低所得女性の不健康行動が明らかに 国民健康・栄養調査

厚生労働省は先月、平成30年の国民健康・栄養調査の結果の概要を公表した。「所得と健康習慣の関係」を重点項目とした今回の調査では、低所得者(年間所得200万円未満)は高所得者(年間所得600万円以上)と比べ、習慣化している不健康な行動が多いことが明らかとなった。以下が低所得女性に特徴的に見られた項目。

  • 野菜摂取量が少ない
  • 果物摂取量が少ない
  • 歩数が少ない
  • 習慣的に喫煙している割合が高い
  • 睡眠による休養が十分とれていない割合が高い
  • 健診未受診者の割合が高い
  • 歯の本数が20歯未満の割合が高い

また食生活に関する調査では、低所得者に以下の特徴が見られた。

  • 食品を選択する際に「おいしさ」「栄養価」「季節感・旬」を重視する者の割合が低い
  • 「主食・主菜・副菜を組み合わせて食べている食事の頻度」が低い
  • 肉類、乳類の摂取量が少ない
  • エネルギー摂取量が少ない

調査では「主食・主菜・副菜を組み合わせて食べている食事の頻度が低い理由」についても聞いており、「食費の余裕がない」との回答が上がった。これは弊社ウーマンズが女性生活者の食事日記を継続的に観察した際にも明らかになっており、所得が少ない女性の場合、少量・低価格でお腹をいっぱいにできる炭水化物だけで食事を済ませる傾向が見られた。例えば、自炊で一人分の主菜1品(肉料理や魚料理などたんぱく質系のおかず)と副菜2品(サラダやおひたし、煮物など)を揃えるためにはさまざまな食材を買い揃える必要があるが、インスタントラーメンや菓子パンなどの高カロリー食品であれば、100〜200円程度でお腹を満たせる。低所得者の場合、栄養バランスが悪いとわかっていても極端に炭水化物に偏るのはそういった経済的な問題も絡んでいる。

情報リテラシーの格差、ヘルスリテラシーの格差、都市部と地方の医療格差、食習慣の地域差などを背景に国内の健康格差が近年になり指摘されているが、経済的理由を起因とする健康格差の場合、その対策は非常に難しい。シングルマザーであれば子どもの健康も脅かされるため問題はさらに深刻だ。官民による具体的な支援策が待たれる。

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