【3年間の御礼】今回の開催を持って「ジェンダード・イノベーションEXPO」を終結します

2024年2月開催をもって、健康博覧会と弊社ウーマンズのタイアップで開催してまいりました「ジェンダード・イノベーションEXPO」を終結いたします。2022年、2023年、そして2024年とご来場いただいた皆様、ご出展いただいた企業様、メディアパートナー様、ビジネスカンファレンスにご登壇いただいた皆様、関係各社様、誠にありがとうございました。ウーマンズ一同、心より御礼申し上げます。

健康博覧会と弊社のタイアップイベントのプロジェクトは、コロナ禍の2021年夏に始動しました。コロナ禍でのリアルイベント縮小や中止、来場者の大幅減少が課題とされていた中、その打開策として健康博覧会側より「フェムテックをテーマにしたイベントを一緒に行えないか?」と、時限的な取り組みとしてお声がけいただいたのが始まりでした。2021年はフェムテックへの関心が業界で広まり始めていたこと、また、弊社が10年以上にわたり女性ヘルスケア専門のシンクタンクとして企業支援を行っていたことが、お声掛けいただいた理由でした。

 

健康博覧会とウーマンズによる第1回目のイベント「フェムテックゾーン(2022年2月)」。コロナ禍の中、多くの方にご来場いただきました。

 

私たち2社が1回目のイベント実施から一貫して重視してきたのは「妊娠・生理・更年期・セクシャルウェルネスといったSRHR領域のみならず、女性の健康課題を包括的に捉えたビジネスイベント」として、市場発展の機運を業界内で醸成することでした。フェムテックの登場や生理の貧困が発端となり女性の健康課題に社会的関心が急速に高まりましたが、「フェムテック=女性の健康課題=SRHR」のイメージが定着していたことに危機意識を感じていたことが背景にあります。もちろんSRHR領域の製品・サービスの充実化や発展は絶対的に必要で、これまでに私たち自身も、女性の代表的な健康課題としてSRHR領域の発展に向けた業界への啓発や企業支援を行ってまいりました。しかし女性の健康課題がそれだけであるかのような集中的な報道や風潮が続いてしまうと、トレンドが一過性となり、SRHR市場を含め女性ヘルスケア市場全体の成長を失速させることになりかねません。

そもそも女性の健康課題は幅広く存在します。例えば生活習慣病の罹患率やリスク、薬効、病中・病後のニーズ、障害のある人の健康悩みには明らかな性差があり、高齢期の疾患にも女性特有・男性特有の課題があります。そして、市場が男性基準または男性視点で発展してきたことから、女性側の身体的・心理的負担や苦痛に配慮がされていない医薬品、治療、ヘルスケア製品・サービスが世の中に数多く存在しています。見過ごされたままになっている、女性に多い疾患・不調・健康ニーズもたくさんあります。これこそが女性ヘルスケア市場の本質的な課題であり、この解決こそが、真の意味で女性特有の健康課題を解決する。そんな思いから、フェムテックの上位概念にあたる「ジェンダード・イノベーション」をコンセプトに掲げようと、1年目のイベントタイトル「フェムテックゾーン(2022年)」を、2年目以降で「ジェンダード・イノベーションEXPO(2023年)」へと変更いたしました。

 

第2回目はイベント名を「ジェンダード・イノベーションEXPO(2023)」へ変更して開催(上画像は全出展者様のブース)。女性特有/男性特有の健康課題を解決する多様なソリューションが集結しました。

ジェンダード・イノベーションEXPOの連動企画としてビジネスカンファレンスを3日間にわたり併催。「ジェンダード・イノベーション」をテーマにした全17本のプログラムに、累計約4,000名のお申し込みをいただき盛況となりました。

 

変更と企画にあたっては健康博覧会とウーマンズで数ヶ月間にわたり多角的な議論・検討を重ね、多数のヘルスケア企業や業界団体、医療者、行政、報道、識者の皆様からの聞き取りやコミュニケーション、加えて、女性ヘルスケア事業に関心を持つ1,000名近い企業の方々からのアンケート調査からの考察も行いました。その結果、性差に着目してイノベーションを起こすことを意味する「ジェンダード・イノベーション」は、あらゆる年代の女性の多様な健康課題を包括的に捉えられる概念として適切であること、女性ヘルスケア市場全体のサステナブルな発展に向けたヘルスケア業界の共通言語・指針として適切であること、そして、男女両方の課題に目を向ける概念でもある「ジェンダード・イノベーション」という言葉を用いることで、フェムテックのブームを遠巻きに見ていた男性や、フェムテックをSRHRソリューションと限定的に捉えていた企業も積極的にこの市場に関わることができるという確信から、イベントタイトルの変更を決定し、具体的な企画立案に入りました。

ジェンダード・イノベーションは、医療・ヘルスケア業界の言葉に変換すると「性差医療」「性差ヘルスケア」と表現できますが、この概念は今後世界的な規模で広まっていくと見られ、実際に日本を含めた各国ではジェンダード・イノベーションの取り組みや国による言及・提言が相次いでいます。人生100年時代、病気と共生しながら最期を迎える人が増え、そして医療費問題も深刻化する中、より適切な医療・健康メリットを個々が享受できるようになる「性差」への着目は、社会に大きなイノベーションをもたらしてくれます。現時点ではヘルスケア業界では、生物学的な男女差に着目したヘルスケア製品・サービスの開発に関心が寄せられていますが、業界の究極のゴールは、生物学的性差・性自認・年齢・人種などに関わらず一人一人の健康課題を解決するパーソナライズソリューションの開発・提供です。そのゴールに向けた過渡期として、本EXPOがヘルスケア業界のジェンダード・イノベーションの機運醸成に微力ながらも貢献できたのではないかと、3回のイベント開催を通じて感じております。そして、ご来場いただいた皆様、ご出展いただいた皆様が、本イベントを通して多様なビジネスチャンスを獲得していただいておりましたら、大変嬉しく思います(ジェンダード・イノベーションEXPO 2024開催報告はこちら)。


第3回目は2024年2月に開催。前年を1万人上回り、3日間で3万人が来場しました。

 

今後、本EXPOは健康博覧会の単独開催で「フェムテック・メンテック展」へと変更になりますが、本EXPOのコンセプトは引き継がれていきます。どうぞ引き続き、2025年以降の「フェムテック・メンテック展」もご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

弊社ウーマンズでは引き続き、性差分析に基づいた「女性ヘルスケア市場に特化したシンクタンク」として、女性ヘルスケア市場の発展に寄与すべく、イベント企画やレポート発行、ヘルスケア業界に特化したBtoBプロモーション支援などを行ってまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。ご来場者様、メディアパートナー様、ビジネスカンファレンスご登壇者様、ご出展社様、3年間誠にありがとうございました。心より深く感謝申し上げます。最後に、下記に1回目開催時と、2回目開催時の様子が分かる動画をご紹介させていただきます。ぜひご覧いただけますと幸いです。

ウーマンズ一同

 

2022年2月開催の様子

2023年2月開催の様子

 

【ウーマンズについて】
ウーマンズは、女性ヘルスケア市場専門のシンクタンクとして「性差に基づいた女性特有のヘルスケア行動・消費・ニーズ」と「産学官動向」の調査分析を基礎業務としている会社です。女性ヘルスケア市場に特化して企業支援を行ってきた豊富な実績と、10年以上にわたり継続的に行っている調査・研究・分析により蓄積した知見・ノウハウを活かして、女性ヘルスケア事業を行う産学官の共通課題である「どうすれば、製品・サービスをもっと社会に流通させられるか?」のソリューションをご提供しております。企業、外部組織、キーパーソン、有識者との幅広いネットワークや、業界への情報発信力も私たちの強みです。事業はビジネスメディア事業/MICE事業/企業向け研修事業/BtoB広告事業。公式HP

 

 

 

 

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