2050年の国内ヘルスケア市場、77兆円へ 有望領域トップ5は?
経産省が「新しい健康社会の実現に向けたアクションプラン2023」を取りまとめ、公表した。「国民の健康増進」「持続可能な社会保障制度構築への貢献」「経済成長」の同時実現に向け、国内外のヘルスケア需要を喚起し新たな投資促進を目指すもので、以下3つの目標を掲げた。
- ヘルスケア産業(※)の国内市場を、2020年24兆円から2050年77兆円に
- 世界の医療機器市場のうち日本企業の獲得市場を、2020年3兆円から2050年13兆円に
- 健康寿命を、2016年72歳から2040年75歳以上に
(※)ここで指すヘルスケア産業とは、健康や医療・介護に関わる産業のうち個人が利用・享受するサービスで、健康保持や増進を目的とするもの、または公的医療保険・介護保険の外にあって患者/要支援・要介護者の生活を支援することを目的とするもの
ヘルスケア市場規模、77兆円へ
国内のヘルスケア産業の市場規模は拡大を続けており、2020年は24兆円、2030年は38兆円、そして2050年は77兆円を見込んでいる。背景にあるのは、医療DXや健康経営の進展により関連業種の市場拡大や新たなサービス提供が見込まれることと、高齢化に伴う介護領域の需要増。介護領域では特に生活支援関連のサービスが顕著に拡大すると見ている。
ヘルスケア産業、5つの有望領域
2020年比で2050年までに特に大きく伸長するのは「遊・学(+9.8兆円)」「要支援・要介護者向け商品・サービス(+7.8兆円)」「民間保険(+7.5兆円)」で、有望視できるトップ5は以下領域。
- 1位:民間保険(第3保険など)…15.6兆円
- 2位:要支援・要介護者向け商品・サービス(介護用食品、介護住宅、福祉用具等)…13.0兆円
- 3位:遊・学(ヘルスツーリズムなど)…12.7兆円
- 4位:食(サプリメント・健康食品、OTC・指定医薬部外品等)…8.3兆円
- 5位:予防(衛生用品、予防接種等)…6.6兆円
女性ヘルスケア市場、2024年の最新動向
既述の「ヘルスケア産業、5つの有望領域」では記載はなかったが、今後の有望領域として、もう一つおさえておきたいのが、近年注目を集めている「女性の健康市場」。2019年後半頃から始まったフェムテックの一大ブームにより、スタートアップのみならず、異業種の中堅~大手企業による新規参入が増加している。国・地方自治体・各種支援機関などによる事業支援の活発化、メディアによる報道量の増加、女性の健康イベントが全国各地で開催されていることなどが後押しとなり、国内の女性ヘルスケア市場は急速に成長。企業競争も年々激化している。女性ヘルスケア市場の最新動向、トレンド、女性の健康行動の傾向、主要企業の最新事例などは「女性ヘルスケア白書 市場動向予測2024 〜健康トレンド・業界動向・女性ニーズ〜」に掲載中。女性ヘルスケア市場のうち、フェムテックに特化した情報をインプットしたい方は「売れるフェムテックの開発と販売戦略 17の障壁と対策」がオススメ。
運営元
本メディアを運営するウーマンズは「女性ヘルスケア市場専門のシンクタンク」として、女性ヘルスケア事業の成長・変革を推進するマーケット情報を収集・分析・整理し、最新知見を企業様にご提供している会社です。女性ヘルスケア市場に特化してマーケティング支援を行ってきた「豊富な実績」「15年にわたり継続的に行っている調査分析により蓄積した知見やノウハウ」「業界ネットワーク」を活かし、女性ヘルスケア事業を行う産学官の「どうすれば製品・サービスを広く社会に流通させられるか?」の課題解決に取り組んでいます。事業内容は「コンサルティング事業/ビジネスメディア事業/MICE事業/BtoB広告事業」。最新レポートや新着セミナーのご案内、制度変更などヘルスケア業界の重要ニュース、企業様から頂戴する「女性ヘルスケアビジネスあるある相談」への回答など、ニュースレターで配信中。ぜひご登録ください!
【編集部おすすめ記事】
■女性ヘルスケア業界 市場規模・概況・特性
■女性ヘルスケア白書 市場動向予測2024 〜健康トレンド・業界動向・女性ニーズ〜
■ヘルスケア市場は本当に魅力的?異業種からの新規参入意向は7割も実際は2.5割、なぜ?
■女性の健康問題、一覧(思春期~老年期)
■フェムテック企業一覧(200商品)
■フェムテック市場はどうなる? 2024年に起こる3つの転換