タバコ吸ってると低学歴に見られる?学歴と喫煙率の関係

「タバコを吸う男性の姿ってかっこいい」と言われた時代もあったが、これからは「タバコを吸っている人は、低学歴の証」とジャッジされる時代になるかもしれない。学歴と喫煙率に関する興味深い研究結果がある。(参考:厚生労働科学研究費補助金 健康日本21(第二次)の推進に関する研究  平成27年度 総括・分担研究報告書 「日本における喫煙の学歴格差」(田淵貴大)

低学歴は喫煙率高く、高学歴は喫煙率低い

学歴による喫煙率の格差は世界的に指摘されており既に研究が進められている分野だ。一方で国内においては学歴別の喫煙率を調査した研究はほとんどなく、こちらは貴重な研究結果と言える。若年層ほど、学歴により喫煙率が大きく異なることがわかった。

男女ともに低学歴ほど喫煙率が高く、高学歴ほど喫煙率が低いことがわかる。特に女性の場合は顕著だ。なお年齢の上昇とともに格差は見られなくなるが、これは加齢により健康意識が向上し、すでに禁煙した人の割合が高いことが関係していると考えられる。

 

学歴格差は健康リテラシーの格差

一昨年12月に厚生労働省が発表した「平成26年 国民健康・栄養調査の結果」では「所得が低いほど喫煙している者の割合が高い」ことが指摘されたが、喫煙率の高さは所得格差のみならず、学歴格差も関係していると言える。特に学歴格差に関しては健康リテラシーの格差を生み出している可能性があり、それが高い喫煙率につながっている一つの要因と言えそうだ。

禁煙の成功は本人の危機意識や周囲の協力も重要な要素となるが、喫煙者本人の正確な情報収集力や「喫煙による健康影響」を正しく理解できる力、そして自分の健康への興味関心を持っていることが大前提となる。いわゆる「健康リテラシーの向上」だ。この健康リテラシーの格差を埋めるためには、「真面目で正しい情報」よりも「興味深く受け取れる情報(面白い、ネタになる、インパクトがある、怖い、など)」との接触機会を増やす工夫、ではないだろうか。

 

 

 

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