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あすか製薬×asai、人工経血を用いた生理研修プログラム 法人向けに提供開始 男性はナプキンを装着

あすか製薬と、経血検査事業のスタートアップ asai(東京・港)が、法人向けの体験型生理セミナー「月経ラボ」の提供を11月に開始した。あすか製薬が2023年から法人に提供している、女性の健康に特化した動画研修サービス「フェムナレッジ」と、asaiが開発した人工経血を組み合わせたプログラムで、職場の相互理解と健康経営を支援する。

月経ラボ ~月イチの“モヤモヤ”~

【出典】あすか製薬

 

あすか製薬はこれまで、のべ13万人の企業従業員にフェムナレッジを提供してきた。一方で、受講は従業員個々の意思に委ねられることが多いため、「自発的に視聴させるのは難しい」といった課題も聞かれた。そこで、受講率向上や研修の自分ごと化を促進しようと、以前から生理体験を法人などに展開してきたasaiと共同で、新たにプログラムを開発した。

プログラムは、「講義」「体験」「ディスカッション」「研究成果レポート」の4部で構成。講義では、産婦人科専門医が監修した「フェムナレッジ」による動画を用いて、女性特有の健康課題を理解してもらう。体験のパートでは、男性には、人工経血を含ませたナプキンを実際に装着してもらい、歩いたり座るなどして生理中の不快感や漏れの不安を体験してもらう。女性には、過多月経の状態を人工経血で再現したナプキンを見せて、自身の経血量と比較してもらう。過多月経は子宮筋腫などが隠れていることもあり、医療機関での受診が必要なケースもあるが、女性の多くは他人のナプキンと比較する機会がないため、異常に気づきづらい。視覚で過多月経を理解してもらうことで、医療機関受診のきっかけに繋げるのが狙いだ。体験後は、生理と働き方の課題など普段は話しづらいテーマを取り上げ、参加者同士でディスカッションをする。当日の様子は、後日レポートにまとめて受講企業に提供する。

 

月経ラボ ~月イチの“モヤモヤ”~

【出典】あすか製薬

 

体験型コンテンツのメリットは、社内・部署内・チーム内で会話が生まれる点にあるという。あすか製薬のフェムテック事業推進室の三谷ちひろ氏は、「複数人で体験しながら受講することで、女性の健康や職場づくりについて、個々が主体的に考えたり自分ごと化できるようになる」と話している。同社は今後、体験型コンテンツのラインナップ拡充と合わせ、新たな価値創出に向け、多様なヘルステック企業との連携を進めたいとしている。

 

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