットが生まれづらくなった理由は、これら「女性のライフコースの多様化」によるものが大きい。消費者志向の分散化に企業はどのような対策をすべきか?それは「マスマーケティング」から「エリアマーケティング」「個別マーケティング」「ニッチマーケティング」を実施しスモールヒットを重ねることではないだろうか。以下に多様な価値観を持つ女性をまとめたので、まずは女性たちが様々な価値観を持っていることを把握しておこう。

(4)女性の心身

ヘルスケア女性マーケティングでは、女性の心身を正しく理解しておきたい。特に「女性ホルモンにより女性の心身がどのように変化していくのか?」は基礎知識としてチェック。

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