精神疾患で離職・休職する学校教員、過去最多

精神疾患を理由に“離職”した小中高校の教員が過去最多を更新したことが、7月末、文科省の「学校教員統計調査」でわかった(2022年度中間報告。確定値は2024年3月に公表予定)。長時間労働や人手不足、生徒や保護者との人間関係、業務の偏りなどが背景にある。

調査は、教員の属性や採用・離職の実態などを明らかにするもので、3年ごとに実施。2021年度に精神疾患を理由に“離職”した公立の小中高の教員は、953人(小学校571人、中学校277人、高校105人)。調査を始めた2009年度から、小中高いずれも過去最多だった。

精神疾患による“休職”も増えており、文科省が昨年末に発表した別の調査「公立学校教職員の人事行政状況調査(2021年度)」では、2021年度に精神疾患が原因で“休職”した教員は5,897人で、過去最多だった。学校別では“離職”と同様に“休職”も、最多は「小学校」の教員で、男性より女性に多かった。内訳は以下。

■学校別

  • 小学校 …2,937人
  • 中学校 …1,415人
  • 義務教育学校 …21人
  • 高等学校…742人
  • 中等教育学校…10人
  • 特別支援学校 …772人

■男女別

  • 女性 …3,491人
  • 男性 …2,406人

■年代別

  • 20代 …1,164人
  • 30代 …1,617人
  • 40代 …1,478人
  • 50代 …1,522人
  • 60代 …116人

文科省は、対策として「メンタルヘルス対策」「勤務時間管理などの働き方改革」「生徒間トラブルなどに対する法務相談体制の充実」「公務災害補償の認定請求の迅速化」を挙げている。

 

 

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