新型肺炎で機動力ある健康経営を実施、独自ルールでワーカーを守る企業
新型肺炎の感染拡大が収まらない中、機動力のある企業が自社のワーカーを守るための独自ルールや制度を緊急で設定している。特に、人口密度が高く公共機関を利用するワーカーが多い都市部の企業でその動きが目立ち、通勤時、在社時、顧客との打合せ時、といったワーカーならではの感染経路を考慮した感染予防対策や、年齢・健康状態・ライフステージに応じた在宅勤務の推奨など、各社が自社の状況に応じた対策を講じている。これこそが真の健康経営だ。
目次
社員だけでなく派遣・契約スタッフにも配慮(パソナグループ)
人材派遣のパソナグループ(東京・千代田)は、新型肺炎の感染拡大の対策として、新型肺炎対策本部を設置。契約社員・派遣スタッフを含む全ワーカーの安全確保を目的に、2月末日までをめどに以下対策の実施を始めた。
- オフピーク通勤制度
ラッシュアワーを避け、早朝・10・11時出社を認める - プライオリティ制度
50代以上、持病のある人、妊娠中の女性に在宅勤務を推奨 - メディカルコンシェルジュ
新型肺炎を含む健康に関する相談窓口の機能強化 - モバイルカウンセリング
人材派遣・人材紹介の登録面談をモバイルで実施 - 派遣先・委託元企業への在宅勤務の要請
派遣先・委託元企業が在宅勤務を社員に実施する場合、派遣スタッフ・受託従事社員に在宅勤務の実施を働きかける
来客の自粛、打合せはテレビ会議で(マナラ化粧品)
オリジナル看板商品の「ホットクレンジングゲル(マナラ化粧品)」を販売する株式会社ランクアップ(東京・中央)は、自社ワーカーや顧客の安全確保を目的に、今月3日から17日まで働き方の変更、来客・出張・イベントの自粛、ワーカーと来訪者へのマスク着用促進などを行う。
- 通勤ラッシュを避ける対策
ラッシュアワーを避けて通勤・仕事ができるよう、通常の勤務時間である8:30~17:30を、朝5時〜22時の間で変更可。他、テレワーク勤務や休暇の奨励 - 出張禁止自粛
やむをえない場合以外は出張を自粛する - 来客の自粛
来客を自粛しTV会議の打ち合わせに切り替える - 社内外での従業員のマスク着用と、来訪者へのマスク着用を必須
- WHOの「終息宣言」まで中国全土への渡航禁止
- 社内で実施予定だった、客の招待イベントを全て中止
健康ではない人・妊娠中の出社は認めず。社内は徹底した予防対策(GMOインターネットグループ)
新型肺炎の感染拡大で早期に在宅勤務を実施するなど、ワーカーを守るために素早い対策を講じたことで「英断」と称賛されたGMOインターネットグループは、今月10日、感染リスクの長期化に備えた体制へ移行することを決めた。在宅勤務は継続するとした上で、やむを得ず出社が必要な場合に備え、出社時と在社時の感染予防対策を講じることとした。ただし、出社が認められるのは本人の体調・健康状態が良好であることが条件で、本人やその家族が妊娠中であったり持病がある場合は、健康状態に関係なく、出社は認められない。また、来訪者をサーモグラフィーで検温するなど水際対策にも万全の体制をとり、同社の徹底した取り組みぶりは非常に参考になる。ワーカーを第一に考えるその企業の姿勢に、世間での好感度はまた一気に上がったはずだ。
■出社時の感染予防対策
- 通勤時における感染リスクの回避
・時差通勤
・時差通勤と在宅勤務の組み合わせ
・シェアオフィスの利用
・土日の出社による混雑回避
・混雑回避ルートの選択
・自転車通勤
・直行、直帰
・徒歩出勤(なお、移動時間は勤務時間に含める)
・タクシーの利用(法人契約、相乗り推奨) など - 会社が指定する防護マスク「N95」を着用
■在社時の感染予防対策
- 手洗い、うがい、マスク着用の正しい手法、ウイルスを避ける方法の指導
- 執務スペースの入室前に、手洗い・うがい・検温の「入室前チェック」を
行う(適所への消毒液・うがい薬の設置) - ワーカーが集まる場所への、浮遊ウイルスの除去も可能な殺菌効果のある加湿・空気清浄機の設置
- サーモグラフィーによる、来客時の検温体制
- エレベーターなどの消毒による接触感染対策
- ハンドドライヤーの利用禁止とペーパータオルの設置
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