ヘルスケアベンチャーの基礎知識 サミット・業界知識・注目ベンチャー(3/3)

注目のヘルスケアベンチャー企業

FiNC Technologies

予防ヘルスケア×テクノロジー(AI)に特化。2017年1月にAIを活用したウェルネス・ヘルスケアアプリ「FiNC」の開発に向けて、未来創生ファンドや明治安田生命保険相互会社、ロート製薬株式会社などから20億円超の資金調達を実施した。その後2018年7月にはアプリが200万ダウンロードを達成。2018年9月には帝人フロンティアと業務提携しAIおよびセンシングを活用した睡眠プロジェクトを始動するなど、大手企業との提携や開発も活発に行っている。

カケハシ

経済産業省が次世代のヘルスケア産業の担い手の育成を目的に開催する「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2019」のグランプリを受賞。調剤薬局における薬剤師に対し服薬指導を支援するツールである「Musubi」の提供によって患者の健康意識を高める事業コンセプトが評価された。

トリプル・ダブリュー・ジャパン

ジャパン・ベンチャー・アワード2019」で中小機構理事長賞を受賞。排泄を予測するデバイス「DFree(ディー・フリー)」を展開。日本・アメリカ・フランスで、介護施設向けのサービスおよび個人向けのサービスを提供する。アメリカ・ラスベガスで開かれる世界最大級の電子機器展示会「CES 2019」でCES「Innovation Awards」、IHS Markit「Innovation Awards」およびEngadget「Best of CES」の3つのアワードを受賞した。

出典:トリプル・ダブリュー・ジャパン

サイフューズ

「ジャパン・ベンチャー・アワード2019」で中小機構理事長賞を受賞。再生医療等製品のシーズや創薬支援ツールの開発、細胞版3Dプリンタを手掛けている。

ハルメクベンチャー

シニア女性に大人気の生活情報誌「ハルメク」が立ち上げたベンチャー。50歳以上の女性が元気になることで日本が元気になるとの理念の下、〝自宅で受けられる人間ドック〟をテーマとした「おうちでドック」などのサービスを展開している。ヘルスケア商品・サービスに加え、そのデータを活用する事業を行う。

サイマックス

Forbes JAPANとウェブマガジン「EL BORDE」から「EL BORDE特別賞」を受賞。ヘルスケアloT装置を活用しプラットフォームを開発する。トイレにセンサーを取り付け、いつもの通り排尿をするだけでアプリに分析結果が届く。日常の行動を検査のために変える必要がないという利便性を提供している。

医療4.0

2018年6月に発売された書籍「医療4.0」は第4次産業革命時代における医療の姿を描き、話題となった書籍。著者は加藤浩晃氏。新しいテクノロジーを医療現場で活用していくことで、個別化が進むと予測する。テクノロジーで課題解決を目指す医師30人のインタビューも掲載されている。その中にはヘルスケアベンチャーの起業家でもある医師が数多く登場している。

医療4.0 (第4次産業革命時代の医療)

アメリカの注目ヘルスケアベンチャー

アメリカで注目を集めているベンチャーの一つにヘルステック企業がある。2018年のデジタルヘルス・スタートアップ資金調達額でトップにランキングされるペロトン(Peloton)はフィットネスバイクの開発を手掛けている。血液検査によってがんを早期発見するグレイル(Grai)やコンピューターによって冠動脈疾患診断を支援するハートフロー(Heartflow)など、検査・診断支援も多額の資金を調達したと報道されている。コンシューマーへのサービス提供会社もある。Viomeは栄養バランスの提案をするベンチャー企業。検査キットの結果から栄養バランスを考えサービスを提供する。

以下は注目のヘルスケアベンチャーに関する詳細情報。

環境整いつつあるヘルスケアベンチャー支援

欧米に比べベンチャー企業の育成支援策が少ないといわれてきた日本だが、前述したとおり、「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット(厚労省)」や「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト(経産省)」が開かれ、ベンチャー企業がベンチャーキャピタルと出会い、資金や採用面などで包括的な支援を受けやすい環境は整いつつある。

ヘルスケアベンチャー企業の特徴としてはAIと介護情報を組み合わせるウェルモ社などのように、ヘルスケア領域とIT領域の融合によって新たなサービスを創出するケースも数多く、異業種企業とベンチャー企業との協業も多くなっている。各種イベントや支援策はこうした協業につながる出会いの場としても機能を果たしている。

自社をアピールする場や情報収集の場、交流の場は数多く用意されている。既存のベンチャー企業がこうした情報にアクセスすることも有用であり、これからベンチャー企業を立ち上げる計画のある人はまずは本稿で紹介したイベントに参加してみてはどうだろうか。

 

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