“肺年齢” が生まれた理由は、年間死亡者数1.8万に上るCOPD(3/3)
認知度向上を目指して 肺年齢測定・COPDの啓発
主要な死亡要因でありながらCOPDの認知度はまだ低い。早期発見や早期治療、予防のためにも肺年齢やCOPDの啓発は重要だ。今日では各地で肺年齢の無料測定会が行われたり、また2002年には世界COPDデーが定められ、さらなる認知度向上が期待される。
肺年齢測定・COPDの啓発
メディアで取り上げられるようにはなったものの、未だCOPDの認知度は低い。「健康日本21(第二次)に関する健康意識・認知度調査」によると「COPDあるいは慢性閉塞性肺疾患という言葉を知っていますか」という問いに対し「意味を含めて知っている」と答えたのは、男性が19.0%、女性で22.1%にとどまった。健康日本21(第2次)では認知度80%を目標にしている。
また世界的にCOPDを啓発するGOLDは、全国各地で肺年齢の測定会を催しCOPDの啓発活動を行っている。無料でチェックできる測定会などを開催し、肺年齢の認知を図るとともにCOPDの実態と影響について広く知らしめている。以下は環境再生保全機構による「肺年齢測定会」を知らせるツイート。
機構がサポートする肺年齢測定会の日程が決まりました!
お近くの方は是非ご参加下さい。7月27日10:00~ 芦屋市保健福祉センター
10月9日13:30~ 赤羽体育館
11月9日10:00~ 備前市総合運動公園
11月30日10:00~ 池袋保健所体験された方にはCOPD啓発クリアファイルを配布する予定です。 pic.twitter.com/qLLPnshkrG
— ERCA 予防事業 (@ERCA_yobou) July 25, 2019
世界的にも主要な死亡原因の一つであり日本でも死亡要因の上位に位置するCOPDの社会的な認知を目指した世界COPDデーは、毎年11月中旬の水曜日に定められている。世界各国ではもちろん日本でも、様々な啓発イベントが開催される。
肺年齢とCOPDの情報が得られるサイト・書籍
団体
日本呼吸器学会
1961年に「日本胸部疾患学会」として設立されたのち1997年に「日本呼吸器学会」と改名。呼吸器病学の進歩を目的として、研究や教育、診療と多岐にわたる活動を行っている。今日では社会貢献も見据えた積極的な呼吸器疾患への取り組みを推進している。
日本呼吸器学会 肺年齢普及推進事務局
日本呼吸器学会の委託のもと運営される、肺年齢に特化した普及推進事務局。肺年齢の基本的な概要や検査結果の見方、使い方などを提示している。
GOLD日本委員会
WHOとNHLBI(米国心臓、肺、血液研究所)の共同プロジェクトのもと、世界中の医療専門家が集い始まった世界的な活動。COPDの認知向上、診断・管理・予防方法の向上、研究の促進を目的として活動している。
書籍
COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン〈2018〉
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