ヘルスケア事業戦略の精度を上げる、チェック項目(2025年度版)

ヘルスケア市場への新規参入が相次ぐ中、何を強みに戦うべきか?どの領域を狙うべきか?参入済みの企業も、これから参入する企業にも役立つ、ヘルスケア事業戦略の精度を上げるチェック事項を紹介。

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ヘルスケア市場への新規参入、各社の状況

そもそも、なぜヘルスケア市場は新規参入が増えているのか?その理由を、生活者動向と業界動向の両面から整理し、合わせて、年商100億円以上の企業の「参入状況」「関心を寄せているヘルスケアビジネスの領域」「参入にあたり感じている障壁」「異業種から参入する際の3つの形態」についてまとめたのが下記記事。新規参入意向は7割と非常に高いにも関わらず、実際に参入した企業は2.5割にとどまることが明らかになっていることからも分かる通り、ヘルスケア領域への参入は容易ではない。緻密な事業戦略を設計して万全な体制で臨んでも、“絵に描いた餅”で終わる企業が後を絶たないことは、案外と知られていない。

ヘルスケア産業の市場規模の全体像(経産省)

事業戦略の設計に入る前に、まずは他社の動向を多角的な視点から把握しておこう。

 

ヘルスケア市場の新潮流、「性差分析」

2022年にトレンドが開花し、政府、アカデミア、メディアなど各方面で広まり始めているのが「性差分析=ジェンダード・イノベーション」。2023年に世界初のジェンダード・イノベーションEXPO(主催:インフォーママーケッツジャパン、企画:弊社ウーマンズ)が国内で開催されまた矢野経済研究所が「10兆円市場」と推計したことで、業界で大きな話題になった。ビジネスの打開策になると注目され、早くも大手製薬企業などが参入し、上市が相次いでいる。

【画像】2023年開催のジェンダード・イノベーションEXPO。企業のみならず、マスメディアの取材も多数入り、大盛況となった(主催:インフォーママーケッツジャパン、企画:弊社ウーマンズ)

以下記事では、性差分析が広がる背景や、性差分析が進みやすい領域などについて網羅的に解説。ヘルスケア市場の中でも特に成長市場として期待されているのが「性差分析」と言われているため、ヘルスケア事業戦略の企画立案に入る前に、本領域の情報には必ず目を通しておきたい。

 

ヘルスケア事業で、狙うべき世代

昨今は、マーケティングの主役としてZ世代とα世代に熱視線が寄せられているが、ヘルスケア事業で狙うべきは、中高年。加齢によるヘルスケアニーズの変化や国内の人口構造から判断しても、合点がいくはず。とはいえ実際に、中高年を対象としたヘルスケア市場への参入をためらう企業はいまだに多い。その理由はおよそ以下2点に集中しやすい。

  • 自社にシニア領域のビジネス経験がない
  • 高齢世代は寝たきり、介護、年金、孤独死などなど様々な問題も降りかかり、ネガティブなイメージもあるため、熱意と当事者意識を持ちづらい

上記2つの理由は、本メディアを運営する弊社ウーマンズが日々、さまざまな企業のヘルスケア事業戦略支援を行っている中で度々耳にする各社の声であり、実際は多様な理由が考えられるが、いずれにせよ、これだけ高齢社会と言われる今も、中高年市場への参入をためらう企業は多い。

以下の円グラフは年齢階級別の割合を示したもの(2022年10月時点)。α世代は女性人口のうちわずか6%、Z世代は17%ほどだ。一方で、括り方が一気に大きくはなるが、50歳以上の女性は国内の女性人口のうち半数以上を占めている(ここでは説明の便宜上、人口推計のセグメントに合わせてα世代を0〜9歳、Z世代を10歳〜29歳と定義)。ヘルスケア事業戦略を検討する前に、改めて「どの年代をターゲットにするか?」を熟考してみよう。

  • α世代…女性人口のうち6%(448万人)
  • Z世代…女性人口のうち17%(1143万人)
  • 50歳以上…女性人口のうち51%(3296万人)

【画像】全国の女性の総人口(単位:万人)(総務省「人口推計2023年3月報(2022年10月確定値)」よりウーマンズ作成)

 

ヘルスケア事業戦略の精度を上げる、チェック事項

既述の通り、ヘルスケア事業戦略の設計・実行、そして持続的な成長は容易ではない。無事参入を果たせても、わずか数年で事業部解散、会社解散(主にスタートアップ)、撤退といったニュースは後を絶たない。では、どうすればヘルスケア事業を成功させられるのか?

本稿では、ヘルスケア事業戦略の精度を上げるチェック事項を3つ紹介したが、当然ながら多様な視点からの検討・事業戦略設計が必要となる。そこで本メディアを運営する弊社ウーマンズが業界向けに発行し、ご利用いただいているのが、女性ヘルスケアビジネスのマーケティング設計にあたり必須の基礎知識を多角的な視点から解説する、業界入門書「女性ヘルスケアビジネス 戦略ハンドブック(約90ページ)」。初めて女性ヘルスケアビジネスに従事する業界初心者、改めて理解を深めたい中級者、自社製品・サービス・戦略のどこに課題があるのか分からず対策に悩んでる担当者におすすめ。レポートの詳細・お申し込みはこちら

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