「女性の健康問題」をアカデミックに理解できる、おすすめ書籍4選

女性ヘルスケア領域のマーケット情報を日々、収集・分析するウーマンズラボ編集部が厳選。読者の皆さんへ、おすすめ書籍を紹介するコーナー。今回のテーマは「女性特有の健康問題」、女性ヘルスケアの基礎知識を習得できる4冊をピックアップ。より受容性の高いプロダクト開発やコミュニケーション戦略を発想したい人、体系的かつ多角的な視点で女性の健康問題を理解したい人、新規事業参入のシーズ探索をしたい人向け。 編集部も保存版として活用している良書。

女性の健康問題(思春期・性成熟期の医学書)

女性特有の心身の疾患・ヘルスケアのうち思春期(主に8〜18歳)と性成熟期(主に18〜45歳)の女性に特化した、日本女性医学学会による医学書。テーマは多様で、月経関連疾患、性感染症、性教育、避妊、性同一性障害、性暴力、心身症、女性アスリートのヘルスケアなど。医療者向けのガイドブックだが、女性ヘルスケアの領域で仕事をするビジネスパーソンも手元に置いておくと便利。女性の体の変化や健康問題など、正しい知識を習得するのに役立つ。特に生理・妊娠・出産・セクシュアルウェルネス関連のフェムテック事業に取り組んでいる場合は必携(同書は2016年度版で最新)

 

女性の健康問題(更年期の医学書)

女性特有の心身の疾患・ヘルスケアのうち、更年期(主に45〜55歳)の女性に特化した医学書。テーマは、更年期の主要な疾患・症状・対応、検査・治療法、更年期医療の歴史、更年期女性の健康診断やヘルスケアなど。こちらも日本女性医学学会による医療者向けのガイドブックだが、女性ヘルスケアの領域で仕事をするビジネスパーソンも手元に置くべき1冊。生涯の中で最も健康問題が複雑化・表面化する更年期の健康状態は、その後の高齢期の疾患リスクやQOLにも影響を及ぼすため、更年期女性のみならず、高齢女性をターゲットにしている企業にもおすすめ。更年期女性の健康悩み、ニーズ、一般的な治療法の課題なども読み取れるので、これから更年期女性のビジネスを始める際のシーズ探索にも役立つ(同書は2019年度版で最新)

 

女性の健康問題(20〜70代までを網羅)

前述の2冊は医療者向けの本格的なガイドブックだが、もう少しライトに成人女性の健康問題を理解したい人には、こちらの書籍がおすすめ。20代〜70代女性の健康問題を、イラストを交えて年代別にサクサクっと解説する構成なので、女性の健康について基礎知識がなくても読みやすい。「ワーク・ライフ・バランス」と「ヘルスケア」の両立に主眼を置いた書籍タイトルだが、各年代特有の生活・仕事の問題と健康問題がセットで書かれているので、むしろマーケティングに活かしやすくビジネス寄りの理解ができる。生涯にわたり女性たちがどのような健康問題に直面していくのかを、網羅的かつ年齢順に理解したい初心者向け。なお発行は2012年とちょっと古いが、成人女性の全体像を理解する意味では今でも十分役立つ内容。

 

女性の健康問題(働く女性の興味深い特有問題)

最後は、働く女性特有の健康問題がメインテーマの書籍。”仕事・職業”を起点に健康問題を解説しているので、前述の3冊とはまた違う視点で理解を深められる。例えば、夜勤と月経・がんとの関係、夜勤の生殖機能への影響、勤労女性と子宮筋腫、月経による休職、仕事をしている女性の流産・早産・胎児発育、仕事と高齢出産とうつ病の関係、男女で異なる仕事のストレス、女性に多い職業と健康問題の関係など。働く女性全体の一般的な健康悩み(例:肩こり・腰痛・生理痛・更年期症状など)を把握することを目的とした調査結果は各社が実施しているのでよく見かけるが、職業や働き方で異なる特有の健康問題や男女の違いなど、多様な視点から分析する調査や文献はなかなか見当たらないため、こちらの書籍は貴重。自社の健康経営施策のヒントに、あるいは、健康経営関連の製品・サービスを取り扱う企業におすすめ。

 

 

女性ヘルスケア市場はどうなる?最新動向2024

ヘルスケア領域の女性トレンドと業界トレンドを、今年度も徹底分析!最新動向を全103ページのレポート「女性ヘルスケア白書 市場動向予測2024 〜健康トレンド・業界動向・女性ニーズ〜」にまとめています。昨年は2,300社にご利用いただいた、毎年人気のアニュアルレポート。ぜひご活用ください!

 

 

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