ダブが炎上、ルッキズムに異を唱えるはずだった広告キャンペーンにSNSで批判殺到
10月11日は「国際ガールズ・デー」。少女をエンパワーメントする国際的な記念日に合わせ、ユニリーバのパーソナルケアブランド「ダヴ(Dove)」が、ルッキズムに異を唱える広告キャンペーンを開始した。だがSNSでは批判が殺到、物議を醸している。
広告キャンペーンは、今月7日から渋谷駅にサインを掲出して実施。「中顔面6.5cm」「遠心顔/求心顔」「出目」など、いわゆる“かわいい基準”として用いられる言葉に、「#かわいいに正解なんてない」というコピーを添えることで、女性たちをルッキズムから解放しようというもの(画像左上)。同社が挙げる”かわいいの基準”は、例えば以下。
- 中顔面6.5cm
目の下から唇までの長さのこと。小顔かどうかを判断する基準 - 遠心顔/求心顔
黄金比に対して顔のパーツがずれていることを表す言葉 - 出目
眼球の位置が比較的前にある目のこと - 顔の大きさ17cm
顔の大きさが17cm以下だと小顔であるという通説 - スぺ110
(身長)-(体重)の数値。痩せているかどうかの基準とされている - 人中短い
鼻と上唇の間にある溝の部分のこと。溝の長さがカワイイかどうかに影響すると言われている - 目と目の間が4cm
離れ目かどうかを判断する基準 - Eライン
鼻と顎をむすぶ直線のこと。横顔の美しさの基準とされている - サイギャップあり
太ももの間に生まれる隙間のこと。美脚の基準とされている - バッカルコリドーなし
笑ったときなどに口角と歯の隙間に見える影のこと。いい笑顔の基準とされている
公式X(旧Twitter)では7日に、渋谷駅での掲出を開始したと投稿。だが、途端に批判の声が殺到。瞬く間に炎上した。
- 「かわいいに正解なんてない」と言っておきながら、結局「かわいいの正解」を出している
- ”かわいくない”の定義がわかった
- 「中顔面が長い」「人中が長い」「遠心顔・求心顔」「奥目」は”かわいくない”ってことを、逆に発信している
- 自分が知らなかった”かわいい基準”を知る羽目になった。知りたくなかった
- ルッキズムを助長している
- 知らなくても良かった単語を、わざわざ言語化しないでほしい
- “これが一般的な美である”ということを伝えたいのか?
- 知る必要のない、くだらない価値観に基づいた言葉
- 「出目」って初めて知った、嫌な言葉
- 普段SNSをよく見ている自分でも知らない言葉がたくさんあった
- この広告を通学中見たら泣いてしまう、逆効果
- Doveの商品使ってもなんの改善にもならないのに
- 若い子のルッキズムを助長することに、ダブは問題を感じていないのか?
- なぜ、これを企画した部署内で「GOサイン」が出た?
同社は今回のキャンペーンに際し、16~19歳の女性に「容姿や体形に関するアンケート」を実施。その結果、8割以上の女性が何かしらのきっかけで自分の容姿や体形に自信が無くなった経験があると回答しており、その理由の第一位が「SNSを見ている時」だった。
このような結果から同社は、SNSを中心に現代社会にあふれる画一的な“かわいい基準”によって、女性たちの自己肯定感が下がっていることを問題視。それを否定する広告を掲出することで、“かわいいに正解なんてない”ことや美の多様性に気づかせ、自分の容姿に自信を持ってほしいという思いがあった。だが、”かわいい基準”を具体的に言語化したことで、かえって”かわいい基準”を強調してしまうこととなり、裏目に出る結果に。
編集部が同社への取材で掲載に至った背景と今後の対応を尋ねたところ、「不快な思いをした方には大変申し訳なく思っている。公式の回答は控えていて、今後の対応に関しては確認中」とのこと。以下はキャンペーン動画。
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