「受動喫煙が健康に影響することを知らない」女性2割、男性3割 東京都調査
東京都は今月5日、受動喫煙に関する意識調査の結果を公表した(受動喫煙対策に関する調査結果について)。都内の20~79歳の男女3,000人(喫煙者・非喫煙者)を対象に受動喫煙について調査したもので、たばこの煙に対する感じ方や受動喫煙による健康被害の認知、受動喫煙を経験した場所などを聞いた。男性の方が喫煙者との接触頻度が高いからか、全体的に男性の方が受動喫煙の経験者は多く、また、たばこの煙を許容できる人も多いことがわかった。一方で女性は、男性よりも受動喫煙が健康に及ぼす影響を認知しており、たばこの煙を許容できる人も少ない。受動喫煙に関する認識について、特に男性側に課題があることが浮き彫りとなった。
たばこの煙の感じ方
- たばこの煙を「不快」と思うのは女性に多く、女性66.6%、男性48.9%
- たばこの煙を「なんとも思わない」のは男性に多く、女性7.3%、男性19.4%
受動喫煙が健康に影響することの認知
- 受動喫煙が健康に影響することを「知らない」のは男性に多く、女性24.5%、男性31.1%
- 受動喫煙が健康に影響することを「知っている」人は、男女ともに年齢が上がるにつれ増える
受動喫煙の経験有無(1年以内)
- 受動喫煙の経験があるのは男性に多く、女性47.1%、男性52.1%
- 女性の経験者は20~40代で5割を超える
- 男性の経験者は20~60代で5割を超える
受動喫煙を経験した場所(屋内)
■女性
- 夜利用した飲食店(29.0%)
- 日中利用した飲食店(23.2%)
- 商業施設(8.2%)
- 職場と駅・空港(6.9%)
- 娯楽施設(4.1%)
■男性
- 夜利用した飲食店(39.2%)
- 日中利用した飲食店(28.5%)
- 職場(13.8%)
- 娯楽施設(13.3%)
- 商業施設(10.7%)
受動喫煙を経験した場所(屋外)
■女性
- 路上(63.4%)
- 駅・空港等(16.1%)
- 日中に利用した飲食店(14.9%)
- 夜利用した飲食店(13.0%)
- 商業施設(11.9%)
■男性
- 路上(52.2%)
- 日中に利用した飲食店(18.6%)
- 夜利用した飲食店(17.5%)
- 駅・空港等と商業施設(13.5%)
- 職場(13.3%)
加熱式たばこの受動喫煙リスク
- 加熱式たばこの受動喫煙リスクにおける認知に、性差は見られない
- 加熱式たばこの受動喫煙リスクは「紙たばこと比べて小さい」と思っている人は、男女全体で50.8%
- 加熱式たばこの受動喫煙リスクは「紙巻きたばこと同レベル」と思っている人は、男女全体で40.4%
- 加熱式たばこの受動喫煙リスクは「ほぼ無い」と思っている人は、男女全体で8.8%
喫煙者は年々減少しているものの、性・年代で差があることが課題で、2022年の喫煙率は女性7.7%、男性25.4%で男性の方が高い(厚労省「2022年 国民生活基礎調査の概況」)。年代別では男女ともに40〜50代で高くなる。この年齢は飲酒量も増える時期で、生活習慣病のリスクとなる量を飲んでいる人が、男女ともに40〜50代で増える。仕事や子育て・介護などのケアワークで多忙になるストレスも一因と見られ、禁煙・減煙や禁酒・減酒においては、多面的な対策が求められる。
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