「女性の健康課題」と向き合う大木HC 、メディカル視点で課題の本質を追求
女性の健康課題の解決を目指す、いわゆるフェムケアが提唱されてから約6年。若い世代を中心に言葉の認知は進んだが、それを反映した売場づくりは道半ばだ。 早くからフェムケアの啓発に取り組んできた大木ヘルスケアホールディングス株式会社の市川恭子さん(C&V事業部長)は、「トレンドに流されることなく課題の本質を追求することが重要」と語り、今年は同社が得意とする“メディカル視点”の提案を通じ、課題の根本解決に取り組む(文責=八島 充)。
本質的な活動とは何か?
緩やかながら着実に拡大しているフェムケア市場。2025年は380億円で推移し、2026年には388億円に達すると予想されている。近年の動向について市川さんは、「市場創造を狙うプロバイダーの参入は一服し、確実に社会貢献ができる商品・サービスと、それに付随する情報を提供する活動へとシフトしている」と分析する。フェムケアブームに火がついた当時、生理・更年期・セクシャルウェルネスといったカテゴリーが注目された。その影響もあり、古くから女性の健康課題に向き合ってきたカテゴリーが抜け落ちる現象も見られた。また、フェムケアの言葉の露出が高まるほどに、一部にアレルギー反応が起きていたのも事実だろう。市川さんは、「健康課題と向き合うことでアンチが生まれるようでは本質的な活動と言えない。大切なのは男女の性差の相互理解であり、互いへの配慮だ。それを本能では理解しているのに、実行に移せていないことが根本の問題だ」と指摘する。
内側(社員)のベクトル合わせを
大木HCは2023年4月に子会社・LAUGHBASE(ラフベース)を設立し、市川さんは同社の代表を兼務してきた。設立当初からSNS等の媒体を通じた外に向けた情報発信を進めてきた同社は昨年から、改めて社員向けの啓発活動を促進している。
メーカーの協力のもとで鎮痛剤や漢方薬の正しい使い方を学び、医薬品を使わず痛みを我慢してきた方へのアプローチ、あるいは痛みの部位ごとに推奨すべき商品などの理解を促している。「女性の健康課題に対する理解と十分な知識を得て初めて、関連商品を売ることができる。まずは内側(社員)のベクトルを合わせ、そのベクトルを取引先様と共有していくことが1つの目標である」(市川さん)という。
一連の啓発活動は、大木HCが主催するカテゴリー提案商談会でも、その一端を垣間見ることができる。先ごろ開催された商談会のフェムケアゾーンでは、昨年8月に市販化が了承された緊急避妊薬を含むピルの市場性を紹介していた。
「緊急避妊薬は過去のフェムケアのトレンドを踏まえると扱いにくい商材だったが、『女性の健康は社会の健康に通じる』という考え方には合致している。そもそも医薬品の流通を生業としてきた当社にとり、“メディカル視点”の提案は得意分野であり、フェムケアの領域もそれを前面に出して提案すべきだと考えている」(市川さん)という。

【出典】ドラッグストアジャーナル
ワクワクドキドキの追求も忘れずに
最後に今後のフェムケア市場への期待について市川さんは、「フェムケアという言葉が一人歩きして売場づくりを難しくした一面はあるが、直近ではその認知度もグンと広がり市民権を得ている。引き続き “メディカル視点”を軸に提案をしていくが、女性には売場にワクワクやドキドキを求める心理もある。今あるトレンドもしっかりと追いかけながら需要を掘り起こしていきたい」という。カテゴリーへの本格参入により、生活者の日常的なセルフケア支援をさらに強化する。
【執筆】ドラッグストアジャーナル
ドラッグストア・薬局業界に特化した日刊メディア『ドラッグストアジャーナル』は、トップ・幹部のインタビューや店舗・イベントレポート、産官学への提言など、ここでしか読めない記事を掲載。ウェブメディア『Hoitto!』は、ヘルスケア関連の商品・サービスやトレンドを紹介。業界記者で培った製配販とのネットワークを武器に、ビジネスのヒントになる、かつ正しく選択された情報をお届けし、社会全体のヘルスリテラシー向上を目指します。この記事の無許可での転載・複製・データ使用は厳禁とさせていただきます(運営:ヘルスケアワークスデザイン株式会社)。
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