【展示会レポ】性差がテーマの「ジェンダード・イノベーションEXPO」、ヘルスケア・医療・介護業界のイノベーター3万人が来場

女性特有・男性特有の健康課題を解決するBtoB展示会「ジェンダード・イノベーションEXPO(主催:健康博覧会,企画:ウーマンズ)」が、先月20日〜22日に東京ビッグサイトで開催され、前年を1万人上回る30,048人(同時開催展を含む)が来場した。

ジェンダード・イノベーションとは、「性差分析により新しい視点を見出しノベーションを起こすこと」を指す概念で、同EXPOは生物学的な男女の違いによる健康課題を解決するBtoC製品・サービスと、男女の違いを踏まえたマーケティング支援を行うBtoBサービスが集結するビジネスイベント。

 

会場内の様子

 

出展エリアには、臭いの性差を解明して男女別に開発したボディソープ(ロート製薬)、男女それぞれの健康課題を訴求する配置漢方薬の福利厚生サービス(プラス漢方)、性差分析に基づいた店舗作りを行う企業支援サービス(美工)など、性差分析に基づいて開発・設計した多様な製品・サービスが並んだ。ブースには「性差ヘルスケア」「性差分析を理解したアプローチ」「男女で異なる骨盤底筋トレー二ング」「男女別 意識調査が明かす真実」など、性差を打ち出したクリエイティブが掲示され、来場者の関心を集めた。

 

本EXPOのコンセプトは「女性特有/男性特有の健康課題を解決」。各社のブースでは「性差ヘルスケア」「性差分析を理解したアプローチ」「男女で異なる骨盤底筋トレー二ング」「男女別 意識調査が明かす真実」といった、各社独自のキャッチフレーズが並んだ。

 

併催のビジネスカンファレンスも、全プログラムのテーマが「性差」。約2,000名が申し込む盛況となり、聴講者数が最多となったのは、厚労省の「2024年に始まる健康日本21(第三次)〜性差に着目した初の目標設定〜」で、次いでトーマツの「『ヘルスケア市場77兆円』に向けた未来のヘルスケア、性差視点のビジネスの可能性と事業化のポイント」。今後のヘルスケア産業の全体像をベースに、性差に切り込んだ国の施策やビジネスの可能性を言及した内容で、性差分析による製品・サービス開発に意気込む業界人の姿が多く見られた。

 

ビジネスカンファレンスの様子

 

同EXPOには40の女性誌・男性誌・業界誌が協賛し、メディアが一体となって市場での機運を醸成した。「ジェンダード・イノベーション」の概念や言葉の認知はまだ十分には進んでおらず、主に業界のイノベーターが関心を示す黎明期にある市場だが、10兆円市場との試算も出ており(矢野経済研究所)、「ヘルスケアビジネスの新たな打開策」として有望視する企業は多い。

本EXPOは、健康業界で40年以上開催しているBtoB展示会「健康博覧会」と、女性ヘルスケア市場専門のシンクタンク「ウーマンズ」がタイアップで3年にわたり開催しているもの。今回をもって取り組みは終結するが、フェムテックのブームが火付けとなったことや、NHKや新聞各紙をはじめとした主要メディアによる報道が相次いでいることも後押しとなり、ジェンダード・イノベーション市場は今後の堅調な拡大が期待される。開催報告の詳細はこちら

 

 

 

 

 

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