「健康寿命」よりも大切、寿命の新しい指標は「○○寿命」
平均寿命の延伸により誕生したキーワードが「健康寿命」。そして、健康寿命が広く知れ渡ったことで、新たに生まれたのが「幸福寿命=幸せを感じる期間」。
例え平均寿命も健康寿命も延ばすことができたとしても、幸せを感じながら長生きできなければ“苦痛な人生”に。との考えから「幸福寿命」を提唱するのは、慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 教授の伊藤裕さん。伊藤さんは、2019年6月に開催された第19回日本抗加齢医学会総会の会長挨拶で次のように述べている。
「平均寿命(生命寿命)」と、自立して生きられる期間、「健康寿命」の格差はほぼ10年間あり、その差は一向に縮まる様相がありません。(中略)わたしは、100年生きる私たちの人生は、今後大きく二極化していくのではないか、と考えています。100歳まで生き生き溌溂と生活し、115歳の天寿を全うする人たちと、アップアップで、100歳まで何とかたどり着き、周囲の人の介助で辛うじて生きながらえる人たち。幸せな100年人生と、不幸せな100年人生。それを分けるものは一体何なのか?「死ぬまでずっと幸せでいたい」それが、私たちの究極の願いではないでしょうか?私は、この考えから、最近もう一つの寿命の次元として、「幸福寿命」を提唱しています。(引用:第19回日本抗加齢医学会総会「会長挨拶」)
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