【開催報告】ジェンダード・イノベーションEXPO 2024

2024年2月20日(火)〜22日(木)、東京ビッグサイトにて、性差に着目したヘルスケア製品と最新情報が集まる BtoB 展示会「ジェンダード・イノベーションEXPO 2024」を開催いたしました(主催:健康博覧会/企画:ウーマンズ)

ジェンダード・イノベーションとは?

「ジェンダード・イノベーション」とは、科学・技術・政策などの領域において、性差分析を取り込むことで新しい視点を見いだしイノベーションを創出することを指します。欧米を中心に広まり始めたこの言葉は、2021年頃から国内でも認識されるようになってきました。人体への影響が大きい医療・ヘルスケアにおいては特に必要とされている概念で、医療界におけるジェンダード・イノベーションは「性差医療」として発展してきました。ヘルスケア業界では、フェムテックのブームを皮切りに性差分析が活発化しています。2022年には政府が「女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針 2022)」の中でジェンダード・イノベーションに言及したことでも、性差分析の関心が社会的に高まるきっかけとなりました。企業のみならず、行政、医療関係者、アカデミア、マスメディアが積極的に情報発信や取り組みを強化しています。

 

ジェンダード・イノベーションEXPO概要

あらゆる年代・ライフステージ・状況(障害有無・未病・病中病後・怪我・経済状況・生活環境など)における女性特有/男性特有の健康課題・ニーズ・悩みに着目した企業の製品・サービス・企業・最新情報が一同に集結する国内最大級の商談会です。

■イベント:ジェンダード・イノベーションEXPO 2024
■テーマ :女性特有/男性特有の健康課題を解決
■開催日 :2024年2月20日(火)~2月22日(木)
■開催場所:東京ビッグサイト(東4・5・6ホール)
■来場者数:30,048人(同時開催展を含む)
■主催  :健康博覧会
■企画  :ウーマンズ
■後援  :厚生労働省,農林水産省,日本貿易振興機構 (ジェトロ)
■詳細  :リリース(2024年1月18日)

 

会期中の様子

社会的関心が高まっている「ジェンダード・イノベーション」をテーマに、性差に着目した女性向け/男性向けのヘルスケアソリューションと最新情報が集まるBtoBイベントを東京ビッグサイトにて開催いたしました(2024年2月20日〜22日)。あらゆる産業界に先行して性差分析が進むと見込まれるヘルスケア業界が国内のジェンダード・イノベーション市場を牽引し、そして、あらゆる年代・ライフステージ・状況における女性特有/男性特有の健康課題を解決できる市場の創出を目指した本イベントは昨年を上回る盛況となり、無事閉幕いたしました。ご来場いただいた皆様、ご出展いただいた皆様、メディアパートナーとしてご連携いただいた女性誌・男性誌・業界紙の皆様、ビジネスカンファレンスにご登壇いただいた皆様、各関係者様、誠にありがとうございました。

会場マップ

今年は医療・介護の展示会「ケアショージャパン」と同時開催。ヘルスケア・医療・介護・福祉業界のビジネスパーソン、約30,000人が来場しました。

 

イベント案内リーフレットと会場マップ

ジェンダード・イノベーションEXPOの専用リーフレット。出展社一覧、ビジネスカンファレンスの全プログラム、公式メディアパートナーの他、ヘルスケア業界におけるジェンダード・イノベーションの解説を掲載しました。

 

看板

【左】東京ビッグサイト内に設置した看板。【右】会場入口に設置した会場案内図

 

インフォメーションカウンター

ジェンダード・イノベーションEXPOのインフォメーションカウンターではウーマンズメンバーが来場者に会場をご案内(写真はオープン前の様子)。商社、小売(DgS、百貨店、GMS、ホームセンターなど)、施設(フィットネス、介護、エステ、整体など)、メーカー、メディア(テレビ、ラジオ、女性誌、男性誌、業界紙)などが、新しい取引先や協業先の開拓を目的に来場しました。

 

出展エリア

女性特有/男性特有の健康課題を解決する企業と、性差を考慮したマーケティング支援を行う企業が出展。会場には多様な製品・サービスが並び、活発な商談が行われました。

会場全体の様子

 

各出展社のブースの様子

 

本EXPOのコンセプトは「女性特有/男性特有の健康課題を解決」。各社のブースでは「性差ヘルスケア」「性差分析を理解したアプローチ」「男女で異なる骨盤底筋トレー二ング」「男女別 意識調査が明かす真実」といった、各社独自のキャッチフレーズが並びました

 

ビジネスカンファレンス

3日間に渡りビジネスカンファレンスを開催しました全プログラム詳細。ジェンダード・イノベーション市場での具体的な商機発見やマーケティング戦略のコツをヘルスケア業界の皆様にお持ち帰りいただけるよう、医療・健康領域における性差視点のアンメットニーズをオープンデータから探る方法や、性差に着目したビジネスの事業化のコツやデザインの考え方、海外進出の可能性や企業の先行事例など、多角的な視点から、有識者の皆様にお話しいただきました。累計で約2,000名のお申し込みをいただきました。

 

 

メディアラウンジ

ジェンダード・イノベーションEXPOを共に盛り上げた公式メディアパートナーを紹介するメディアラウンジでは各メディアの媒体資料や見本誌を設置。メディアの記者・編集者と来場者・出展社が情報交換や交流をする場となりました。

 

 

出展社一覧

朝日広告社/アサヒグループ食品/アドバンストメディカルケア/アピポルファーマジャパン/アンファー/伊藤園/ウーマンズ/エイチタス/AMED→WaiSE (政策研究大学院大学)/エオストレ/encyclo/オプシス/Olive/かづきれいこ/カノアクルー/クライフ/グリーンハート/広葉樹合板/SAKITUE/サンライフ/SVAKOM INVESTMENT HONG KONG LIMITED/G-Place/シーボン/ジョコネ。/シンバイオシス・ソリューションズ/STI-IR/スポーツモチベーション/セーレン/ダイセル/ダイドードリンコ/タナック/つばめLabo/TL Genomics/ニチバン/美工/BeLiebe/ピルボックスジャパン/フジスコ/pluskampo/プラスコンフォート/ボディスプラウト/松吉医科器械/メニコン/menopeer/メリードゥ ビューティ プロダクツ/ユタックス/ricca/リリイーグル/RecoD/ロート製薬

 

 

メディアパートナー一覧

「ジェンダード・イノベーションEXPO 2024」を共に盛り上げた公式メディアパートナーは全40。女性誌、男性誌、業界紙と連携しました。

 

 

メディア掲載

メディアパートナーをはじめとした多くのメディア様に、会期前・会期中・会期後にジェンダード・イノベーションEXPOをご紹介いただきました。

  • OTONA SALONE(主婦の友社)
  • メトロポリターナ(産経新聞社)
  • 産経新聞(産経新聞社)
  • シティリビング(サンケイリビング新聞社)
  • からだにいいこと(セントラルメディエンス コミュニケーションズ)
  • シルバー産業新聞(シルバー産業新聞社)
  • ヌーヴェル エステティック スパ日本版(ボーテブレイン)
  • TeLiDe(ともあ)
  • 小児リハビリテーション(ともあ)
  • 訪問リハビリテーション(ともあ)
  • 健康ジャーナル/美容エステジャーナル(太陽エージェンシー)
  • Fitness Business(クラブビジネスジャパン)
  • 赤ちゃんが欲しい(主婦の友社)
  • Aging Gracefully(朝日新聞社×宝島社)
  • FQ JAPAN(アクセスインターナショナル)
  • エステティック通信(美容経済新聞社)
  • Bella Pelle(メディカルレビュー社)
  • 医学のあゆみ(医歯薬出版)
  • マイナビウーマン(マイナビ)
  • オルタナ(オルタナ)
  • 妊活たまごクラブ(ベネッセホールディングス)
    など

 

本EXPO終結のお知らせと、ウーマンズより御礼のご挨拶

2024年2月開催をもって、健康博覧会と弊社ウーマンズのタイアップで開催してまいりました「ジェンダード・イノベーションEXPO」を終結いたします。2022年、2023年、そして2024年とご来場いただいた皆様、ご出展いただいた企業様、メディアパートナー様、ビジネスカンファレンスにご登壇いただいた皆様、関係各社様、誠にありがとうございました。この場を借りてウーマンズ一同、心より御礼申し上げます。

健康博覧会と弊社のタイアップイベントのプロジェクトは、コロナ禍の2021年夏に始動しました。コロナ禍でのリアルイベント縮小や中止、来場者の大幅減少が課題とされていた中、その打開策として健康博覧会側より「フェムテックをテーマにしたイベントを一緒に行えないか?」と、時限的な取り組みとしてお声がけいただいたのが始まりでした。2021年はフェムテックへの関心が業界で広まり始めていたこと、また、弊社が10年以上にわたり女性ヘルスケア専門のシンクタンクとして企業支援を行っていたことが、お声掛けいただいた理由でした。

私たち2社が1回目のイベント実施から一貫して重視してきたのは「妊娠・生理・更年期・セクシャルウェルネスといったSRHR領域のみならず、女性の健康課題を包括的に捉えたビジネスイベント」として、市場発展の機運を業界内で醸成することでした。フェムテックの登場や生理の貧困が発端となり女性の健康課題に社会的関心が急速に高まりましたが、「フェムテック=女性の健康課題=SRHR」のイメージが定着していたことに危機意識を感じていたことが背景にあります。もちろんSRHR領域の製品・サービスの充実化や発展は絶対的に必要で、これまでに私たち自身も、女性の代表的な健康課題としてSRHR領域の発展に向けた業界への啓発や企業支援を行ってまいりました。しかし女性の健康課題がそれだけであるかのような集中的な報道や風潮が続いてしまうと、トレンドが一過性となり、SRHR市場を含め女性ヘルスケア市場全体の成長を失速させることになりかねません。

そもそも女性の健康課題は幅広く存在します。例えば生活習慣病の罹患率やリスク、薬効、病中・病後のニーズ、障害のある人の健康悩みには明らかな性差があり、高齢期の疾患にも女性特有・男性特有の課題があります。そして、市場が男性基準または男性視点で発展してきたことから、女性側の身体的・心理的負担や苦痛に配慮がされていない医薬品、治療、ヘルスケア製品・サービスが世の中に数多く存在しています。これこそが女性ヘルスケア市場の本質的な課題であり、この解決こそが、真の意味で女性特有の健康課題を解決する。そんな思いから、フェムテックの上位概念にあたる「ジェンダード・イノベーション」をコンセプトに掲げようと、1年目のイベントタイトル「フェムテックゾーン(2022年)」を、2年目以降で「ジェンダード・イノベーションEXPO(2023年)」へと変更いたしました。変更と企画にあたっては健康博覧会とウーマンズで数ヶ月間にわたり多角的な議論・検討を重ね、多数のヘルスケア企業や業界団体、医療者、行政、報道、識者の皆様からの聞き取りやコミュニケーション、加えて、女性ヘルスケア事業に関心を持つ1,000名近い企業の方々からのアンケート調査からの考察も行いました。その結果、性差に着目してイノベーションを起こすことを意味する「ジェンダード・イノベーション」は、あらゆる年代の女性の多様な健康課題を包括的に捉えられる概念として適切であること、女性ヘルスケア市場全体のサステナブルな発展に向けたヘルスケア業界の共通言語・指針として適切であること、そして、男女両方の課題に目を向ける概念でもある「ジェンダード・イノベーション」という言葉を用いることで、フェムテックのブームを遠巻きに見ていた男性や、フェムテックをSRHRソリューションと限定的に捉えていた企業も積極的にこの市場に関わることができるという確信から、イベントタイトルの変更を決定し、具体的な企画立案に入りました。

ジェンダード・イノベーションは、医療・ヘルスケア業界の言葉に変換すると「性差医療」「性差ヘルスケア」と表現できますが、この概念は今後世界的な規模で広まっていくと見られ、実際に日本を含めた各国ではジェンダード・イノベーションの取り組みや国による言及・提言が相次いでいます。人生100年時代、病気と共生しながら最期を迎える人が増え、そして医療費問題も深刻化する中、より適切な医療・健康メリットを個々が享受できるようになる「性差」への着目は、社会に大きなイノベーションをもたらしてくれます。現時点ではヘルスケア業界では、生物学的な男女差に着目したヘルスケア製品・サービスの開発に関心が寄せられていますが、業界の究極のゴールは、生物学的性差・性自認・年齢・人種などに関わらず一人一人の健康課題を解決するパーソナライズソリューションの開発・提供です。そのゴールに向けた過渡期として、本EXPOがヘルスケア業界のジェンダード・イノベーションの機運醸成に微力ながらも貢献できたのではないかと、3回のイベント開催を通じて感じております。そして、ご来場いただいた皆様、ご出展いただいた皆様が、本イベントを通して多様なビジネスチャンスを獲得していただいておりましたら、大変嬉しく思います。

今後、本EXPOは健康博覧会の単独開催で「フェムテック・メンテック展」へと変更になりますが、本EXPOのコンセプトは引き継がれていきます。どうぞ引き続き、2025年以降の「フェムテック・メンテック展」もご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

弊社ウーマンズでは引き続き、性差分析に基づいた「女性ヘルスケア市場に特化したシンクタンク」として、女性ヘルスケア市場の発展に寄与すべく、イベント企画やレポート発行、ヘルスケア業界に特化したBtoBプロモーション支援などを行ってまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。3年間、誠にありがとうございました。心より深く感謝申し上げます。

ウーマンズ一同

 

 

【ウーマンズについて】
ウーマンズは、女性ヘルスケア市場専門のシンクタンクとして「性差に基づいた女性特有のヘルスケア行動・消費・ニーズ」と「産学官動向」の調査分析を基礎業務としている会社です。女性ヘルスケア市場に特化して企業支援を行ってきた豊富な実績と、10年以上にわたり継続的に行っている調査・研究・分析により蓄積した知見・ノウハウを活かして、女性ヘルスケア事業を行う産学官の共通課題である「どうすれば、製品・サービスをもっと社会に流通させられるか?」のソリューションをご提供しております。企業、外部組織、キーパーソン、有識者との幅広いネットワークや、業界への情報発信力も私たちの強みです。事業はビジネスメディア事業/MICE事業/企業向け研修事業/BtoB広告事業。公式HP

 

【レポート】売れるフェムテックの開発と販売戦略

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フェムテックレポート ビジネスモデル、需要性、課題
 

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