乳酸菌の種類一覧と市場動向 「女性の新日常フード」へ(3/4)

女性の乳酸菌トレンド事情

乳酸菌の市場規模

富士経済の「乳酸菌類を主成分とし、乳酸菌を配合した商品(2018年6月発表)」を対象とした市場調査によると、市場規模はわずかではあるが拡大基調にある。

  • 2017年見込み:3,944億円(前年比105.8%)
  • 2018年予測:4,112憶円(前年比104.3%)

メーカー別市場構成比

「ヨーグルトと乳酸菌飲料」のカテゴリーに絞ると、メーカー別市場構成比はトップが「明治」、第2位が「ヤクルト本社」、第3位が「森永乳業」。機能別売り上げ高構成比を見ると「整腸」が減少傾向にあるのに対し、「免疫力向上」の割合が増加している(参考:「2017年ヨーグルト・乳酸菌飲料の市場分析調査」TPCマーケティングリサーチ)

ヨーグルトF乳酸菌飲料のメーカー別シェア構成

出典:TPCマーケティングリサーチ

乳酸菌市場は当初はヨーグルトが主戦場だったが、ここ最近はヨーグルト以外でも乳酸菌を訴求する商品が次々に登場。また、大手の参入が相次いでいることも後押しし、乳酸菌トレンドはまだまだ続きそうだ。

乳酸菌サプライヤーの提案合戦は年々激化しており、菌が持つストーリー性やブランド、機能性エビデンスの充実、ハンドリング面や価格など、あらゆる要素で各社が差別化を図っている状態だ。特に最近では、新たな訴求点を売りにしている原料が数多く上市されている。なかでも近年注目を集めるのが胃へのアプローチや肌へのアプローチだ。ほかにもオーラルケア、メンタルケア、免疫領域など、乳酸菌が持つ幅広い機能性に注目が集まっており、バリエーションに富んだ商品開発が期待される。また国内のみならず海外からの引き合いも出てきており、海外市場への進出も、今後の重要なカギとなりそうだ。引用:健康産業新聞

乳酸菌は女性の日常フードへ

乳酸菌のさまざまな効果がメディアを通しクローズアップされたことで、乳酸菌に対する女性たちの興味関心は高まっている。女性が注目・期待している効果は主に「便秘、整腸作用、美肌、免疫アップ」で、ヘルスリテラシ―が高い女性は、自分自身の不調にあわせて摂取すべき乳酸菌商品を選定する。最近は花粉症対策やアトピー性皮膚炎改善としても注目されているヤクルト「乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善。冬は、風邪予防・免疫力向上を目的に、特にママたちの乳酸菌ニーズは高まる。子どもがいる世帯はインフルエンザなどのウイルス感染症の罹患率が高くなるからだ。乳酸菌は、女性の美容・健康、家族の健康管理のために必要不可欠なヘルスケアフードとして定着しつつある。

都市別の乳酸菌飲料の支出額

都市別に乳酸菌飲料の一世帯あたりの支出額を見ると、トップの「鹿児島 ¥6,985」と最下位の「大分 ¥1,704」で¥5,281もの開きがある。都市別で支出額が異なるのは興味深い。乳酸菌飲料の全国平均は¥3,400。詳細は「一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会『平成28年1月~10月の発酵乳・乳酸菌飲料の生産量及び都市別1世帯当たり支出金額』」。

乳酸菌の摂取実態把握調査

バイオフローラ研究所が実施した「乳酸菌の摂取実態把握調査」によると、以下のことが明らかになった(調査対象:18歳以上の男女20,000人)

  • 乳酸菌を意識的に摂取する食品としては、サプリメント、乳酸菌飲料、ヨーグルトが多い。
  • 乳酸菌が含まれる食品摂取頻度として、週1-2回以上摂取されているのは「味噌」「ヨーグルト」が6〜7割。
  • 乳酸菌を意識的に摂取するための食品として「サプリメント」「乳酸菌飲料」が5~6割、「ヨーグルト」は4割強。
  • 乳酸菌には腸内環境を整えることを期待しているが、実際に効果を感じているのは1~2割程度にとどまる。
  • 乳酸菌を摂取することで期待する効果については、乳酸菌全体では「胃・腸内環境を整える」が8割。
  • 乳酸菌に対して、どの程度効果を感じているかについては、乳酸菌全体では「効果を感じている」は1割。
  • 意識的に摂取している「サプリメント」「乳酸菌飲料」「ヨーグルト」においても「効果を感じている」は2割前後。
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