厚労省に聞いてみた「コロナウィルス、なぜ入国規制しない?」(2/2)

マツキヨに聞いてみた「店舗従業員のリスク対策はマスクで十分?」

ネット上には接客業の人を案ずる声も多い。「ホテルや観光地、ドラッグストアといった、中国人が多く集まる場所で接客業している人たちの安心安全を企業は考えないのか?経営陣や幹部はこの件で売上が落ちることばかりを気にしているが、現場で働く人たちにとって接客はとてもつもない恐怖。対策をとらないなら、経営陣や幹部が実際に店頭に立つなどしてほしい」といった声だ。

そこで、訪日中国人がよく利用する場所の一つであるドラッグストアのマツモトキヨシに今回の対策について聞いてみた。

【編集部】
マツキヨさんと言えば、たくさんの中国人が買い物にくる場所。コロナウィルスに関して店舗は対策を何か行っている?

【マツキヨ】
入店規制は行わないが、店員はマスク着用で対策する。

【編集部】
中国では治療にあたっていた医師もコロナウィルスで亡くなっているという。その医師がどこまで対策していたかは定かではないが、感染症などの対策のプロである医療関係者ですら命を落としていることを考えるとマスクだけの対策は怖い。店員は接客に対してリスクを感じてないのか?

【マツキヨ】
・・・。それについては社内での取り組みになるので回答できない。

 

とのこと。これ以上の具体的な回答は得られなかった。

「健康経営、社員は資産」それは表面上の言葉なのか

コロナウイルスの件が長引けば、「2020年の訪日外国人旅行者数4,000万人」を掲げる日本の目標達成は危うくなるだろう。特に外需に依存している企業にとっては今回の件は大打撃となる。一部大手メディアはその点を指摘しているが、ここまで脅威が押し寄せると今優先すべきは人命だ。

「健康経営」「人手不足の時代。最大の資産は社員である」とうたいながら、もし多くの企業が第一線で働くワーカーの安心安全を考慮した十二分な対策をとっていないとしたら、「健康経営」は表面上の取り組みだと批判されるだろう。

ヘルスケアを代表する企業の一つであるマツキヨの上記回答にはがっかり感を否めない。「なぜ回答できないのか?」と尋ねても「回答はできません」だった。マスク対応だけで十分に安全なのか?店舗スタッフの納得は得られているのか? 中国からの観光客が押し寄せない安全なオフィスの中で守られている本部社員や上層部にとって、感染のリスクが高い可能性がある店舗で働くワーカーは二の次なのか…と思わざるをえない。

ある大手ヘルスケア企業の役員にも同様に「店員の安心安全について、対策はしないのか?店頭に立つ販売員は怖くないのか?」と尋ねたが、その件に関しては回答を避けられた。

企業や国のお偉さんは、個の声を気にもしないー

当記事は決してコロナウィルスに対する不安をあおるものではない。しかし多くの生活者がネット上に怒りの声、疑問の声、懇願の声を挙げていることをヘルスケア業界に身を置く方々に知っていただきたく、記事にした。ある生活者はコロナウイルスに対する国や企業の対応について、ネット上でこんなコメントをしている。

「たかだか一個人が、ネット上で声を上げたところで、企業や国のおえらさんは、気づきもしないし、気にもしない」

悲しいかな、現実はそうだろう。大企業や国を動かすには相当の時間や労力、あるいは(声の)数が必要になる。女性の声を企業や行政に届けることをミッションに掲げるウーマンズとして、今回はコロナウィルスに関する取り組みを多くの生活者にかわって国や企業に聞いてみた。

日本国内のあらゆる店舗が閉鎖してしまったらたちまち私たちの生活は立ち行かなくなるので、全ての企業がGMOのような英断をすることはもちろん不可能なのが実際のところだ。だが、生活者やワーカーの不安の声を少しだけでも考慮した対策はできるはずだ。今こそ健康経営の真のあり方が各社に求められる時ではないだろうか。

 

【編集部おすすめ記事】
予防医療ビジネスの動向・事例
女性の入院・外来理由、傷病分類別ランキング
予防医療ビジネスの動向・事例
健康サポート薬局とは?メリットと女性が抱えるニーズ
「世界子供白書2019」子供の食と健康

PAGE TOP
×