【自殺予防月間】自治体の取り組み1,020のうち、工夫を凝らした6事例を厳選

3月は「自殺対策強化月間」。厚労省をはじめ、関係府省庁、自治体、関係団体などが自殺防止に向けたさまざまな取組みを実施する。メンタル不調や大量飲酒、人間関係やお金のトラブルなど、自殺の危険因子に焦点を当てた取り組みが多く、講演やパネル展示、法律相談、健康相談の周知などが目立つ。「ロックバンド」と「講演」という異質のコンテンツを組み合わせることで、子どもたちの関心を集める珍しい取り組みも。編集部が、全国の自治体の取り組み1,020事例をチェックし、中でも、工夫や多様な視点が盛り込まれた6事例をピックアップした。

実施する自治体が多い取り組み

  • 自治体の広報誌やリーフレット、HP、SNSで相談窓口の周知
  • 図書館の一角に特設コーナーを設置し、メンタルヘルスに関する図書の展示や、自殺予防パンフレットや啓発グッズを配置
  • 庁舎や市民ホール、保健福祉センターで睡眠・うつ病・メンタルヘルス・自殺対策に関するパネル展示
  • 庁舎や図書館、交流施設に自殺予防を啓発するのぼり旗を掲揚
  • ラジオを通して自殺対策強化月間の周知
  • 中学校や高校で、相談窓口案内のカードが入ったポケットティッシュを配布
  • 睡眠、うつの予防、セルフケアに関する講演会の開催
  • 自死遺族の相談会や交流会の実施
  • 弁護士による法律相談、保健師による健康相談の実施
  • 庁舎や駅、橋のライトアップ
  • 公用車に啓発用のマグネットを貼付し、一般市民へ啓発
  • 友達や家族の話を聞き、必要な支援に繋げる「ゲートキーパー」養成講座の実施

 

工夫や多様な視点を盛り込んだ取り組み、6選

講演×音楽ライブ(北海道・札幌)

自殺防止を啓発する講演と、命の尊さを歌うロックバンドによる音楽ライブを組み合わせたイベントを開催3/5。講演の単独開催よりも、音楽ライブと組み合わせる方が聴講者の心を掴めるようで、実際に、歌詞に込められたメッセージに共感する声が多いという。2022年に始めた取り組みで、これまでに小中高校を中心に36校で実施。2024年度も既に10校以上から実施依頼があり、市内で着実に広がっているという。以下動画は、音楽ライブで歌われた1曲。

 

電車内で啓発動画を配信(埼玉)

電車内のデジタルサイネージで、体と心の限界サインについて考えさせる自殺予防の動画を放映。体と心の限界を、コップに溢れる水で表現した。動画の最後では、相談先の電話番号を表示3/4~10

 

アンガーマネジメント講座(兵庫・姫路)

怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」の講話を、YouTubeで配信3/1~3/31。自分自身や対人関係のストレスに上手に対処できるようになることで、自殺の危険因子になり得るメンタル不調の防止に繋げる。

 

大学5校と共同でイベント開催(京都)

京都府は3月1日を「京都いのちの日」と定めており、今年は市内の大学5校と共同で命について考えるイベントを市内のイオンモールKYOTOで開催。自分を理解する心理テストや臨床心理士に愚痴を聞いてもらう傾聴体験会の実施、学内で募集した1人1人の「愚痴」や「願い」などの心の声を集めたメッセージボードも展示3/1

【画像】京都市

 

ポケットティッシュからストレスチェック啓発(岐阜・多治見)

岐阜県多治見市が住民にweb上で提供しているストレスチェックシステム「こころの体温計」を、ポケットティッシュの配布を通じて周知3/8。スマホやパソコンなどで簡単な質問に答えると、ストレス度や落込み度など、今のこころの状態をチェックできる。

 

講演会「お酒の飲みかた大丈夫ですか?」(愛知・岡崎)

アルコール依存症や大量飲酒などアルコールに問題を抱える人は自殺リスクが高いことから、適正飲酒の大切さや依存性など、アルコールに関する正しい知識を学ぶ講演会を実施3/21

 

 

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