ジェンダード・イノベーション発想のヘルスケアを求める女性は8割(20~90代女性調査)

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2月8日(火)〜10日(木)に東京ビッグサイトで開催される展示会「健康博覧会2022」と当社ウーマンズのコラボレーション企画「フェムテックゾーン」にご来場頂いた方に、調査データを無料でプレゼントさせていただいております。

年代別の集計結果とフリー回答を閲覧できます(ウーマンズラボの記事では未公開)。「女性たちが思う、企業に開発してほしいヘルスケア商品って何?」のヒント発見にお役立ていただける内容です。ぜひご活用ください!

ダウンロード前に調査結果の概要をご覧になりたい方は、以下をお読みください。

ジェンダード・イノベーション発想のヘルスケアを求める女性は8割(20~90代女性調査)

2021年のフェムテック一大ブームの到来で、女性ヘルスケア市場では、女性特有の健康問題を解決する商品・サービスに、かつてないほどの高い関心が寄せられた。性差に着目した医療は国内では2000年代以降に導入されたが、ヘルスケア業界でもようやく、性差に配慮する概念がこのブームを契機に広がりを見せ始めている。

現状国内では生理・妊娠・出産・更年期・フェムケア・セクシャルウェルネスといった生殖関連のフェムテックに集中しているが、今後は大手や他業種からの相次ぐ参入や、技術力あるベンチャーの開発により、多様な年齢・ライフステージ・疾患・不調・障害を対象にしたものが登場すると考えられる。欧米を中心に国外ではすでに生殖系以外の領域に着目したフェムテックが次々に登場していることも後押しとなり、国内のメディアや女性生活者の関心も、より、性差に明確な主眼を置いた商品・サービスに関心が向かっていくだろう。

このような動向を背景に、女性ヘルスケア市場ではジェンダード・イノベーション発想(※1)に基づいた開発が活発化する見込みだ。そこで、消費者理解をイノベーションへとつなげるマーケティングリサーチで企業の商品・サービスの企画開発をサポートするネオマーケティングと、女性ヘルスケア市場を専門に企業支援を行う当社ウーマンズは共同で、ヘルスケア領域における性差について、幅広い年齢の女性を対象に意識調査を実施した。ぜひ、ジェンダード・イノベーション発想のヘルスケアソリューション開発のヒントに。多様な視点で性差に着目することで、自社技術の活用先や新しいソリューションの発想ができるかもしれない。

※ジェンダードイノベーションとは、科学や技術、政策に性差分析を取り込むことにより、新たな視点や方向性を見いだし、真のイノベーションを創出することを指す概念。国外で先行して研究が活発化しており、日本でも徐々に知られるようになってきた。

調査結果

調査結果サマリー(5つのポイント)

20代〜90代の女性2,000人(※1)を対象に、性差に着目した医療(=性差医療)とヘルスケア商品・サービスについて意識調査を実施したところ、健康づくりや健康管理のために使う様々なヘルスケア商品・サービスにおいても、性差医療と同様に性差への配慮を必要と感じている女性が多いことが明らかになった。まずは調査結果のサマリーから。

  • 言葉の認知度は1割未満と低いものの、性差に着目した医療の必要性を感じている女性は約8割
  • 「女性だけに起こる病気」のみならず「男女共通の病気」においても性差に配慮した医療が必要だと感じている女性は約8割
  • 一般的なヘルスケア商品・サービスにおいても、性差への配慮が必要だと感じている女性は8割以上
  • 社会に必要だと思う、性差に配慮したヘルスケア商品・サービスのカテゴリー
    1位:要介護・要支援者向け
    2位:健康に役立つ衣類関連
    3位:患者向け
  • 個人的に企業に開発して欲しいと思う性差に配慮したヘルスケア商品・サービスのカテゴリー
    1位:健康に役立つ衣類関連
    2位:患者向け
    3位:癒し・リラックス・リフレッシュ関連

【調査実施日】2022年1月20日(木)~2022年1月24日(月)
【調査方法】WEBアンケート
【調査対象者】女性2,000名(20代・333人 / 30代・333人 / 40代・334人 / 50代・334人 / 60代・333人 / 70代・312人 / 80代・20人 / 90代・1人)

性差医療の認知度、1割未満

それでは具体的に調査結果を見ていこう。20代〜90代の女性2,000人に「『性差医療』という言葉を知っていますか?」と聞いたところ、「知っている(※2)」と回答した女性は1割未満で、一般には知られていないことがわかった。(※2)「聞いたことがあり、内容まで詳細を知っている」「聞いたことがあり、内容はなんとなく知っている」の計

 

意味の説明後、「性差に着目した医療の存在を知っていた」3割

続いて、性差医療の説明をした後に改めて認知を聞いた(性差医療の説明文と質問文は以下)

 

【性差医療の説明】
「性差医療」とは、男女の様々な違いに着目して病気の診断・治療・予防をする医療のことで、以下の全てが当てはまります。

  1. 女性あるいは男性のどちらかだけに起こる病気、という男女差に配慮した診断・治療・予防
  2. 男女ともに起こるがどちらか一方に多く起こる病気、という男女差に配慮した診断・治療・予防
  3. 男女の発症率はほぼ同じだが、病状・発症時期(年齢)・薬の効き方・予後などに男女差がある事に配慮をした診断・治療・予防

【質問】
それでは改めてお聞きします。「性差医療」という言葉を「知っていた」「知らなかった」に関係なく、上記で説明したような医療が存在することを知っていましたか?

 

すると、全問の2割増で約3割が「知っていた」と回答。「性差医療」という言葉には馴染みがなくても、概念そのものを知っていた女性は一定数いるよう。言葉の意味を説明する前の時点では、概念と言葉が結びついていなかったのだろう。

ここではさらにもう一歩踏み込んだ質問をしてみた。性差医療の説明後に「性差医療の存在を知っていた」と回答した女性に、上記3領域のうちでどれを知っていたか聞いたところ(複数回答)、最も多かったのは「1」の領域だった。この領域は例えば女性であれば、子宮がんなどの女性特有がんや、月経・妊娠関連の病気などの医療が主に当てはまるが、それでも認知は2割ほど。「2」と「3」の領域についてはさらに低く、わずか1割。やはり一般には浸透していない専門用語・専門の概念のようで、生活者にとって身近な言葉・概念ではないことがわかる。

 

意味の説明後、「性差医療の必要性を感じた」8割

続いて、「性差医療の説明を聞いて、各領域の性差医療の必要性を感じましたか?(複数回答)」と聞いたところ、「必要性を感じた(※3)」女性は、3つ全ての領域において約8割にも上った。「性差医療」は知らないものの、性差に着目した医療の存在を知ると必要性を感じる女性は多いことがわかる。また、女性だけに起こる病気に着目した性差医療のみならず、男女共通で起こる病気においても性差医療を望む女性たちの意識が見えてくる。(※3)「とても必要性を感じた」「必要性を感じた」「どちらかといえば必要性を感じた」の計

 

「性差医療の考え方と同様にヘルスケア商品も性差に配慮してほしい」8割以上

続いて、性差を配慮したヘルスケア商品・サービスにおける以下3つの領域「1」〜「3」を示した上で、「性差医療の考え方と同様に、自分や家族が使う女性向けのヘルスケア商品・ヘルスケアサービスにおいても、性差への配慮が必要だと思いますか?(複数回答)」と聞いたところ、「必要性を感じた」と回答した女性は、3つ全ての領域において8割以上に(※4)

最も割合が高かった領域は「1」だが、「2」「3」も同様に8割以上が必要性を感じており、大差は見られなかった。男女に同等に起こる健康問題の領域においても、性差に配慮した商品・サービスを求める女性が多いことがわかった。(※4)「とても必要性を感じた」「必要性を感じた」「どちらかといえば必要性を感じた」の計

  1. 女性だけに起こる健康問題を解決・予防する商品・サービス(健康問題の例:生理・妊娠・出産関連、閉経、女性特有がん関連)
  2. 男女ともに起こるが、女性に多い健康問題を解決・予防する商品・サービス(健康問題の例:冷え性、便秘、摂食障害、骨粗しょう症、うつ病、更年期障害、骨折・転倒による寝たきり関連)
  3. 男女に同等に起こる健康問題を、女性特有の症状・原因・心理・環境などに配慮して解決・予防する商品・サービス(健康問題の例:睡眠不調、疲労、眼精疲労、ストレス、口臭、胃の不調、痔、薬の副作用、生活習慣病、等)

 

 

「社会に必要だと思う、性差に配慮したヘルスケア商品」のカテゴリー

続いて、「世間一般として、どのカテゴリーで性差に配慮された女性向けのヘルスケア商品・サービスが開発されるべきだと思いますか?」と聞いたところ(複数回答)、高齢者・要介護者・患者向けといった医療・介護寄りのカテゴリーで特に必要性を感じている女性が多いことがわかった。少子高齢化、平均寿命の延伸、健康寿命、寝たきり、老老介護、ダブルケアラー、ヤングケアラーといった昨今の社会問題の認識が背景にあるのかもしれない。

  • 1位:要介護・要支援者向けの商品・サービス(29.2%)
  • 2位:健康に役立つ衣類関連の商品・サービス(29.1%)
  • 3位:患者向けの商品・サービス(28.0%)
  • 4位:体の機能低下を補う商品・サービス(22.7%)
  • 5位:健康状態の計測・検査関連の商品・サービス(21.3%)

 

「性差に配慮したヘルスケア商品を企業に開発して欲しい」カテゴリー

続いて、「あなた自身としては、どのカテゴリーで性差に配慮した女性向けのヘルスケア商品・サービスが開発されてほしいと思いますか?」と聞いたところ、次の結果に(複数回答)。日々の生活の中でセルフケアできるカテゴリーの商品・サービスの充実を求めていることを読み取れる。

  • 1位:健康に役立つ衣類関連の商品・サービス(29.6%)
  • 2位:患者向けの商品・サービス(23.4%)
  • 3位:癒し・リラックス・リフレッシュ関連の商品・サービス(23.1%)
  • 4位:食関連の商品・サービス(20.4%)
  • 4位:感染予防関連の商品・サービス(20.4%)

なお、性差に配慮したヘルスケア商品・サービスを求める女性にその理由を聞いたところ、次のような声が寄せられた一部公開)

<患者向けの商品・サービス、を選択>
・薬の副作用で顔に湿疹ができたりムーンフェイスになったりした、その時肌状態もケアしてもらいたかった(27歳,広島県)
・私自身が脱毛でウイッグを着用していますが、夏は暑くて気分が悪くなりますが解決できる商品はない。経済的にもキツイ(77歳,大阪府)
・男性にトイレやお風呂の介助をして欲しくない(70歳,東京都)

<健康に配慮した住居関連の商品・サービス、を選択>
・更年期ならではの不安や体調の悪さと心の面は関わっていると思うので、温かい環境や風通しが良いなど配慮した建築方法があってほしい(40歳,北海道)  

<食関連の商品・サービス、を選択>
・食に関しては、基本的に個人差が大きいとは思うが、やはり筋肉量や骨格などによって、男女差が関連すると思うので(66歳,東京都)

<健康状態の計測・検査関連の商品・サービス、を選択>
・心電図やレントゲン室は、暖かくなるように、工夫してほしい(68歳,福岡県)

<健康に配慮した住居関連の商品・サービスと、健康に役立つ衣類関連の商品・サービス、を選択>
・母が要介護3で、一日のうちほとんどが寝ている状況で、時折尿漏れなどの症状が起きるので、本人はそれが恥ずかしいと認識している様子です。 将来的に入院や、施設を利用することがあれば、いつまでも女性らしくいることを意識した部屋やインテリア、着衣(パジャマでもお洒落なデザイン、尿漏れ対応品もカラフルであることなど)も工夫されていることなどが理想だと感じます。トイレも清潔感のある心地よい空間で、いつまでもいたいと思える病院や施設だと嬉しい(72歳,京都府)

<睡眠関連の商品・サービス、を選択>
・女性向けの更年期障害と男性向きの更年期障害の差があるので、それに対応できる商品が増えると嬉しい(44歳,東京都)

<体の機能低下を補う商品・サービス、を選択>
・女性は妊娠、出産に向けて生理があり、また出産をすることで大きな体の変化が起こります。そのため、男性と同じような医療では足りない面がたくさんあると思うからです(26歳,岡山県)

 

実際に見た・使ったことがある、性差の配慮がされていたヘルスケア商品のカテゴリー

続いて、「これまでに実際に使った、あるいは見た事があるもので、『性差への配慮がされている』と感じた、女性向けのヘルスケア商品・サービスのカテゴリー」を聞いた(複数回答)。多様な商品・サービスカテゴリーの開発を求める女性の意識が前述の結果で浮かび上がったものの、実際に見たことがある・使ったことがある人は少数で、世の中に性差に配慮したヘルスケア商品・サービスが少ないことを読み取れる結果となった。

 

男女共通の病気・不調にも性差の配慮を

「性差医療」の言葉・概念は一般には知られていないものの、性差に配慮した医療の必要性や、一般的なヘルスケア商品・サービスにおいても性差への配慮を必要と感じている女性がマジョリティであることが当調査で明らかになった。

国内のフェムテック市場では現状、「女性だけに起こる健康問題」に着目したソリューションが主流だが、今回の調査でも明らかになった通り、「男女ともに起こるが、女性に多い健康問題を解決・予防する商品・サービス」と「男女に同等に起こる健康問題を、女性特有の症状・原因・心理・環境などに配慮して解決・予防する商品・サービス」という視点で開発されるソリューションも同様に求められていることは、当調査で最も注視したいファインディングスであり、かつ、性差ヘルスケアの可能性を探る上での確かなエビデンスだ。

「フェムテック=女性だけが持つ臓器・不調・病気を対象にした商品・サービス」という捉え方だけではなく今後は、「フェムテック=男女共通の臓器・不調・病気を対象にした女性向けのヘルスケア商品・サービス」、「フェムテック=女性特有の症状・意識・生き方・社会問題に配慮をしたヘルスケア商品・サービス」をも含んだ捉え方をしていく必要性を、当調査結果を通じて業界に向けて提言したい。

繰り返しになるが、性差に配慮したヘルスケア商品・サービスの必要性を感じている女性は8割以上。性差ヘルスケア市場の可能性は大きい。多様な視点から女性向けのヘルスケアソリューションの開発が活発化していくことを願い、そして、あらゆる年齢、ライフステージ、不調・持病・障害のある女性に、性差に基づいたヘルスケアソリューションが適時適切に届けられることを願い、引き続き、ジェンダード・イノベーション発想に役立つ調査を実施していきたい。

 

調査結果詳細のダウンロードお申し込み(無料)

2月8日(火)〜10日(木)に東京ビッグサイトで開催される展示会「健康博覧会2022」と当社ウーマンズのコラボレーション企画「フェムテックゾーン」にご来場頂いた方に、調査データを無料でプレゼントさせていただいております。

年代別の集計結果とフリー回答を閲覧できます(ウーマンズラボの記事では未公開)。「女性たちが思う、企業に開発してほしいヘルスケア商品って何?」のヒントを探すのにお役立ていただける内容です。ぜひご活用ください!

 

調査実施・企画者について

当調査は、生活者理解をイノベーションへとつなげるマーケティングリサーチで企業の商品・サービスの企画開発をサポートするネオマーケティング(東京・渋谷)と、女性ヘルスケア市場を専門に企業支援を行うウーマンズ(東京・江東)が、女性ヘルスケア業界におけるジェンダード・イノベーションの推進を目的に、性差に配慮をしたヘルスケア商品・サービスに関する女性の意識調査を共同で実施したものです。

【調査実施・共同企画】
株式会社ネオマーケティング
マーケティングリサーチによる生活者理解をベースに、企業のマーケティング活動全般を支援している会社です。生活者の”リアル”を伝える調査結果をサイト上に無料公開しています。

【共同企画】
ウーマンズ
女性ヘルスケア市場専門に特化した生活者分析/市場分析/法人ネットワークを強みに、「コンサルティング」「ビジネスメディア(ウーマンズラボ)の運営」「イベント主催・イベントコラボ」を行なっています。「ジェンダード・イノベーション発想の、女性ヘルスケアの認知向上・社会実装」をミッションに掲げ、多様な企業様と、女性ヘルスケアに関するプロジェクトを推進しています。

 

 

 

 

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