2021年の女性ヘルスケア市場トレンド、総決算!
2021年の女性ヘルスケア市場トレンド、総決算!先月〜今月にかけて各所から発表された、女性市場・女性ヘルスケア市場に関連するトレンドアワードを編集部がリサーチ&ピックアップ。今年を振り返れば、2022年のトレンドが見えてくる!
目次
2021年の女性生活者を総括
ニューノーマル2年目となった2021年。新しい生活に順応するための必需品、感染対策、安心・安全、免疫向上、メンタルケア関連に需要が集中した昨年に続き、今年はニューノーマルを継続しながらも、快適性・利便性・娯楽を積極的に求める消費行動が顕著に見られた。ニューノーマル2年目の”慣れ”に加え、ワクチン接種が広がったこともあり心に余裕が生まれたのだろう。言うなれば「クオリティー・オブ・ニューノーマルライフ」を向上させるモノ・コトに関心が集まった。
各所が続々と発表しているアワードを見ていても、消費やトレンドを楽しもうとする女性たちのポジティブな気持ちが感じられ、”停滞感”を脱した印象。博報堂生活総合研究所の調査によると「2022年の世の中の景気はよくなる」と予想する人は3割に上り、過去最高を更新したという。この2年間の景気停滞の反動が背景にあるようで、この結果からも、消費意欲が戻ってきたことをうかがい知れる。
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2021年の女性ヘルスケアトレンド、アワード総ざらい
女性誌、ポータルサイト、通販サイト、業界紙、企業などが発表する年間トレンドアワードの中でも、特にチェックしておきたい主要なものを領域別にピックアップした(2021.12.13時点で発表済みのアワードから選出)。
健康
アットコスメや女性誌など主要メディアが発表する美容系のトレンドアワードの中から、健康トレンドをピックアップ。トレンドキーワードやトレンド入りした商品を見ていて目立つのは、やはり「ニューノーマル関連(免疫、睡眠、疲労対策)」と「フェムテック、フェムケア」。
- @cosmeベストコスメアワード2021 下半期トレンドキーワード&ベストトレンドキーワード(アイスタイル)
- LIPSベストコスメ2021 / 生理用品部門、オーラルケア部門、パーツケア部門、入浴剤部門、ハンドクリーム部門など(LIPS)
- ELLE読者が選ぶビューティ・アワード 2021 / サプリメント部門(ELLE)
- ソーシャルプロダクツアワード2021 /障がい者の生きがいや働きがいにつながる商品・サービス(ソーシャルプロダクツ普及推進協会)
- ユーザーが選ぶ日本のトップスパBest10 クリスタルアワード2021(Diet &Beauty)
- 今年の流行りモノ トレンド大賞2021(anan)
美容
美容系のトレンドアワードで目立ったのは、「サステナ」「環境配慮」「ジェンダーレス」「メンズコスメ」。いずれのワードも一昨年あたりから美容系アワードの表彰部門名や評価コメントでチラホラと登場していたが、今年は一気に存在感を強めた印象。例えばロフトは「サステナブルビューティ」部門を、VOGUEは「ジェンダーフルイド賞」部門を設置。VoCEは今年で3回目となる「メンズコスメワード2021」を開催。トレンド入りしている各受賞商品の特徴や評価コメントを見ても、SDGs関連のキーワードが昨年よりも多く並んでいる。「SDGs」や「ジェンダーレス」は、まだ絶対的な消費基準にまでは至っていないことが各所の調査でわかっているが、年々着実に浸透している様子。
通販サイトの楽天市場で売れた人気商品を選出した「楽天ベストコスメ2021」、エステサロンで売れた商品を選出した「ベストアイテム2021/エステサロン売り上げキーファクター」、美容医療の人気施術をランキングした「トリビュー美容医療年間ランキング2021」も要チェック。シーン別のトレンドがわかる。
- @cosmeベストコスメアワード2021 下半期トレンドキーワード&ベストトレンドキーワード(アイスタイル)
- @cosmeベストコスメアワード2021(アイスタイル)
- 下半期ベストコスメ2021(VoCH)
- VOGUEビューティアワード2020(VOGUE)
- ELLE読者が選ぶビューティ・アワード 2021(ELLE)
- 楽天ベストコスメ2021(楽天市場)
- ロフト ベストコスメ2021(LOFT)
- WWDビューティ ベストコスメ2021(WWD)
- ベストアイテム2021/エステサロン売り上げキーファクター(美容経済新聞社)
- トリビュー 美容医療 年間ランキング 2021(トリビュー)
- メンズコスメアワード2021(VoCE)
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食・暮らし
今年大人気となった「オートミール」と「マリトッツォ」が、食系の各トレンドアワードでランクイン。前者は健康感が支持された一方で、後者は健康からは程遠い生クリームたっぷりスイーツ。相反する2大ブームについてクックパッドは、「健康志向一辺倒ではない傾向が伺える」とコメント。感染対策で昨年から今年にかけて市場では健康意識が急速に高まったものの、コロナ疲れをスイーツで解消したいニーズは健在で、その二極化がまさに反映された結果に。もう一つの注目は「暮らしのトレンドキーワードランキング2021」。「1位:心地よい暮らし」「3位:暮らしの快適家電」「5位:季節を楽しむ」など、ウェルビーイングニーズが垣間見えるキーワードがランクインした。
- 食トレンド大賞2021、食トレンド予測2022(クックパッド)
- 料理インフルエンサーの活躍を表彰する「フーディストアワード2021」(アイランド)
- 2021年トレンド料理ワード大賞(アイランド)
- 暮らしのトレンドキーワード・プロダクト・ショップ、RoomClip Award 2021(ルームクリップ)
- 日本サブスク大賞2021(日本サブスクリプションビジネス振興会)
クラスター別(Z世代、ママ、シニア)
(クラスター別のトレンドアワードと言っても、そもそも発表される数が少ないのでピックアップに偏りがあるのだが…)「Z世代」「ママ」「シニア」の3クラスターで参考になるアワードをいくつかご紹介。ママトレンドにもシニアトレンドにも、やはり「SDGs」「フェムテック、フェムケア」のワードが登場。ママに特化した健康アイテムやベビーテックの充実化も感じられる結果に。
- Z世代トレンドアワード2021(バイドゥ)
- マザーズセレクション大賞(日本マザーズ協会)
- 子育て中の忙しい毎日を助けてくれるモノ・コトを選ぶ ママタスアワード(C Channel)
- ベビーテックアワードジャパン2021(パパスマイル)
- 4,812人のママが選んだ「実際に使って良かった」マタニティ&ベビー用品 ベビーカレンダーアワード(ベビーカレンダー)
- 2021シニアトレンド&2022 シニアトレンド予測(ハルメクホールディングス)
全般(流行語、消費、デザイン)
続いて、国内市場全体を俯瞰できるトレンドアワードを見ていこう。注目はユーキャンの新語・流行語大賞に選ばれた「ジェンダー平等」と、受賞は逃したもののノミネートされた「フェムテック」。この1年は女性に対し社会的関心が高まったことを改めて感じる結果に。グーグル検索ランキングには「適応障害とは」「双極性障害とは」「中皮腫とは」「PTSDとは」など疾患ワードが上位にランクイン。2021年に売れたものランキングでは、「オートミール」「麦芽飲料」「プロテイン粉末」など健食関連が上位に。
- ユーキャン新語・流行語大賞(ユーキャン)
- Google検索ランキング(Google)
- TikTok流行語大賞2021(Bytedance)
- 2021年、売れたものランキング(インテージ)
- 2021年度グッドデザイン賞(日本デザイン振興会)
- FRaU SDGs AWARD(FRaU)
2022年はどうなる?女性ヘルスケア市場のニーズ&消費トレンド
2022年の女性ヘルスケア市場のニーズ&消費トレンドを、当社ウーマンズが2022年2月に発表します(健康博覧会2022内にて)。2022年の皆様のマーケティング戦略に、ぜひお役立てください。毎年恒例の人気講演です!
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