男性の育休取得率、17%で過去最高に 女性は80.2%
厚労省が7月末に発表した令和4年度 雇用均等基本調査によると、育児休業取得率は女性が80.2%、男性は17.13%で前年から3.16ポイント増え過去最高となった。調査は2022年10月1日時点で常用労働者5人以上の3,339事業所の回答を集計したもの。
男性の育児休業取得率を産業別に見ると、「金融業・保険業」が最も高く37.28%、次いで「医療・福祉」25.99%、「生活関連サービス・娯楽業」25.53%となった。最も低かったのは「卸売業・小売業」で8.42%。
- 金融業、保険業…37.28%
- 医療、福祉…25.99%
- 生活関連サービス業、娯楽業…25.53%
- 情報通信業…24.58%
- 学術研究、専門・技術サービス業…23.38%
- 運輸業、郵便業…19.58%
- 教育、学習支援業…19.30%
- 製造業…18.60%
- 複合サービス事業…18.02%
- 鉱業。採石業、砂利採取業…16.95%
- 建設業…15.49%
- 不動産業、物品賃貸業…12.99%
- 電気・ガス・熱供給・水道業…12.53%
- サービス業(他に分類されないもの)…11.36%
- 宿泊業、飲食サービス業…9.06%
- 卸売業、小売業…8.42%
政府が6月に発表した「子ども未来戦略方針」では、男性の育休取得率の目標を2025 年までに民間企業で50%、2030年までには85%に引き上げると明記したが、目標までには大きな開きがある結果となった。
一方で、今年4月から従業員1,000人を超える企業に男性の育休取得率の公表が義務されたことを受け、同省が行った別の調査では、回答をした1,472社の男性の育休等取得率は46.2%で、目標到達まで5%を切っている。課題は中小企業をはじめとした1,000人未満の企業の取得率向上だ(厚労省「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査(速報値)」)。調査では、育休取得率向上に向けた取組によって、「職場風土の改善」や「従業員満足度・ワークエンゲージメントの向上」「コミュニケーションの活性化」などの効果が得られることもわかった。また、取組が育休の取得を希望している当事者だけではなく、他の従業員のワークエンゲージメントや人材確保といった企業全体へも好影響を及ぼしている可能性があるとした。
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