女性ヘルスケア市場の最新動向 フェムテック
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ユーザーの9割は女性、僧侶が答える相談サイトが人気の理由

ハスノハ(hasunoha)は、お坊さんが回答してくれる人気の相談サイト。仏事に関する質問が投稿されているのかと思いきや、サイトを覗くと、子育て、家族・人間関係、仕事、お金、生き方などについて後悔や懺悔をしたり人生に悩む人たちからの投稿が多く、中には「(亡くなった)母に会いたい謝りたい話したい」「大好きな夫を殺してしまいそう」「自殺します」「産むと決めたのに」「生きているのが怖い」など、深刻でセンシティブな投稿も。ユーザーの9割は女性で、サイト運営者によると、投稿される質問内容は「現代女性がストレスを強く感じる事柄が多い」という。

相談内容は、人生の苦難

ネット企業に勤めていたウェブプロデューサーが東日本大震災を機に2012年に開設したのが、ハスノハ。その後、テレビの情報番組などの紹介を経て人気サイトへと成長した。

現在は全国で288名のお坊さんが回答者として登録。ユーザーは会員登録をすると質問を投稿できる。相談できるカテゴリーにはもちろん仏事もあるが、相談相手がお坊さんということもあり、それ以外の人生全般に関する質問の方が圧倒的に多い。例えば次のカテゴリーで相談ができる。

  • 生き方・心構え(煩悩、因果応報、病気と向き合う、看病、老後、孤独と向き合う、幸せになりたい、等)
  • 生きる意味(死にたい、生きるのが辛い、虚無感、自分を認めてもらいたい、人生に疲れた、等)
  • 自分の心・体(うつ病、中絶・堕胎からの救い、依存症、過去のトラウマ、罪の意識、感情のコントロール、等)
  • 怒りを抑える(亡くなった人をまだ許せない、恨み・憎しみが消えない、復讐、等)
  • 不妊・出産・子育て(不妊の悩み、子どもとの関係、子どもを産むことの悩み)
  • 老死病(老い、介護、認知症、がんと向き合う、身近な人の死・自殺、等)
  • 嫉妬・蔑み(嫉妬・人の幸せを喜べない・不幸に喜ぶ、等)
  • LGBT・同性愛
  • 世の中・自然(事件、犯罪、災害、風潮、等)
  • 社会・学校・働く(仕事の悩み、マタハラ、失業、将来が不安、ひきこもり、等)
  • 学校・職場関係(学校・職場に馴染めない、人間関係、パワハラ・セクハラ、等)
  • 他人・友人関係(友だちとはなんだろう、人が嫌い・怖い・苦手、ストーカー、許せない、SNS、等)
  • 恋愛相談(結婚に不安、不倫、愛されたい、浮気、DV、等)
  • 夫婦関係(夫が嫌い、夫の酒癖が悪い、子育て協力、結婚生活が辛い、夫婦の会話がない、等)
  • 家族関係(義理の親との関係、実家のこと、家族とは、親の不仲、等)
  • 運命・見えない力(亡くなった・死んだ人の夢、不幸が続く、等)
  • 仏教・お坊さん(輪廻転成、宗教について、悟りについて、念仏について、仏教全般、等)
  • お寺・行事・お参り
  • 冠婚葬祭

Yahoo!知恵袋にはないハスノハの魅力

質問・相談サイトと言えば、圧倒的知名度を誇るのは「Yahoo!知恵袋」や「発言小町(読売新聞社)」。ユーザー数も格段に多く、ひとたび質問をすれば数十人・数百人からの回答を得ることもできる。相談者としてはいろんな人の多様な意見を聞くことができるのだから、回答が瞬時に集まる大手の質問サイトの方が利便性が高くありがたい。そんな中、あえてハスノハで相談する女性たちの心理は何なのか?

質問者の相談内容や、回答をしてくれたお坊さんへのお礼投稿を見ていると、仏門に入ったお坊さんならではの”精神世界”の視点で教え導かれたいという心中を読み取れる。

相談内容には、病気・自殺で亡くなった身近な人の死、希死念慮、妊娠への後悔、特定の人への恨み・報復の思いなど、慎重な回答が求められる重い質問が多い。このような質問の場合、一般的な質問サイトでは一喝されたり攻撃される場合もあり、救いを求めていた質問者が返って追い込まれるケースもある。命を危険にさらす可能性も無いとは言えない。

一方で、ハスノハで回答するお坊さんの回答には優しさと愛が溢れ、自分と丁寧に向き合ってくれている印象を回答者に与える。お坊さんからの回答内容に涙する相談者もいるようだ。

以下は、近日の自死を決意したある女性の投稿に対するお坊さんの回答。女性の投稿は緊迫感ある内容だが、希死念慮を否定することなく、説教もしない。質問者の心にそっと寄り添うお坊さんの姿が目に浮かぶ。

聞かせてくださり、ありがとうございます。

あなたの決意も尊重したいと思いますが、もう怖くて泣くことはありませんか?ここでは、質問や相談ではなかったんだよね。あなたが伝えたいことを、大事に聞かせてもらいますね。

今までいっぱい 辛いことも悔しいこともあったでしょ。経験された一つひとつが、こうして言葉に紡がれるまでに、どれだけの葛藤があったのかなと思っています。ご家族との時間が、一番の宝物なんだね。あなたは、ひとりじゃないってことかしら。

私もこうして、あなたに出会えてよかったわ。あなたの想いを、大事に読ませてもらいます。たくさん、聞かせてほしい。繋がっていたいわ。source

 

サイト運営者によると、希死念慮のある投稿をする人の中にはうつ病や統合失調症などの精神疾患を患っている人がおり、一刻を争うケースもあるという。このことから、回答するお坊さん側も精神医学や精神疾患について学ぶ必要性を感じ、お坊さんを対象に仏教と精神医学を組み合わせたセミナーを開催している。

 

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