Society 5.0(ソサエティ5.0)とは?実現可能なことと製品・サービス事例(1/3)

情報社会の次にやってくる新しい社会「Sciety5.0(ソサエティ5.0)」とはどのような社会のことをさし、それによりどのような未来社会がもたらされるのか?Society5.0の概念やSociety5.0で実現されることなどの基礎知識と合わせ、各分野におけるSociety5.0の活用事例をわかりやすく解説。

「Society 5.0(ソサエティ5.0)の基礎知識」

Society 5.0(ソサエティ5.0)とは

Society5.0とは、国内の科学技術政策を実行する基本計画として内閣府が2016年1月に発表した「第5期科学技術基本計画」の中で提唱されている日本が今後目指すべき新しい社会の姿のことで、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義している。もっと簡単な言葉に言い換えるなら、仮想空間と現実社会を高度に融合した「超スマート社会」のこと。近年急速に進む第4次産業革命のイノベーションをあらゆる産業や場面に社会実装していくことで、人々の生活を豊かにしながら社会問題を解決していくことを目標としている。

Society 5.0(ソサエティ5.0)が目指すもの

Society5.0の概念やSociety5.0が目指すビジョンを理解するには、それ以前の我が国の社会の姿の変遷を合わせて理解するとわかりやすい。人間社会は、いくつかの変革を経て現代に至っており、各段階をSociety1.0〜4.0で捉えると次のようになる。

  1. 狩猟時代の社会=Society 1.0
  2. 農耕社会=Society 2.0
  3. 工業社会=Society 3.0
  4. 情報社会=Society 4.0

インターネットの普及、パソコンやスマホの普及、情報技術の高度化によって到来した情報社会=Society4.0がここ数十年の社会の姿で、それに続くこれからの社会がSociety5.0となる。Society4.0と5.0の違いをわかりやすい表現で大別するなら、膨大な情報にアクセスして入手・分析するのが「人」なのか「AI(人工知能)」なのかという点。これまでは、「人」がサイバー空間(仮想空間)にあるデータベースにインターネットを使ってアクセスし、情報を入手し分析してきたが、Society5.0では、フィジカル空間(現実空間)からサイバー空間(仮想空間)に集められた情報をAIが解析し、その解析結果が人間にフィードバックされる。Society5.0 はICTやIoT、AIなどの高度な先進技術を活用する社会ということになる。

Society 5.0

出典:内閣府「Society 5.0 」

これにより人々が受ける恩恵は大きく、さまざまな社会課題を解決することが期待されている。情報の取捨選択を例に考えてみよう。インターネットの普及で誰もが簡単に情報にアクセスできるようになったが、一方で、適切な情報にたどり着くためのリテラシーは個々によってまちまちで、さらに溢れる情報から必要かつ正しい情報を見つけて分析するのには大変な労力を必要とする。Sosiety5.0ではAIの活用により必要な情報が必要な時に提供されるようになる。

もう一つ、少子高齢化・地方の過疎化を例に考えてみよう。人口が減少し少子高齢化が進む日本において、特に地方の高齢化と過疎化が問題になっている。「買い物難民」という言葉で知られるように、過疎化が進む地方では、スーパーの閉店や交通機関の廃止などで買い物に困難を感じる人が増えており、とりわけ山間部に住む人や、高齢者や障がい者などの移動弱者にとっては死活問題となっている。Society5.0では、例えばドローン(小型無人機)による配送で買い物難民の生活を支えるとともに、配送会社のドライバー不足や長時間労働を是正する。自動運転が広がることで、後期高齢者でも免許返納を求められることなく生涯運転することも可能になるだろう。

このようにSosiety5.0の社会では、少子高齢化や地域格差、貧富の差、情報格差などによりもたらされるさまざまな社会課題を解決し、人々が快適に暮らせるようになる。Sosiety5.0は日本政府が今推し進める重要施策の一つだ。

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