相談しない対処もしない 迷える更年期女性

ほてり、発汗、めまい、不眠、うつ状態などの更年期症状は、心身が辛いだけで命に関わる病気のようなものではないからか、あるいはこれらの対策知識に乏しいからか、更年期症状に積極的に向き合う女性は多くないようだ。30 代後半から 50 代前半の女性を対象に日本ヘルスケアアドバイザーズが行った更年期障害に関する調査では、症状を感じつつも何もしない女性たちの存在が見えてきた。

更年期障害の症状抱える女性、半数以上

36~55 歳の女性 1,358 名を対象に更年期障害のような症状を持っているか聞いたところ、「はい」と回答したのは 52.3%と、半数以上が更年期症状を抱えていることがわかった。特に割合が高かったのは50代で72.2%だった。

更年期症状「相談しない」、半数

「更年期症状を感じたとき、誰かに相談しましたか?」という質問では、以下の結果となり、「誰にも相談していない」が最多。

更年期症状を感じたとき、誰かに相談したか? 出典:日本ヘルスケアアドバイザーズ
  1. 誰にも相談していない(49.3%)
  2. 友人に相談した(25.5%)
  3. 身内に相談した(25.5%)
  4. 医師に相談した(17.5%)
  5. カウンセラー・薬剤師などの専門家に相談した(2.5%)
  6. SNSなどでつぶやいた(2.0%)
  7. 掲示板などに投稿した(0.8%)

更年期症状対処「何もしない」、半数

更年期障害の対処方法については、半数の女性が「なにもしない」と回答し最多となった。

更年期障害の対処方法 出典:日本ヘルスケアアドバイザーズ
  1. なにもしない(50.3%)
  2. サプリメント(22.8%)
  3. 運動(19.8%)
  4. 漢方薬(17.3%)
  5. 病院(7.3%)
  6. その他(5.8%)

更年期障害がある女性のうち「日常生活に非常に支障がある」と回答した重度の更年期障害の症状を抱える女性においても、半数以上が「なにもしない」と回答しており、症状に悩まされているにもかかわらず何もせずに我慢している人が多いようだ。

不安と戦いながら迷う女性たち

調査では更年期障害の症状を抱えていても、誰にも相談しないし対処もしない女性たちが多い様子が見えてきた。日常生活に支障をきたすほどの症状があっても何も対処をしない人が半数を占めているのは驚きだ。なぜ誰にも相談しないのか?なぜ何も対処しないのか?その理由までは調査されていないが、「更年期は誰もが通過するもの」「いつかは必ず終わるもの」ととらえ、改善を諦め日々我慢しやり過ごしているのかもしれない。

とは言え、コミュニティサイトや質問サイトには、更年期障害の辛い症状を乗り越える方法を質問するスレッドが数多く立てられており、症状に悩みつつ自分に適した対処法を求める女性たちの姿が見られる。ホルモン補充療法、漢方、サプリメントが効いたという女性もいれば、趣味や好きな運動で不調が改善できたという女性も。症状は人それぞれで個人差が大きいので、対処法も人それぞれのようだ。

今後増える更年期女性の新たな悩み

更年期障害の症状をどのように乗り越えたらいいのか、どうやって対処すれば良いのかわからないまま更年期を過ごしている女性は多い。このような女性たちに向け企業が応えられることはまだいろいろとあるはずだが、晩産化と高齢化が進む国内において、「更年期障害と育児(特に手がかかる未就学児)」「更年期障害と介護」といったダブルパンチに疲弊する女性が増えていくことも考慮していきたい。更年期障害の症状が出ると自分の不調と戦うのに精一杯で、育児や親の介護に回すエネルギーと気力を維持するのは難しい。そんな彼女たちを体力的にも精神的にもサポートできる商品・サービスの登場が待たれる。

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