女性の平均年収 マーケターが把握すべきポイントとは?(3/3)
女性マーケティングでは平均年収の把握が重要
年代別平均年収を把握すべき理由
女性マーケティングの基本は、ターゲット女性が歩んでいるライフコースをきちんと想定することだが、あわせて確認しておきたいのが平均年収。同じライフコース女性でも、そのライフイベントを何歳で迎えているか?で、収入・貯金額・消費行動は異なる。
ライフイベントを迎えた年齢
「離職して子育て中のママ」のAさんとBさんを例に考えてみよう。二人は同じライフコースを歩んでいるが、次のような違いがある。
- Aさん
23歳で結婚、24歳で子誕生 - Bさん
36歳で結婚、37歳で子誕生
収入・貯蓄額の違い
結婚と出産の各ライフイベントは二人の間に13年の開きがある。となると、二者間で収入・貯蓄額の違いも出てくる。
- Aさん
夫も20代と仮定すると、夫婦ともに給料は少なく(=世帯年収が低い)、貯蓄額も少ない - Bさん
夫も30代と仮定すると、夫婦ともにある程度の役職についていることもあり給料は20代の頃よりアップ(=世帯年収が高い)。貯蓄額も20代の夫婦よりも多い
消費行動の違い
収入・貯蓄額の違いは、以下のような消費行動の違いを生み出す。
- Aさん
(例)子どもは公立の幼稚園、安い賃貸アパートに住む、車はまだ購入しない、など - Bさん
(例)子どもは私立の幼稚園、新築一軒家を購入、夫婦一台ずつ新車を購入、など
例えば車を販売しようと思ったとき、ライフコースだけでターゲティングを行っていると、Aさん、Bさん両方にアプローチすることになる。しかし、ライフコース×年齢別平均年収でターゲティングを行っていればBさんのみにアプローチすれば良いことが見えてくるので効率的にアプローチできる。
平均年収データの活用方法
ただし、最近は働き方・生き方の多様化で、同じ年代でも年収差が広がっている。「パラキャリ女子」に代表されるように、副業で稼ぐ女性、不動産や株などの資産運用に積極的な女性、ギグワークで複数の収入先を持つ女性など、年収アップを実現する女性が登場している(ただし彼女たちは、年収アップだけではなく、仕事を通じた自己実現を目的にしている場合もある)。よって、年代・年齢別平均年収データをマーケティングに当てはめることが必ずしも正解なわけではないが、補足情報として年代・年齢別平均年収を把握しておきたい。
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