世界最高のデジタルヘルス企業、日本のヘルスケアベンチャー4社が選定
「世界最高のデジタルヘルス企業(World’s Best Digital Health Companies 2024)」に、日本のヘルスケアベンチャー4社が選ばれた。米ニュース情報誌Newsweekと世界の統計データ等を提供する独Statistaが今年初めて共同で発表したもので、ヘルスケア業界で主にデジタル製品やデジタルサービスを提供する400社の企業が世界35か国から選出された。
世界のデジタルヘルス市場が2028年までに2,750億ドル(約43兆円)に達すると予測される中で、いかに信頼性のある企業を見分けるかを同社は重要視しており、今回の結果をすべての医療関係者や患者に役立ててほしいとしている。選出にあたっては、財務実績やウェブサイトやアプリのトラフィックデータなど、複数の分析に基づいて各企業をスコア化。さらに各企業の製品やサービスの影響、経営陣の専門知識に関するデータも参考にした。選出された日本の4社は、7つの市場セグメント(データ分析、診断、健康記録、医療管理、予防、遠隔医療、治療)のうち、それぞれ遠隔医療、治療、診断、予防の分野で選定された。
Allm(遠隔医療分野)
医療ICTソリューションを開発・提供。医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」は、医療関係者がコミュニケーションできるアプリで、脳卒中などの急性期疾患を扱う診療科などに導入されている。海外でも広く活用されており、累計32か国の医療機関で導入の実績がある。ディー・エヌ・エーの子会社(HP)。
CureApp(治療分野)
医療現場で医師が患者に処方する治療アプリを研究開発・製造販売する医療機器メーカー。2020年に禁煙治療アプリ、2022年4月に高血圧症治療アプリが保険適用された。そのほか、NASH、減酒、がん、慢性心不全、慢性腰痛症など複数の疾患の治療アプリの開発を進めている(HP)。
Ubie(健康記録分野)
症状検索エンジン。気になる症状がある時に、アプリ・Webから約20の質問に回答するだけで、病名や病気に関する情報、近隣の医療機関を無料で調べることができる。サービスの開発には50名以上の現役医師が携わり、約5万本の医学論文に基づいた3,500以上の症状と1,100以上の病名に対応する。2024年5月時点で、月間利用者数1,000万人を突破。今後は症状が出た時のみならず、受診・治療・健康時に利用できる「パーソナル健康管理プラットフォーム」として、新たな健康インフラを目指す(HP)。
FiNC(予防分野)
体重、歩数、食事、運動、 睡眠、生理などの情報を記録できるヘルスケアアプリ。アプリで取得したライフログデータを分析し、ユーザーの健康管理や健康アドバイス、健康チャレンジプログラム等を個々に提案する。2023年11月時点で累計1,200万ダウンロードを達成した(HP)。
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